※撮影共通データ ■キヤノン EOS R5 絞り優先AE WB:オート ※デモ機による撮影
キヤノン RF35mm F1.4L VCM 主な仕様
●焦点距離:35mm
●最短撮影距離:0.28m
●最大撮影倍率:0.18倍
●レンズ構成:11群14枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:11枚
●フィルターサイズ:67mm
●大きさ・重さ:約76.5×99.3mm・555g
●付属品:フード、レンズポーチ、リアフィルターホルダー
動画撮影を見据えて絞り環=アイリスリングを装備。
「Lレンズかつ35mm」という焦点距離の単焦点レンズとなれば、いわずもがな筆者の大好物である。
本レンズには「VCM(ボイスコイルモーター)」と「ナノUSM(超音波モーター)」を組み合わせた電子式フローティングフォーカス制御が採用されている。VCMとは「磁石の磁場を媒体として、電気エネルギーを運動エネルギーに変換するアクチュエータ」という説明であって、素人には機構的にはよくわからないが、スムーズで素早いフォーカシングの駆動をする。
ただし、カメラボディの電源が入っていない時、レンズ単体で持ち歩く時には鏡筒の中から“カタカタ” と小さい音がする。これは磁石に通電していないためのようだ。本レンズには消音設計のアイリスリング(絞り環)が備えられ、スムーズで無音のフォーカシングが行えるということで、動画用のレンズとしても適している。
フォーカス操作に伴い画角変動が生じる「ブリージングを抑制する光学設計で、画角変化の少ない安定した構図での動画撮影を実現した」というが、実際にMFでフォーカスリングを急激に回しても効果は十分であることが確認できた。
ポテンシャルをフルに引き出すには慎重なピント合わせを!
画質はEF35mm F1.4L Ⅱ USM(2015年9月発売)と同等だとキヤノンはアナウンスしており、至近距離から遠距離まで線の細いシャープな描写だ。広角レンズだが被写界深度が浅く感じられるほど。絞りや撮影距離による性能変化は皆無。本レンズのポテンシャルを最大限に発揮させるには、被写体認識AFに甘えることなく任意で測距を行い、合焦点を選んでフォーカスの頂点を見極めておいた方が良いかもしれない。
鏡胴は少し太めで、コンパクトというわけではないが555gという重量は嬉しい。標準ズームレンズと画角が重複しても持ち運ぶ意味はある。本レンズに続き、RF50mm F1.4Lの登場はあるのか、とても期待されている。