キヤノンのフルサイズミラーレス用大口径標準ズーム、RF24-105mm F2.8 L IS USM Zはどんなレンズなのか。プロカメラマン山本純一氏のインプレッションと実写画像とともに徹底解説します。

■山本純一氏プロフィール
1960年帯広市生まれ、札幌市在住。 23年間の会社員生活を経て、2007年「Pure Peak Photo」を設立し フリーランスの写真家として活動。 現在北海道の自然風景と動物をテーマに撮影を続けている。 2012年初の写真集「越冬」を中西出版(株)から刊行。

RF24-105mm F2.8 L IS USM Zのインプレッション

動画対応も見据えた機能と画質性能を備えた新世代標準ズーム

キヤノン初の24-105mm画角F2.8通しの大口径標準ズームレンズ。驚くのはその大きさと重さだ。全長199mmで1.3kg超とRF100-500mmよりも9mm短く、重量も40g軽いだけ。望遠レンズを2本持ち歩くようで最近の軽量化路線から逸脱する。EOS R5ボディに装着すると、三脚台座が標準付属なのが納得できる。

画像1: 動画対応も見据えた機能と画質性能を備えた新世代標準ズーム

回転式台座は瞬時に縦位置に切り替えが可能で、ズーミング時も全長固定設計のお陰でレンズの長さとバランスが変わらない。厳格なフレーミングワークの静止画や動画撮影時に不用意にズームが動かないのでとても便利だ。

また、ズーミングしても全長が固定されるインナーズーム対応は機密性が高く、防塵防滴性能も強化されており、タフなフィールド撮影での信頼性が高い。

肝心の画質性能だが、撮影画像をPCモニターで検証して一番驚いたのは、開放F値での見事な解像力と隅々まで均等な画像だ。色収差はもちろん、画像の歪みも皆無に近く、素晴らしい画を創り出す。贅沢に非球面&UDレンズを使う「L」の称号に相応しいレンズだと納得。

画像: 7月初め、夏至の後の日の出は午前4時前。雲から柔らかな陽光が湖面に注ぐと、温度変化で風紋が現れた。シャドーからハイライトまでの階調が素晴らしくゴーストも皆無で素晴らしい画像を結ぶ。 ■51mm 絞りF8 1/200秒 マイナス1.3露出補正 ISO200 共通撮影データ/ EOS R5 絞り優先 AE WB:太陽光 ピクチャースタイル:風景 ワンショット

7月初め、夏至の後の日の出は午前4時前。雲から柔らかな陽光が湖面に注ぐと、温度変化で風紋が現れた。シャドーからハイライトまでの階調が素晴らしくゴーストも皆無で素晴らしい画像を結ぶ。
■51mm 絞りF8 1/200秒 マイナス1.3露出補正 ISO200
共通撮影データ/ EOS R5 絞り優先 AE WB:太陽光 ピクチャースタイル:風景 ワンショット

テレ側絞り開放でバイカウツギを撮影したが、ボケ味がとても綺麗でコントラストも高く、画像の再現性も自然だ。絞り羽根も11枚使用しており、絞り込んでも滑らかな円形ボケになる。

画像2: 動画対応も見据えた機能と画質性能を備えた新世代標準ズーム

手ブレ補正のモード切り替えは3段階装備していて流し撮りにも対応、スポーツや鉄道・飛行機・野生動物撮影などに使えるのも嬉しい。

明るいレンズと新設計の高速のナノUSMを2基使用している効果は抜群で、AFのスピードもEFレンズに比べて格段に速い。静音撮影のレスポンスも上々だ。

画像: 最短撮影距離まで接近してバイカウツギを撮影。風が強いので MFでピント合わせ。解像力が高いのでピントの山もハッキリと分かる。樹間のボケが綺麗な円形になりマクロレンズとしても使える。(『可憐』札幌市内豊平公園 6月) 105mm 絞り F2.8 1/200秒 プラス0.7露出補正 ISO400 MF

最短撮影距離まで接近してバイカウツギを撮影。風が強いので MFでピント合わせ。解像力が高いのでピントの山もハッキリと分かる。樹間のボケが綺麗な円形になりマクロレンズとしても使える。(『可憐』札幌市内豊平公園 6月)
105mm 絞り F2.8 1/200秒 プラス0.7露出補正 ISO400 MF

ただ不満点もある。最短撮影距離が全域で45cmなのだ。RF24-70mmF2.8Lの広角側は21cmなので、もう少し頑張ってくれたら...と思うのは欲張りか。 

動画用にパワーズームアダプターも発売され、静止画&動画の両方に威力を発揮する。アイリスリングを搭載しているが、EOS R5やR6 Mark IIなどのちょっと前の機種には動画のみで静止画には対応していないので、できればファームアップで対応してほしい。それを除けば、重量とコスパは厳しいが、それを超える画が得られる。

画像: 強風が吹く岬の途中でエゾカンゾウが咲き始めていた。絞り込んでパンフォーカスで撮影。画面周辺まで非常にシャープで抜けの良い画像を結ぶ。更に高画素のカメラで撮りたい程魅力的なレンズだ。 (『花咲く岬』積丹半島神威岬 6月) 24mm 絞り F22 1/50秒 マイナス1.0露出補正 ISO1600 PLフィルター使用

強風が吹く岬の途中でエゾカンゾウが咲き始めていた。絞り込んでパンフォーカスで撮影。画面周辺まで非常にシャープで抜けの良い画像を結ぶ。更に高画素のカメラで撮りたい程魅力的なレンズだ。
(『花咲く岬』積丹半島神威岬 6月)
24mm 絞り F22 1/50秒 マイナス1.0露出補正 ISO1600 PLフィルター使用

Photo&Text 山本純一

キヤノン RF24-105mm F2.8 L IS USM Zのスペック

  • 焦点距離:24~105mm
  • レンズ構成:18群23枚
  • 画角(対角線):84°~23°20′
  • 最短撮影距離:0.45m(ズーム全域)
  • 最大撮影倍率:0.29倍(105mm 時)
  • 最小絞り:F22
  • 絞り枚数:11枚
  • フィルター径:82mm
  • レンズフード:EW-88E(付属)
  • 最大径×長さ:約φ88.5mm×199mm
  • 重量:約1330g(三脚座含まず)

価格:オープン(実売49万5000円)
発売日:2023/12/8

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