SIGMA 50mmF2 DG DN | Contemporary (Eマウント) 主な仕様
●焦点距離:50mm
●最短撮影距離:0.45m
●最大撮影倍率:1:6.9
●レンズ構成:9群11枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:9枚
●フィルターサイズ:58mm
●大きさ・重さ:φ70×70mm・220g(Eマウント)
高いビルドクオリティと素敵なデザインは健在ですな
高い光学性能と美しいボケ味、どこにでも持ち歩ける小型軽量を兼ね備えたのがIシリーズの特徴で、簡単に言えば見目麗しくて写りも素敵な欲張りなシリーズです。今回追加された2本も含めて、Iシリーズはこれで9本目という力の入れっぷりを目の当たりにすれば、シグマへの信仰心は更に高まろうというもの。
今回テストしたのはEマウント版。組み合わせたのはα7R IVになります。
操作感は相変わらず素晴らしく、高いビルドクオリティと素敵なデザインはお見事。というか、この金属鏡筒の品質はArtを超えてると思いますよ。これに比肩するのはもはやコシナレンズくらい。それくらいにマーベラスです。
絞りリングはクリック感アリのみだけど、コリコリとして非常に心地良し。
マグネット式のメタルキャップは、トヨタ的には抜群の格好良さは認めるも、単純に使い易さで言えば普通のプラキャップの方が扱いやすいと思いました。フードなしで運用するならメタルキャップのが良いのかなぁ…。Eマウント版は345gで、スペックよりも良い意味で重厚感があります。
ライバルは上位機のArtとフォクトレンダー!
光学性能がとにかく見事。開放からかなりビシバシ解像するタイプ。少し絞るとさらにキレは増すけれど「そんなの関係ないや」ってくらいには開放から十分に写るので、意図的に絞って撮ったもの以外ではf/2.8までしか使いませんでした。
お世辞抜きでこのサイズ感でここまで写るっていうのが信じられないくらいには写るし、結構イジワルして撮ったりもしたけれど、色収差はトコトン出ません。フレアは出そうと思って頑張れば出せる感じかな。
実売が15万円以下のEマウントの50mmでココまでの解像感というと、同じシグマの50mmF1.4 DGDN | ArtとコシナのVoigtlander APO-LANTHAR 50mmF2が思い浮かびます。
先日紹介した50mmF1.4 DGDN Artと比べると「味わい」という意味では少し淡白な印象ではありますが、絞りに依らずに高い描写力を楽しめることと手軽に扱えるサイズ感が本レンズの魅力なのだと思いました。
直接比べてないので印象論になっちゃうけれど、同じ絞り値だとArtのが上だね。この辺はさすがArtだし大きいだけあります。
ただ、周辺部まで端正な写りとかボケ感が欲しい場合はコチラのが扱い易いと思います。
好みは分かれると思いますが、トヨタ的にはまだまだArtに参っているので、本レンズの感動は少なめかな。
F2クラスというとアポランターがちょうどライバルになるけれど、こと中央の解像性能で言えば甲乙付け難いくらいの良い勝負していると思います。ただ、トータルでの描写力だと、アポランターの方が役者が上って感じ。
かくもスンバラシイ描写のアポランターではございますが、なんてったってMFで道楽味が深いので、本レンズの方が万人にオススメできそうですな。ま、コンセプトが違うものを比べるのも野暮なのでこのくらいで。
でも、なぁーんか地味というかキャラが薄い…
最後はAFについて。α7R IVでトラッキングさせてると、個体差かボディの実力なのかは分かりませんが、やや後ピン気味になることが多かった。トヨタ的な見解で言えばボディの実力じゃねぇかな? と思っています。α7 IVとかのより新しい機種では、AFについてはより良い印象になるんじゃないか、と考えています。AF-Sでは精度も上々でした。速度は普通に速いしほぼ無音。
ということで、気軽に持ち歩ける高性能でスタイリッシュで高品質なレンズが欲しい場合は、問答無用で本レンズが筆頭候補になりそうです。
と、褒めてまとめようと思いましたが、釈然としない気持ちがあったので正直に。ニュアンスが難しいのだけど、若干キャラが薄い気がします。凄く良いレンズだし、全方位に高得点でバランスと質感もハンパなく良いのだけど、グッと来る感じは弱いかな。
コンテンポラリーというコンセプトを申し分なく満足しているから、製品としてはコレで良いという理解もありますが。
ま、オジサンの戯言だと思ってくださいまし。