「ぐりとぐら」のように深い関係にある、ソニーとタムロン。そのタムロンの記念すべき初のフルサイズEマウント用レンズ28-75mmF2.8が昨年末にリニューアル。その進化はいかに???

28-75㎜F/2.8Di Ⅲ VXD G2(ModelA063)主な仕様

画像: 28-75㎜F/2.8Di Ⅲ VXD G2(ModelA063)主な仕様

●焦点距離:28-75mm
●最短撮影距離:0.18m (WIDE) / 0.38m (TELE)
●最大撮影倍率:1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE)
●レンズ構成:15群17枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:9枚(開放から2段までほぼ円形絞り)
●フィルターサイズ:φ67mm
●大きさ・重さ:φ75.8×117.6mm・540g
●付属品:花形フード/キャップ

記念すべきモデル=A036の後継機!

画像: 鏡筒中央側面に追加されたフォーカスセットボタン。マウント近くの縦の穴がUSBケーブルの接続部。特にキャップ等はないようで、覗くとコネクタの金属部分が見えるので少々不安になるが、防水タイプなので心配無用。75ミリ時に鏡筒全長は2センチ弱伸びる。

鏡筒中央側面に追加されたフォーカスセットボタン。マウント近くの縦の穴がUSBケーブルの接続部。特にキャップ等はないようで、覗くとコネクタの金属部分が見えるので少々不安になるが、防水タイプなので心配無用。75ミリ時に鏡筒全長は2センチ弱伸びる。

本レンズは、タムロン初のソニーフルサイズEマウントカメラ用交換レンズ=28-75㎜F/2.8Di Ⅲ RXD(Model A036 2018年5月発売)の後継機種となる。
初代のA036は他誌でインプレを担当したのだが、絞り開放F2.8通しでもα7シリーズのボディにちょうど良いサイズとズーム両端で寄りが効くなど、常用の標準ズームとしては好印象で購入も考えた。

でも最終的に購入に至らなかった理由は、ソニー純正レンズでは当たり前とも言える各種機能の割り当て可能なフォーカスホールドボタンが無かったこと。
当時はソニーα唯一だったこのボタンに使い慣れてしまうと、非搭載のレンズはもう不便に感じてしまったのだ。せっかくEマウント専用レンズを謳うのならば搭載していて欲しかった!…と。

画像: 画像左がテレ端、右がワイド端。ズーム両端での近接撮影で雰囲気の異なるマクロ写真的な画を簡単につくれるのがこのレンズの強み。ワイド端は最短撮影距離が1cmチ短縮されたことで遠近感の効いたワイドマクロでさらに主被写体を大きく写せるようになった。開放では少々甘さもあるので1段くらい絞るほうが、そこそこのボケ味を保ったままピント位置の解像がぐっと増す。 ■ソニーα7Ⅳ(以下同) 絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO100

画像左がテレ端、右がワイド端。ズーム両端での近接撮影で雰囲気の異なるマクロ写真的な画を簡単につくれるのがこのレンズの強み。ワイド端は最短撮影距離が1cmチ短縮されたことで遠近感の効いたワイドマクロでさらに主被写体を大きく写せるようになった。開放では少々甘さもあるので1段くらい絞るほうが、そこそこのボケ味を保ったままピント位置の解像がぐっと増す。
■ソニーα7Ⅳ(以下同) 絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO100

使わない人にはどうでもいいようなボタンの話が長くなったが、この2世代目ではしっかりフォーカスセットボタンの名称で搭載されている。しかも専用アプリ「TAMRON Lens Utility」をインストールしたパソコンとレンズをUSBケーブル(別売)で接続することで、純正レンズよりも豊富なカスタマイズを可能としている。

因みにこの通信システムでは、一眼レフ用レンズでは必要だったあのマカロンのような別売アクセサリー・TAP-in Consoleは不要。たとえカスタマイズ機能を使わないしても、アップデートされるレンズファームウエアの更新には欠かせないので利便性向上は朗報だ。

専用アプリでのUSBによる通信機能も新設!

画像: 近接というほど近くはないがF2.8の浅いピントで主役にしたいカラフルなトッピングの菓子だけを浮き立たせた。望遠で寄れるのでテーブルフォトなどにも良いし、飲食店での料理写真は着席したまま撮影できる。 ■絞り優先AE(F2.8) WB:オート ISO100

近接というほど近くはないがF2.8の浅いピントで主役にしたいカラフルなトッピングの菓子だけを浮き立たせた。望遠で寄れるのでテーブルフォトなどにも良いし、飲食店での料理写真は着席したまま撮影できる。
■絞り優先AE(F2.8) WB:オート ISO100

レンズ自体のリニューアルは、光学系を刷新した描写性能の向上と最短撮影撮影距離の短縮、更にAF駆動にもリニアモーターフォーカス機構VXD搭載で従来比約2倍の高速化を実現。

タムロンの特設webサイトでは新旧レンズのAF合焦速度比較動画が公開されているが、その差が歴然すぎ。初代A036ユーザにはショッキングな内容なので、閲覧には心の準備が必要だろう。
そしてこれら最新のレンズユニットを組み込むコンパクトな鏡筒は軽快感を全く損なわないどころか10グラム軽くなっている。カメラに装着して実際に手に持つと軽微な重量差は全く分からないが、ホールド感が良いことに気づく。

新デザインの鏡筒はフォーカスリングとズームリングの間隔が少し伸び、さらに僅かに径が細く、くびれたフォルムなったことで、ズームリングやフォーカスリング操作する際に手の大きなユーザーでもコンパクトな鏡筒の窮屈さはほとんど感じない。

画像: こちらも75ミリの開放でポートレート的に…はストレートすぎてつまらないので隙間から見える横顔にフォーカスを移動。結果、前ボケお姉さんの具合が丁度よく自己満足な一枚。一台一本でぶらり撮り歩く散歩の相棒にも良いレンズ。 ■絞り優先AE(F2.8)プラス1.3露出補正 WB:オート ISO100

こちらも75ミリの開放でポートレート的に…はストレートすぎてつまらないので隙間から見える横顔にフォーカスを移動。結果、前ボケお姉さんの具合が丁度よく自己満足な一枚。一台一本でぶらり撮り歩く散歩の相棒にも良いレンズ。
■絞り優先AE(F2.8)プラス1.3露出補正 WB:オート ISO100

描写の実力は作例でご覧いただくとして、αシリーズの常用ズームとして一層の磨きがかかっている。フラットボディのα7Cとの相性も良いだろう。初代レンズもしばらくは併売とのことなので、二世代目とは実勢価格で諭吉二人ぶん以上安価になるが、どちらを選ぶほうがシアワセかは迷うまでもないだろう。

画像: 太陽光と海面反射をダブルで画面に入れむ意地ワルな撮影。ゴーストは出たが画質低下は少なく、しっかり有害光対策が施されていて朝陽夕陽シーンにも強そうだ。拡大すると対岸構造物や飛行中のオスプレイもしっかりシャープに描写できている。意図的に露出を切り詰めてが手前の海面のぬめっとしたトーンの描写も良い。 ■絞り優先AE(F4)マイナス1.3露出補正 WB:オート ISO100

太陽光と海面反射をダブルで画面に入れむ意地ワルな撮影。ゴーストは出たが画質低下は少なく、しっかり有害光対策が施されていて朝陽夕陽シーンにも強そうだ。拡大すると対岸構造物や飛行中のオスプレイもしっかりシャープに描写できている。意図的に露出を切り詰めてが手前の海面のぬめっとしたトーンの描写も良い。
■絞り優先AE(F4)マイナス1.3露出補正 WB:オート ISO100

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