シグマのお作法。
編集部:今となっては記憶があいまいなんだけど…FOVEONってJPEGも撮れたんだっけ?
諏訪:撮れます。DPが数字シリーズになって以降は。
豊田:シーンによってはJPEG画像が刺激的というか、まぁヘボかったんですよね(笑)
桃井:もう、その段階で推して知るべし(笑)
諏訪:当時だとレンズの周辺も微妙なのがあったりしても、JPEGだと後から補正できないからね。基本的にはRAWで撮るのがデフォルトだった。
編集部:豊田君、ヘボいって、どこが?
豊田:高感度、と言ってもISO800あたりでもノイズやカラーバランス崩れて真っ赤になったりとか…。
山田:ISO800! ダメだよ、無理が効かないんだから(笑)
桃井:そこをかわいいと思うか、はらわたが煮えくり返るかで使っている人のスタンスが全く違ってくるんですよね。
山田:逆に言うと、たとえそうであっても、これでしか撮れないものがあったから生き残れた。さらに言えば「自分たちの軸足はレンズだ」っていうのがしっかりしている。すべてはシグマのレンズの魅力を最大限引き出すためのカメラボディ。ここは他社のカメラとは大きく違っている部分だと思います。
諏訪:まあ、今になっても「シグマってカメラも作ってるの?」って言われちゃうレベルの認知度だからね。
編集部:でも、小さいながらも徐々に存在感は増しつつあると思いますが。
諏訪:ですね。いいポジションを築きつつある。
編集部:DPシリーズほどではないにせよ、fpも独特ですよね。
桃井:ある意味、比較対象物がないから。センサーや画素数がほぼ同じでもα7CRとfpLを比べようって感じではない。
山田:シグマと比べるんだったらライカぐらいになっちゃうんじゃない?
編集部:でも、そこをあえて比べましょうよ。シグマ vs ソニー。ネタとして面白いじゃん(笑)
豊田:どんなシーンで何を比べるかによりますけど。
編集部:AFはワンサイドになるんで除外しましょう。となると解像とかさぁ。
豊田:解像はそんな変わらないと思いますよ。色にしたって…ソニーの色が良くなったとはいえ、それほどでもないし。
諏訪:色に関しては、シグマはフラットですよね。
編集部:高感度は?
豊田:センサーが一緒だから大して変わらないです。となると、手ブレ補正がついてるソニーの方がいいんじゃん、ってなる。なんだかんだで7段分の補正ですから。
諏訪:でも俺はやっぱり色とかのほうを優先するけどね。
編集部:エンジンの差ってこと?
豊田:エンジンというか…画像処理の考え方の違いはあります。
諏訪:画像を拡大したらすぐ分かるんだけど、きめというか色の粒の作り方というか、ソニーとシグマでは全然違うんですよね。まあ、ソニーが違うっていった方が正しいのかもしれないけど。
山田:この座談会ではソニーとシグマが同列だけど…やっぱり世の中でシグマのカメラを勧める人は変態さんなんだよ。基本的には。使う人も基本的にはヘンタイ(笑)。もちろん、いい意味でだけどね。
諏訪:よくSNSでも飛び交う言葉だけど、変態っていわれてニヤニヤできるやつ(笑)
山田:でも自分はその魅力を知ってるよ、っていう意味なんで。
編集部:そういう自負もありますよね。
豊田:車にしたって、いまさらマニュアル車は買わないじゃないですか。でもあえてマニュアル車を選ぶ人もいる。
編集部:絶対数は圧倒的に少ないですねどね。でも、ソニーの楽ちんさに浸かりきった人が修行と思ってシグマを手にしてみるとか。
桃井:たぶん、ちゃんと撮れないと思いますよ(笑)
編集部:カメラを投げつけたりしそうだな。
桃井:ボケとブレ写真を量産するあまり、何が何だか分からなくなる。そういう意味では「救ってくれない」カメラですからね(笑)。でもカメラに罪はない。腕を磨こうとする、心意気が大切です。
諏訪:いやいや、しっかり撮れば普通に写りますから。しっかり撮れば(笑)
■ ■ ■