「Xマウント、はじめます。」の2回目は30mmF1.4 DC DN | Contemporary。ベースとなるモデルの発売は2016年3月なので、ちょうど6年前。当時はフジユーザーになったばかりのタイミングだったので「良さそうだな」と思った記憶があります。
我が日記帳のようなnoteにベータ版以前のファームでのチラリ試用報告をアップしていますので興味があればそちらも御覧ください。

SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary 主な仕様

画像: SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary 主な仕様

●焦点距離:30mm(35ミリ版換算45㎜相当)
●最短撮影距離:0.3m
●最大撮影倍率:1:7
●レンズ構成:7群9枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:9枚(円形絞り)
●フィルターサイズ:φ52mm
●大きさ・重さ:φ64.8×73.6mm・275g
●付属品:フード/キャップ

APS-Cならでは…っーか、こうあってほしいサイズ感!

画像: 玉ボケがとてもキレイ。口径食が少ないし絞りや撮影距離の影響も軽微なので、初めての大口径レンズとしてオススメできる扱い易いレンズ。30mmっていう焦点距離も絶妙です。 ■フジフイルム X-Pro2 絞り優先AE(F1.4 1/2500秒) WB:オート ISO200

玉ボケがとてもキレイ。口径食が少ないし絞りや撮影距離の影響も軽微なので、初めての大口径レンズとしてオススメできる扱い易いレンズ。30mmっていう焦点距離も絶妙です。
■フジフイルム X-Pro2 絞り優先AE(F1.4 1/2500秒) WB:オート ISO200

今回のレンズはファームがまだベータ版。一般的に製品に入っているファームってのはver.1.0以上ですが、ベータ版というのはver.1.0未満(ver.0.9とか0.78とかそういうやつ)の試作ファームの個体になりますので、AF/AE/AWBなどの動作が製品版とは異なる場合があります。

レンズ構成図をフジの純正であるXF35mmF1.4Rと見比べてみると、往年の標準レンズを現代的にリメイクしたような、ワリとシンプル構成で前群繰り出しのフォーカス方式なフジに対して、シグマレンズはコンセプトからして全く違う感じの構成でインナーフォーカス。
ま、気持ちよく使えてよく写ればどっちでも良いので豊田は気にしません。

凝ってそうな感じが出つつもサイズはコンパクトって言って良い範疇に収まってるので、この瞬間がAPS-Cだね!って感じ。300g以下だぜ?実質ポケットサイズだね。前述のnoteにも記述していますが、フルサイズで同じことやろうとすると全然話は変わってくるからね。

ベータ機ではありますが、すでに動作は安定していましたー。

画像: ありのままを写すという言葉がピッタリなくらいにそのまま写っていて「おぉ!」と思った1枚。こういうレンズも必要だと思います。Artは時に艶っぽすぎるし、他の高性能レンズも写りすぎる時があるからね。 ■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F1.8 1/2900秒) WB:オート ISO400

ありのままを写すという言葉がピッタリなくらいにそのまま写っていて「おぉ!」と思った1枚。こういうレンズも必要だと思います。Artは時に艶っぽすぎるし、他の高性能レンズも写りすぎる時があるからね。
■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F1.8 1/2900秒) WB:オート ISO400

例のごとくX-H1とX-Pro2に組み合わせて撮影してみました。
動作感については16mmF1.4 DC DN | Contemporaryと全く同じ印象。
ボディ内手ブレ補正(IBIS)を持つX-H1との組み合わせでも、問題なくIBISが動作するし、画面がフラフラ動くドリフト現象や扱いづらさといったことは感じませんでした。

AF駆動そのものはスムースかつ静粛だけど、遠景で精度がばらついたりAF-Cで迷ったりする症状が16mmと同様にありました。が、これはおそらく製品版では対策されるでしょう。てかベータ版なのにViltroxのAF33mmF1.4X(トキナーにも姉妹レンズがある)より動作は全然安定していると思います。※追記 製品版では安定動作しておりました。ほぼ純正みたいー!!

