2021年4月末発売の本レンズ。「フルサイズ機だけどコンパクト」的な触れ込みで登場したLUMIX S5とのマッチングの良いサイズ感と、70-300mmといういわゆる望遠ズームとしては「並」感のあるスペック。だけど、300mm時の最大撮影倍率が0.5倍というテレマクロ性を引っ提げたことで「シグマの望遠ズームマクロの魂を継ぐレンズの再来!」と胸が熱くなったことはいまだに印象に残っています。

※撮影共通データ ■LUMIX S5 絞り優先AE WB:オート

パナソニック LUMIX S 70-300mmF4.5-5.6 MACRO O.I.S. 主な仕様

画像: パナソニック LUMIX S 70-300mmF4.5-5.6 MACRO O.I.S. 主な仕様

●焦点距離:70-300mm
●最短撮影距離:0.54m(W端)/ 0.74m(T端)
●最大撮影倍率:0.5倍
●レンズ構成:11群17枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:11枚
●フィルターサイズ:77mm
●大きさ・重さ:φ84×148mm・約790g
●付属品:フード

買いました! ということで、自腹購入ゆえの書きたいホーダイ!

画像: 当初はS1と組み合わせて撮っていたのだけど、S5の方がナンダカAFが良いんだよね。どちらも同じAFアルゴのハズだけど…。なので今回のボディはS5です。テレ端での写りの感じ。こういう体力測定的な撮り方をすると周辺は「まぁ」って感じは否めませんが、背景周辺の微妙な位置に規則的なパターンを置かなければ済む話かと。ピント面の鋭さは見事なものですな。 ■絞りF5.6 1/320秒 ISO125

当初はS1と組み合わせて撮っていたのだけど、S5の方がナンダカAFが良いんだよね。どちらも同じAFアルゴのハズだけど…。なので今回のボディはS5です。テレ端での写りの感じ。こういう体力測定的な撮り方をすると周辺は「まぁ」って感じは否めませんが、背景周辺の微妙な位置に規則的なパターンを置かなければ済む話かと。ピント面の鋭さは見事なものですな。
■絞りF5.6 1/320秒 ISO125

実は以前の「LUMIX S5Ⅱ」のインプレにて本レンズで撮影したカットをいくつか作例で使っていますが、そういえばWebカメラマンでレンズそのもののインプレについては、まだやってなかったと思い出しました…というのは嘘です。自腹で本レンズを買ったので、どうせなら仕事にしてやろうという魂胆が働いたことを白状しておきます。ってことで、今回は撮り下ろし新作で「評価するぞ」という気持ちで使っています。

本レンズは光学手ブレ補正を持ち、ボディ内手ブレ補正との協調制御であるDual.I.S. 2に対応することで最大約5.5段の手ブレ補正効果を発揮。タフネス性にも配慮されており、マイナス10℃の耐低温かつ防塵・防滴仕様。最大径φ84mm、全長は約148mm、重さ約790gとソコソコのサイズ感だが、望遠ズームとして考えれば「まずまず」の範囲内。

鏡筒にはフォーカスリミッター、AF/MF切り替えスイッチ、手ブレ補正のON/OFF、ズームロックのスイッチを備えています。

画像: 140mmでの接写シーン。ピント位置前後の滲み感を見たかったので、ちょい後ピン気味のカットを採用しています。妙な滲みが少なく良い感じだし、背景のボケ(左)も悪くないね。あと、寄れる望遠ズームってのは楽しいね。望遠レンズっていうと遠くのものを撮るイメージ強いけど、それ以外のシーンでもこうやって撮れると分かると、望遠ズームを持ち歩く理由ができるからね。 ■絞りF5.3 1/160秒 プラス0.7露出補正 ISO250

140mmでの接写シーン。ピント位置前後の滲み感を見たかったので、ちょい後ピン気味のカットを採用しています。妙な滲みが少なく良い感じだし、背景のボケ(左)も悪くないね。あと、寄れる望遠ズームってのは楽しいね。望遠レンズっていうと遠くのものを撮るイメージ強いけど、それ以外のシーンでもこうやって撮れると分かると、望遠ズームを持ち歩く理由ができるからね。
■絞りF5.3 1/160秒 プラス0.7露出補正 ISO250

手にした感じは誤解を恐れずに言えば”中の上”だ。LUMIX Sレンズはどれも質感は良いが、その方向性は「繊細」ではなくガシガシ使う「道具感」が色濃い。これを伝わりやすく表現しようとすると、筆者の語彙力では”中の上”になります。

スイートな見た目ではないけれど、最近のニコンやキヤノンのレンズのような擦過痕が付き易い仕上げではなく、拭き掃除も楽で大変に良い感じです。
LUMIX S5やS5Ⅱとの組み合わせで重さは約1.5kgと、なかなか良い感じのサイズ感に収まっていますね。

ズームロックスイッチを搭載するので、ビヨーンと伸びやすいのかな?と思ったが、そこまでズイズイ伸びる感じではなかった。とは言え、グリップしたままウロウロしていると徐々に伸びてくる感じ。

気温5℃以下のシーンだと筆者の個体は自重で伸びる程度はそれほどでもなく、アグレッシブに行動すると伸びる感じ。後日17℃環境で使ってみたところ、移動時にはズームロックスイッチを使いたくなりました。

220mmまでのキレ味は申し分ないです。その先はピント精度が…?

