■共通撮影データ/FE16-35mm F2.8 GM II WB:太陽光
ソニー α7R Ⅵ はどんなカメラ?
α7シリーズ旗艦が4年振りに再臨。さらなる解像と高速性を両立した唯一無二の存在へ
ソニーα7シリーズの最高画素機に位置するRシリーズに、6代目のα7R VIが登場。筆者はこのRシリーズを初代から使い続けてきたが、過酷な自然と対峙する写真家にとって、圧倒的な解像感とフィールドでの高い機動力を両立する絶対的な存在として信頼を置いている。今回も早速、この最新機を購入し、表現性能の真価を確かめるべくフィールドへ向かった。

苔のグラデーションやしっとりとした深い森の湿度感を、見たままの美しさで醸し出してくれる。エクステンデッドRAW処理を適用し、微細なザラつきを劇的に抑え込むことができた。
■17mm 絞りF8 1/80秒 ISO1000
まず、苔の森に足を踏み入れ、驚かされたのはその色の進化だ。正直、前作のα7R Vまではネイチャー写真において緑の色の出し方が難しく、肉眼での見た目よりもきつい色合いになりがちだった。
しかし、α7R VIが描き出す緑は、実にしっとりとした自然な美しさを醸し出してくれる。極小の苔の胞子嚢に宿る微細な水滴から、湿潤な森を包む深い空気感までを克明に描きつつ、極めてナチュラルな発色を両立している点に大きな進化を感じた。
また、超高画素機にとってネックとなる高感度ノイズだが、α7R VIはその弱点を覆す強力な機能を備えている。特に新規投入されたエクステンデッドRAW処理は、従来は難しかった動体撮影でも適応可能になり、フィールドでの利便性が飛躍的に向上した。その効果は等倍で見ずとも一目瞭然でわかるほど。現在はまだPCを介しての作業となるため、これがいつかカメラ内で完結できるようになればさらに理想的だが、表現の可能性を大きく広げてくれた。
そして、三脚を据えてじっくりと対峙する滝のシーンでは、進化したコンポジットRAW処理やピクセルシフトマルチ撮影を試した。このコンポジットRAW処理が実に優秀で、カメラ内でノイズ低減用の画像をあらかじめ準備することができる。そのため、ノイズ低減処理が今までになく格段に簡単なステップで行えるようになった。

NDフィルターを使い長秒で撮影。α7R VI本来のノイズ耐性と、自然体の美しい緑の表現力が際立つ。進化した発色が、竜の滝の清らかな空気感を圧倒的高画質で捉え切った。
■28mm 絞りF11 1/4秒 ISO100
実際の効果もまぁまぁ実用的で、かつての「高画素機は高感度が苦手」という常識を完全に覆す仕上がりを見せる。ノイズに埋もれがちな霧のグラデーションや滝のシャドウ部が、これほど手軽にノイズレスに仕上がるのは撮影者として極めて心強い。
ソニー α7R Ⅵ は高画素機ながら機動力も高い
さらに、驚かされたのが高画素機とは思えないほどの俊敏なフットワークだ。本機はRシリーズとして初めて最高約30コマ/秒の高速連写に対応しているが、懸念されるのがバッファ詰まりである。
しかし、大容量バッファと高速なBIONZ XR2の処理能力のおかげで、連続撮影時でもバッファ解放までの時間が非常に短く、息切れすることなくシャッターを切り続けられる。風に揺れる植物の一瞬のフォルムや不意に飛び込んでくる野生動物の動きを、バッファ詰まりを気にせず次のシャッターチャンスに即備えられる機動力は、これまでの高画素機のテンポを大きく変えてくれる。
α7R VIは単に画素数の数字を競うだけのカメラではない。見たままの自然な美しさを再現する懐の深さ、そして高度なRAW処理技術の融合など、写真家が作品のクオリティをもう一段階引き上げるための「表現の道具」として、高い完成度を持つ唯一無二の存在になるはずだ。
ソニー α7R VIのメリットとデメリット
| メリット |
|---|
| 進化した色再現性 |
| 超高画素と高感度の両立 |
| デメリット |
| RAW処理のワークフロー |
ソニー α7R VIのスペック

| 有効画素数 | 約6680万画素 |
|---|---|
| 映像エンジン | BIONZ XR2 |
| 撮像素子 | Exmor RS CMOSセンサー 積層型 |
| 常用最高ISO感度 | 100〜32000(拡張50/102400) |
| 被写体認識対象 | オート/人物/動物/鳥/昆虫/車/列車/飛行機 |
| AF測距点数 | 最大759点 |
| 最高連続撮影速度 | メカ10コマ/秒、電子30コマ/秒 |
| プリ撮影 | ○ |
| ピクセルシフトマルチ撮影 | ○ |
| コンポジットRAW ノイズ低減用撮影 | ○ |
| 動画性能 | 4K 120p、8K 30p |
| シャッター速度範囲 | 1/8000〜30秒 |
| ファインダー | 高輝度・高色域 約944万ドット 0.9倍 Quad XGA EVF 最高120fps |
| 最大手ブレ補正効果 | 中央8.5段/周辺7.0段(CIPA2024規格) |
| 記録媒体 | SD/CFexpress 2.0 Type A マルチスロット×2 |
| 大きさ(W×H×D) | 約132.7×96.9×72.8mm |
| 重さ(電池・カード含む) | 約713g |
| 実勢価格(税込) | 74万300円 |

