RFマウントとしては初となる開放値F1.4の単焦点レンズ。キヤノンのアナウンスによると従来のEFレンズとの比較では描写は同等以上としながらも、サイズと重さは大幅に軽減されているとのこと。
※撮影共通データ ■キヤノン EOS R5 絞り優先AE WB:オート ※デモ機による撮影

キヤノン RF35mm F1.4L VCM  主な仕様

画像: キヤノン RF35mm F1.4L VCM  主な仕様

●焦点距離:35mm
●最短撮影距離:0.28m
●最大撮影倍率:0.18倍
●レンズ構成:11群14枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:11枚
●フィルターサイズ:67mm
●大きさ・重さ:約76.5×99.3mm・555g
●付属品:フード、レンズポーチ、リアフィルターホルダー

動画撮影を見据えて絞り環=アイリスリングを装備。

画像: 絞り開放、撮影距離1m前後。昔の大口径広角レンズならばハイライトが滲みやすい条件だが、その傾向はまったくない。前ボケも素直。■絞りF1.4 1/2000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

絞り開放、撮影距離1m前後。昔の大口径広角レンズならばハイライトが滲みやすい条件だが、その傾向はまったくない。前ボケも素直。■絞りF1.4 1/2000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

「Lレンズかつ35mm」という焦点距離の単焦点レンズとなれば、いわずもがな筆者の大好物である。

本レンズには「VCM(ボイスコイルモーター)」と「ナノUSM(超音波モーター)」を組み合わせた電子式フローティングフォーカス制御が採用されている。VCMとは「磁石の磁場を媒体として、電気エネルギーを運動エネルギーに変換するアクチュエータ」という説明であって、素人には機構的にはよくわからないが、スムーズで素早いフォーカシングの駆動をする。

画像: 夏の湿度の高い日だというのに、コントラストが高くクリアな再現性になった。光を通す純度が高い高品位レンズという印象である。■絞りF8 1/500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

夏の湿度の高い日だというのに、コントラストが高くクリアな再現性になった。光を通す純度が高い高品位レンズという印象である。■絞りF8 1/500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

ただし、カメラボディの電源が入っていない時、レンズ単体で持ち歩く時には鏡筒の中から“カタカタ” と小さい音がする。これは磁石に通電していないためのようだ。本レンズには消音設計のアイリスリング(絞り環)が備えられ、スムーズで無音のフォーカシングが行えるということで、動画用のレンズとしても適している。

フォーカス操作に伴い画角変動が生じる「ブリージングを抑制する光学設計で、画角変化の少ない安定した構図での動画撮影を実現した」というが、実際にMFでフォーカスリングを急激に回しても効果は十分であることが確認できた。

ポテンシャルをフルに引き出すには慎重なピント合わせを!

画像: 撮影距離0.5m。逆光条件で葉っぱが透明に見える角度を狙ったが、フレアやハロは出てこない。後ボケの素直さは素直でまったくクセがない。■絞りF2 1/8000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

撮影距離0.5m。逆光条件で葉っぱが透明に見える角度を狙ったが、フレアやハロは出てこない。後ボケの素直さは素直でまったくクセがない。■絞りF2 1/8000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

画質はEF35mm F1.4L Ⅱ USM(2015年9月発売)と同等だとキヤノンはアナウンスしており、至近距離から遠距離まで線の細いシャープな描写だ。広角レンズだが被写界深度が浅く感じられるほど。絞りや撮影距離による性能変化は皆無。本レンズのポテンシャルを最大限に発揮させるには、被写体認識AFに甘えることなく任意で測距を行い、合焦点を選んでフォーカスの頂点を見極めておいた方が良いかもしれない。

鏡胴は少し太めで、コンパクトというわけではないが555gという重量は嬉しい。標準ズームレンズと画角が重複しても持ち運ぶ意味はある。本レンズに続き、RF50mm F1.4Lの登場はあるのか、とても期待されている。

画像: 日陰の条件だがコントラストの高い描写。絞りの設定とか撮影距離で画質がまったく変わらない優等生資質の広角大口径。■絞りF1.8 1/800秒 マイナス1.3露出補正

日陰の条件だがコントラストの高い描写。絞りの設定とか撮影距離で画質がまったく変わらない優等生資質の広角大口径。■絞りF1.8 1/800秒 マイナス1.3露出補正

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