ソニー α6000シリーズのハイエンドモデル「α6700」。その機能性と操作性はいかに? プロカメラマン・豊田慶記氏が実際に撮影したインプレッションを、写真とともに徹底解説します。

■豊田慶記氏プロフィール
広島県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。メカに興味があり内燃機関のエンジニアを目指していたが、植田正治・緑川洋一・メイプルソープ等の写真に感銘を受け写真の道を志す。スタジオマン・デジタル一眼レフ開発などを経てフリーランスに。作例デビューは2009年。カメラ誌でのキャリアは2012年から。カメラグランプリ外部選考委員。日本作例写真家協会(JSPA)会員。

「高度な被写体認識AF性能を見せるAPS-C機」豊田慶記氏がソニー α6700を徹底解説

オールラウンドに使えるイチオシのAPS-Cミラーレス

2023年夏にリニューアルしたα6000シリーズのハイエンドモデル。センサーは裏面照射型となる有効画素数約26MPのExmor R CMOS。これにα7R Vなどと同じ最新世代のBIONZ XRにAIプロセッシングユニットを搭載したエンジンを組み合わせることで、高度な被写体認識AF(人物・動物・鳥・昆虫・車/列車・飛行機の検出に対応)を楽しめる。ちなみに筆者がテストしたAPS-C機としては、積層型センサーではないにもかかわらず最強のAF性能を見せた(※2024年末時点)。

画像: オールラウンドに使えるイチオシのAPS-Cミラーレス
画像: ボディ外寸はα6600から微妙に大きくなったものの、十分にコンパクト。背面液晶がチルトタイプからバリアングルタイプに変更された。

ボディ外寸はα6600から微妙に大きくなったものの、十分にコンパクト。背面液晶がチルトタイプからバリアングルタイプに変更された。

外観デザインはα7C Ⅱに近いテイストで、メディアスロットがEVF側のボディサイドにあるのも同様だ。グリップの形状が素晴らしく、α9 Ⅲとα1 Ⅱを除けば、αシリーズで最も筆者の手(手袋のサイズは2L〜3L)に馴染む。

EVFは同価格帯のライバルと比べて鮮鋭感と覗き心地がやや劣る。また明度の再現性がLCDや実画像とちょっと違う感じ(実際より少し明るく見える)がある。ただ、画面内に被写体を捉えておけば優秀なAFが何とかしてくれるので、実用上はコレで問題ないのかも。楽しくはないが。

画像: AIによる被写体認識メニューは、人物をはじめ、6種類の項目に対応。UIも最新世代になった。

AIによる被写体認識メニューは、人物をはじめ、6種類の項目に対応。UIも最新世代になった。

ソニー機といえばAFや潤沢なバッファ性能に裏打ちされた高速性に注目されがちだが、AE/AWBの制御が徹底的に中庸で賢い。明るくしたい時はプラス補正、少し深めに表現したい時にはマイナス補正、という当たり前のことが至極普通にできる。クセのない制御が見事なのだ。手ブレ補正についても最大5.0段というスペック以上に効果を感じられる。ただし、スペック的に上位のX-T50などと比べると、その差を実感するシーンはある。

この撮影性能の高さによって、咄嗟のシーンでもかなりのヒット率でそつなく撮れるので、動体シーンはもちろん、スナップの相棒としてとしてもかなりのポテンシャルがある。

画像: 少しガチャガチャした条件ながらも、ワラビーの瞳をシッカリと認識追従していた。検出速度・精度ともに申し分なく、前後の檻の格子パターンにもあまり惑わされない。サイズバランスとAF性能、画質とコスパの総合力でAPS-C機最強かも。 ■FE 70-350mmF4.5-6.3 G OSS 絞りF6.3 1/640秒 マイナス0.3露出補正 ISO1600 WB:オート クリエイティブルック:ST 被写体認識:動物 AF-C フォーカスエリア:トラッキング

少しガチャガチャした条件ながらも、ワラビーの瞳をシッカリと認識追従していた。検出速度・精度ともに申し分なく、前後の檻の格子パターンにもあまり惑わされない。サイズバランスとAF性能、画質とコスパの総合力でAPS-C機最強かも。
■FE 70-350mmF4.5-6.3 G OSS 絞りF6.3 1/640秒 マイナス0.3露出補正 ISO1600 WB:オート クリエイティブルック:ST 被写体認識:動物 AF-C フォーカスエリア:トラッキング

趣味性や情緒、EVFのクオリティでは物足りない部分があるけれど、20万円程度で信頼できる高性能なカメラは?と問われれば筆者のオススメ筆頭候補はα6700だ。

この結論は登場から1年を経ても覆らないが、もう少し予算をプラスすればフルサイズ機が手に入る昨今、気軽に20万円前後のAPS-C機をオススメしてよいものか…という葛藤もある。

豊田慶記氏が考えるソニーα6700の「◯と×」

・APS-C最強のAF性能
・グリップが良い
・バッテリーの保ちも悪くない
・中庸なAE/AWB制御
・アプリの接続性が良い

×
・EVFの表示クオリティ
・情緒・趣は無い
・アイセンサーの感度が過敏

(写真&解説:豊田慶記)

ソニーα6700 のスペック

  • センサーサイズ:APS-Cサイズ
  • 画素数:約2600万画素
  • ファインダー:0.39型OLED EVF 235万9296ドット
  • レンズマウント:ソニーEマウント
  • モニター:3.0型 103万6800ドット
  • 感度:ISO 100~32000 ※拡張ISO 50/102400
  • 連続撮影速度: 約11コマ/秒
  • バリアングルタッチパネル
  • SDXC(UHS-Ⅱ対応)
  • 大きさ:約122.0×69.0×75.1mm
  • 重さ:約493g
  • 発売日:2023年7月28日
  • 価 格:22万1630円(ボディ)/26万8910円(18-135mm高倍率ズームレンズキット)
    ※価格は記事執筆時のものです

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本記事は「カメラマン リターンズ#13」の記事を転載したものです。興味のある方は、本誌もぜひチェックしてみてください!↓

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