S1Ⅱと同時発表。24mmスタートのF2.8通しズームながら重さ約544gと10cm切りへの意地と執念を感じさせる全長99.9mmがハイライト。その代わり、と書いてしまうと少し悪意を含むニュアンスになってしまうけれど、最大径は84mmと少し太め。名称からも分かる通りPROラインではないので、F2.8の口径ながらサイズバランスを重視したレンズ、ということになりそうだ。

撮影共通データ:■LUMIX S1Ⅱ 絞り優先AE WB:オート

パナソニック LUMIX S 24-60mm F2.8 主な仕様

画像: パナソニック LUMIX S 24-60mm F2.8 主な仕様

●焦点距離:35mm判換算24-60mm
●最短撮影距離:0.19m(W端~焦点距離30mm)/0.33m(T端)
●最大撮影倍率:0.30倍(焦点距離30mm)
●レンズ構成:12群14枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:9枚
●フィルターサイズ:77mm
●大きさ・重さ:φ84×99.9mm・約544g
●付属品:フード

努力は認めます。んでも、後出しの割にはインパクトはやや弱いかな?

フォーカスボタンを搭載。ファンクション割当も出来るので、ハイブリッドズームやAF-ON:近側などを割り当てておくと色々便利に使えそう。

本レンズの新しいところは、フォーカスリングの回転方向を選択可能なことと、対応機種(現状ではS1ⅡとS1ⅡEのみ。S1RⅡはファームアップで対応予定)では設定によってコントロールリングとしても活用できること。

手にしてみると、軽いことは軽いが、ビックリするほどではない気もする。というのも、シグマの28-70mmF2.8(DG DN | Contemporary)の方が約2mm長いけれど、重さ470gかつ最大径が約72mmとなかなかにコンパクトな前例となっているからだ。

画像: ワイド時の周辺描写をチェックするのに、こういったザラザラの路面はちょうど良かったりします。後ボケも、前ボケも思ったよりキレイっぽい。シャープネスはかなり高くて「これまでのLUMIX Sレンズとは違う感じ?」と思いました。 ■絞りF3.5 1/1000秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

ワイド時の周辺描写をチェックするのに、こういったザラザラの路面はちょうど良かったりします。後ボケも、前ボケも思ったよりキレイっぽい。シャープネスはかなり高くて「これまでのLUMIX Sレンズとは違う感じ?」と思いました。
■絞りF3.5 1/1000秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

したがって、さほどの驚きは無い。さらに言えばソニーのFE20-70mmF4Gは1段暗いけれどもズームレンジが広く、長さはほぼ同等かつ最大径約79mmで約488gとコンパクトだ。つまりは後出しの割にはコンサバな仕上がりに、最近のLUMIXらしさのあるレンズラインナップからするとワクワク感が希薄なことは否定できない。

使用感は良くも悪くもLUMIXのレンズって感じ。グッと来るような質感ではないけれど、高品質で安心感があるし、ズームリングの重さも絶妙で、自重で伸びたり縮んだりしないのもマル。

AFレスポンスはさらに向上。描写は…風景屋さんには不向きかも。

画像: 寄ってもシャープ。開放よりも気持ち絞った方がキレイなボケ味に見えましたが、感動は無いかなぁ…。AFはお世辞抜きでウルトラ快適。ナノUSMみたいな静けさとVCMみたいなレスポンス。AFユニットが相当洗練されている感があります。これはボディ側が育ったら相当ヤベーことになるぞ、という予感がビンビン。 ■絞りF4.0 1/250秒 プラス1.0露出補正 ISO200

寄ってもシャープ。開放よりも気持ち絞った方がキレイなボケ味に見えましたが、感動は無いかなぁ…。AFはお世辞抜きでウルトラ快適。ナノUSMみたいな静けさとVCMみたいなレスポンス。AFユニットが相当洗練されている感があります。これはボディ側が育ったら相当ヤベーことになるぞ、という予感がビンビン。
■絞りF4.0 1/250秒 プラス1.0露出補正 ISO200