画像: かなりシャープで壁の質感描写が見事。周辺部でもビシッと解像していてキモチイイ写り。コントラストでそれっぽく見せてるシャープネスではなく、ちゃんと解像出来てるシャープネスなので階調性も良いね。 ■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F2.2 1/1700秒) WB:オート ISO400

かなりシャープで壁の質感描写が見事。周辺部でもビシッと解像していてキモチイイ写り。コントラストでそれっぽく見せてるシャープネスではなく、ちゃんと解像出来てるシャープネスなので階調性も良いね。
■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F2.2 1/1700秒) WB:オート ISO400

確かにお値段はシグマがViltroxの2倍(ケンコー版はほぼドッコイ)だけど、完成度は順当にシグマの方が上です。Viltroxも写りは悪くないのだけれども、不具合というかスマートではない挙動が出るので、豊田なら現状のベータ版であってもシグマを選ぶね。それにViltroxは全然寄れないからね。

X-Pro2やX-Pro3と組み合わせると、見た目のバランスもあるんだけど、トヨタ的に絞りリングを左手が探す頻度がメチャクチャ多くなったので、絞りリングを持つ例えば純正レンズと組み合わせた方が精神衛生的にも良いと思いますた。

淡々と「ありのまま」を描写…

画像: 左がシグマ30mmで右がフジ純正35㎜で、下の画像はそれぞれの拡大部分。

左がシグマ30mmで右がフジ純正35㎜で、下の画像はそれぞれの拡大部分。

一応、XF35mmF1.4Rと比較してみました…が、正味なところ30mmと35mmじゃ性格が結構違うと思っているので「これだけ画角が違うんだね」っていう感覚で見て欲しいです。
焦点距離が違うレンズで画角揃えて撮っても、撮影距離が変わると遠近感が変わるので画角合わせはしていません。

比較撮影した画像だけ見てると今回の条件ではXF35mmF1.4Rの方が印象含めて評価は良かったです。
焦点距離が長いからボケが大きく見えて立体感も出てきたり色々影響あるから…こういう比べ方することにどれだけの意味があるのか疑問だけど、背景がザワザワしているとコンポラ30mmは少しボケが煩くなりそうだと思いました。
ま、ボケ云々を気にするなら背景を整理するか、少し寄って撮るとか工夫すれば問題なさそうだね。

逆光耐性については作例ナシ。標準クラスのレンズは「フレアが出て良い」を信奉する過激派に所属していますが、そんなトヨタの視点では純正の方が微妙に良い感じでした。

評価めいた撮り方してないカットでみると、すこーし硬めな気はしますが、淡々とありのままを写し撮る様子は好みです。
撮影距離に依らず安定した描写傾向で、絞りによる描写変化も少なめ。万人が楽しめる扱い易い描写なので、撮っていてギョッとするようなことは全くありません。同じシグマのContemporaryでも最新のIシリーズのような「味わいも楽しめるContemporary」って感じでは無いと思いました。

ライバルはたっくさん。されども、なぜか手にしちゃうんだな

画像: 距離感が程良いので、最近撮ってなかった被写体も何だかフォトジェニックに感じられて思わずパチリ。35mmよりも使っていて明らかにシックリ来るし、何より撮ってて楽しい。 ■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F2.2 1/8500秒) WB:オート ISO200

距離感が程良いので、最近撮ってなかった被写体も何だかフォトジェニックに感じられて思わずパチリ。35mmよりも使っていて明らかにシックリ来るし、何より撮ってて楽しい。
■フジフイルム X-H1 絞り優先AE(F2.2 1/8500秒) WB:オート ISO200

Xマウント用の標準画角レンズは実は豊富。純正だけでも「ご存知」のXF35mmF1.4Rや、「使い勝手の権化」こと、XF35mmF2.0R WR、「コスパの鬼」であるXC35mmF2.0に加えて、「お値段以外は出来杉君」の最新XF33mmF1.4R LM WRの4本体制という強力な布陣。

さらにカールツアイスからは「球面レンズの奇跡(非球面レンズ使ってない)」ことZEISS Touit 32mmF1.8と、コシナの「道楽の閃光」NOKTON 35mmF1.2 Xなど、まさに群雄割拠。
流石のシグマもココに入ってくならArtくらい主張の強いレンズの方がいいのでは?と思ってましたが、使ってみると不思議なものでトータルバランスの良さと丁度良い画角で気付けば装着しているレンズ、という印象を持ちました。

実際今回登場した3本で最も撮影枚数が多かったのが30mmF1.4DC DNだったしね。フルサイズ換算すると約45mmくらいの画角になるので、豊田にはコレが実に丁度良く、というか心地よく感じました。

APS-Cに35mmレンズはちょっと長い印象があります。元々フルサイズに50mm付けても「長いなぁ…」と思っていたので、XF33mmF1.4登場時にも「長い」という感想でした。だからシグマの30mmは非常に魅力的に感じました。XF35mm系好きなんだけどちょっと扱いにくいんだよねって人は、1回シグマに手を出してみても良いのでは?

気になったところは、例のごとく絞りリングがないことくらいです。

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