画像: テレ端開放だと、いわゆるハイグレードレンズ使ったことある人には「ちょい甘いかな?」と感じる人がいないワケじゃないと思うけれど、個人的にはこの価格とサイズでここまでシャープなら十分以上です。70-200mmF2.8に2倍のテレコンつけて300mmで撮った方が、キレは上かなぁ…ま、微妙なところだけど、デカいし高いからね。コレで不満ならもう素直に大砲系になっちゃう。Lマウントだと、以前テストしたシグマの500mmF5.6か先日発表された300-600mmF4あたり。一般的に手の届く価格帯なら150-600mmも良いけど、デカいね。 ■絞りF5.6 1/1000秒 プラス0.3露出補正 ISO2000

テレ端開放だと、いわゆるハイグレードレンズ使ったことある人には「ちょい甘いかな?」と感じる人がいないワケじゃないと思うけれど、個人的にはこの価格とサイズでここまでシャープなら十分以上です。70-200mmF2.8に2倍のテレコンつけて300mmで撮った方が、キレは上かなぁ…ま、微妙なところだけど、デカいし高いからね。コレで不満ならもう素直に大砲系になっちゃう。Lマウントだと、以前テストしたシグマの500mmF5.6か先日発表された300-600mmF4あたり。一般的に手の届く価格帯なら150-600mmも良いけど、デカいね。
■絞りF5.6 1/1000秒 プラス0.3露出補正 ISO2000

AFそのものの動作は非常に軽快かつ高レスポンス。本レンズが登場した頃はまだコントラストAFによるDFD(空間認識AF)推しだったこともあり、480fpsのAF制御に対応するリニアモーター搭載が非常に効いています。

今後、像面位相差AFの制御が洗練された暁には、さらにこのレンズのAF性能が輝いて来るのでは? と明るい予感をさせてくれるくらいにはスコスコ動作します。しかもフォーカスブリージングは非常に軽微なので、無限遠から至近側まで像倍率の変化が少ないままピントだけが解けたり集まったりする感覚が新鮮。

画像: 120mm時。写りだけで言えばS Proのが上かな? って気持ちを否定できませんが、このレンズのキレも良いよね。ちなみに、ですがシグマのライトバズーカこと100-400mmも購入検討していました。200mm以降はシグマの方が良いと思っているので結構迷いましたが、ワイド側が70mmスタートって結構便利であること、あとは寄れることの優位性を重視したので候補から外れました。が、好きなレンズなので虎視眈々と狙ってはいます。300mm以上の焦点距離を使う理由ができれば。 ■絞りF5.1 1/250秒 プラス0.7露出補正 ISO100

120mm時。写りだけで言えばS Proのが上かな? って気持ちを否定できませんが、このレンズのキレも良いよね。ちなみに、ですがシグマのライトバズーカこと100-400mmも購入検討していました。200mm以降はシグマの方が良いと思っているので結構迷いましたが、ワイド側が70mmスタートって結構便利であること、あとは寄れることの優位性を重視したので候補から外れました。が、好きなレンズなので虎視眈々と狙ってはいます。300mm以上の焦点距離を使う理由ができれば。
■絞りF5.1 1/250秒 プラス0.7露出補正 ISO100

筆者の感覚では、ズーム全域で絞り開放から十分以上の解像感があり、特に70-220mmまではかなりのキレ味で満足感が高いです。これより望遠側では気持ち緩くなるけれど、十分にシャープと評価していいかと。

ちなみに、海外のレビューサイト評では”テレ側で甘い”というコメントが幾つかあったが、ピント精度の都合じゃないかな? というのも過去に試用した2個体と筆者が購入した個体、今回借りた個体の全てで特に印象が大きく変わることはなく、テレ端でも十分にシャープでした。ただし、少し緩く見えるカットが時折あったのでピント精度なのでは? という考察です。
逆光にもソコソコ強く、総じて安心して使える便利な望遠レンズという感想。

ライバルは、S PRO 70-200F4となりますが…トヨタはそれほど悩まず。

画像: 300mmでパチリ。手ブレ補正はS1とS5で使ってる体感では不満なし。ボケ感良いね。ズームとは思えない感じ。窓ガラス越しに撮っているので少しザラツいて見えますね。こういうの撮りたい場合は明るいレンズの方が都合が良いとは思うから、ズームならS ProF2.8か同F4の方が良さそうではあります。 ■絞りF5.6 1/320秒 ISO1600

300mmでパチリ。手ブレ補正はS1とS5で使ってる体感では不満なし。ボケ感良いね。ズームとは思えない感じ。窓ガラス越しに撮っているので少しザラツいて見えますね。こういうの撮りたい場合は明るいレンズの方が都合が良いとは思うから、ズームならS ProF2.8か同F4の方が良さそうではあります。
■絞りF5.6 1/320秒 ISO1600