実写シーンではAFレスポンスの良さを実感。パナのレンズはどれもAFのレスポンスが良いけれど、静粛性が向上したことで、これまで以上に体感が良い。実際のスピードについては感触で違いが分かる領域を越えているからソコに対する感動は薄かったのだけど、音が小さいことが体感にコレほど効くとは思ってもいなかったので驚きました。

どれ、とは言いませんがSTMとは明らかに違いますね。

描写については、シグマの24−70mmF2.8 DG DN Ⅱ | Art (新型の方ね)ユーザーの目からすると、正直フツー。寄った時のボケ感はキレイだし、シャープなことはシャープで、シーンによっては抜群の切れ味なのだけれども、何と言うか「PROとかArtとかとは違うんだな…」という気持ちになります。

画像: すっごいシャープ。ニコンのZが登場した時にZ24-70mmF4Sで写真撮った時の事を思い出しました。良い意味で「えぇ?」っていう戸惑うくらいの切れ味。光量差が大きくなければね。 ■絞りF3.5 1/160秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

すっごいシャープ。ニコンのZが登場した時にZ24-70mmF4Sで写真撮った時の事を思い出しました。良い意味で「えぇ?」っていう戸惑うくらいの切れ味。光量差が大きくなければね。
■絞りF3.5 1/160秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

よく写るのと、描写が良いのは違うんだぞ、ってのが分かってる人には刺さらないって言えば良いのかなぁ。ま、お値段が違うので違いがあって当然なのだけれどもね。
そうそう、輝度差の大きなシーンでは、最近のレンズとしては輪郭に色づきがまぁまぁ出るので「あれ?」とは思いました。あと周辺部の前ボケがちょっと目立つ感じなので風景屋さんには向かないかも。

冷静な思考で話をすると、描写性をコレ以上に頑張ろうとするとサイズや価格に響くということなのかも知れません。その観点では、落とし所としても限界まで攻めているようにも感じられます。

画像: 寄った時のボケ感は良さそう。風で結構激しく揺れていましたが、レンズ側のAFが強いので追従性は全く問題ナシ。お仕事レンズとして信頼できそうな感じ。そう考えるとコスパがスゴイね。あまり趣味のものをコスパで語りたくはないのだけど、素直にスゴイ。 ■絞りF2.8 1/500秒 マイナス1.3露出補正 ISO100

寄った時のボケ感は良さそう。風で結構激しく揺れていましたが、レンズ側のAFが強いので追従性は全く問題ナシ。お仕事レンズとして信頼できそうな感じ。そう考えるとコスパがスゴイね。あまり趣味のものをコスパで語りたくはないのだけど、素直にスゴイ。
■絞りF2.8 1/500秒 マイナス1.3露出補正 ISO100

画像: レンズのスペックとサイズから愚考すると、ボディとのバランスを相当緻密に計算して作ったのかも?みたいな感心があります。上手く言葉に出来ませんが、理詰めって感じ。情熱的なレンズばかりに触れていると、このレンズを選ぶ楽しさは感じ難いのだけど、使うシーンは想像できるというか。 ■絞りF4.5 1/250秒 ISO200

レンズのスペックとサイズから愚考すると、ボディとのバランスを相当緻密に計算して作ったのかも?みたいな感心があります。上手く言葉に出来ませんが、理詰めって感じ。情熱的なレンズばかりに触れていると、このレンズを選ぶ楽しさは感じ難いのだけど、使うシーンは想像できるというか。
■絞りF4.5 1/250秒 ISO200

ともあれ、コレで良いってユーザーは多いだろうし、使い勝手が良くまぁまぁコンパクトで、開放F2.8ズームで、動画に強いAFも持っていることは事実で、用途によっては凄くコスパの良い選択肢だぞ、という気持ちもあります。このご時世に頑張った価格で提供してくれることも、ものすごく戦略的。

まとめると、満足度は高そうだし、良いプロダクトだとも思ってるけれど、なんだか可愛くはないぞって感想でした。ソニー・タムロン連合の方がレンズ選びは楽しそうなのよね。だからパンチが弱いと表現しても良いのかな。

画像: どれ、とは言いませんがSTMとは明らかに違いますね。

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