本レンズを検討するうえで避けては通れない存在が、S PRO 70-200mmF4 O.I.S.(税込み約12万6000万円) の存在。ワタシも迷いました。写りはね、何度か試用していますがトヨタの眼ではS PROの方が良いです。「緻密な描写」って言えば良いのかなぁ…。名称にPROって付けるだけあるな、という感じ。

でも、出来ることは本レンズのが間違いなく上。テレ側のプラス100mmの余裕と、圧倒的と言って良い近接性の差は撮影者にとって描写性の差以上に大きなメリットがあると考えています。
もちろん、200mm時に本レンズはF5.5とS PROと比べて1段暗いなど、S PROのが好ましいシーンが他にもあると思うけれど、ことスナップ運用においては、撮りたい気持ちに応えてくれる頻度が高いのは本レンズなのでは?と。

仮に、S PROがソニーのFE70-200mmF4 OSS G2くらいの接写性能を持っていたら、相当迷ったと思うけどね。ともあれ、そんな夢のようなレンズはLマウントにはまだ存在せず、それほど悩まず本レンズを買うことにしました。

真面目な話をすると、マクロレンズのように接写時に実行F値が暗くなることがないというのも、本レンズのメリットのひとつ。と言っても元が暗いけれどね。でも、寄れば寄るほどマクロレンズとの明るさの差は縮まるので、ズームによる画角調整というメリットが大きく感じられます。

画像: 200mm時の開放です。キレ味鋭い描写にニンマリ。DSLR時代はF2.8ズーム使ってましたが、当時のレンズよりピント面のシャープさだけで言えば上に見えるので驚かされます。スゴイ時代だよ、まったく。フルサイズ用の望遠ズームとしては嵩張らないので、持ち歩く際の覚悟が必要ないのは本当に良いね。実際に終日撮り歩いても疲労感は軽微。満足なお買い物になったという確信をより確かなものにしてくれます。 ■絞りF5.1 1/500秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

200mm時の開放です。キレ味鋭い描写にニンマリ。DSLR時代はF2.8ズーム使ってましたが、当時のレンズよりピント面のシャープさだけで言えば上に見えるので驚かされます。スゴイ時代だよ、まったく。フルサイズ用の望遠ズームとしては嵩張らないので、持ち歩く際の覚悟が必要ないのは本当に良いね。実際に終日撮り歩いても疲労感は軽微。満足なお買い物になったという確信をより確かなものにしてくれます。
■絞りF5.1 1/500秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

ミラーレス時代の進歩した光学設計でズームマイクロニッコールみたいなコンセプトのレンズが登場したらどんな素晴らしい世界が広がるだろう? と長年夢見てきたけれど、本家のニコンからすら、いまだに登場していません。近い事ができるFE70-200mmF4 OSS G2登場時に、ソニーに乗り換え案を可決するかマジで真剣に悩んだくらい。

本レンズは普段使いもできて、300mm画角を楽しめて、さらにマクロレンズのような楽しみ方も出来るというワガママを絶妙なバランスで実現してくれた、スペック的には地味だけどもっと注目されて良いレンズだと思っています。

最後に。望遠ズームを使っていると必ず遭遇するのが「あと少し寄れれば!」と天を仰ぐシーンであります。これは写真の歴史を振り返ってみても確定的に明らかであることは言うまでもありません。
にも関わらず、この点の改善を図ったレンズが少ないということに、写真業界に渦巻くの陰謀の影を疑わずには居られませんよ。性能競争も大事だとは思うけれど、「使って楽しい」についてももう少し注目してもらえませんかね?

画像: 300mmでパチリ。これは遠景じゃないけど、遠景シーンだとピント精度が少しバラつく印象がありました。レンズ側のAF精度の都合なのか、ボディ側の実力なのかは分かりませんが、シグマの70-200mmF2.8とかS Proを使った時にはそれほど遠景でピントが、と感じなかった記憶があるのは事実です。描写特性とAFのマッチングかも? 実際のところは分からないけど、使っていてAFの制御ステップがS Pro系と比べて少し「粗」なのかなぁ、という気がしなくもないです。実際このカットも微妙にピントが甘いから。 ■絞りF5.6 1/320秒 マイナス0.3露出補正 ISO400

300mmでパチリ。これは遠景じゃないけど、遠景シーンだとピント精度が少しバラつく印象がありました。レンズ側のAF精度の都合なのか、ボディ側の実力なのかは分かりませんが、シグマの70-200mmF2.8とかS Proを使った時にはそれほど遠景でピントが、と感じなかった記憶があるのは事実です。描写特性とAFのマッチングかも? 実際のところは分からないけど、使っていてAFの制御ステップがS Pro系と比べて少し「粗」なのかなぁ、という気がしなくもないです。実際このカットも微妙にピントが甘いから。
■絞りF5.6 1/320秒 マイナス0.3露出補正 ISO400

画像: ライバルは、S PRO 70-200F4となりますが…トヨタはそれほど悩まず。

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