確かな情報、ライカ愛好家の方はデジカメWatchをご覧ください。
一応ですが、我が尊敬する赤城耕一氏によって本製品のちゃんとしたレビューがデジカメWatchで既に公開されています。でもってトヨタのようなライカ童貞にはとうてい語ることの出来ないライカの歴史についても得られる非常に啓蒙高い内容となっていますので、そちらも併せてチェックして下さい。
最近のスマホってばレンズがいっぱい付いててゲテモノ感が増量中に思います。そんな潮流にあって、本機のシンプルかつ良いもの感のあるデザインはひと際スタイリッシュに見えたので、これはもう飛びつきたい気持ちがムックムクです。
ってことで、今回のレビューと相成りました。試用機材のLeitz Phone1はカバーが同梱されてなかったので、これまで素っ裸の使用感をお届けします。
まず精緻なデザインに感心しました。よくこの薄さの中に1インチのセンサーと光学系をぶっ込んだな、と。湾曲ディスプレイは眺めている分には見栄え・表示品質のどちらに対しても「美しい」っていうポジティブな感じですが、カメラとして使ってみるとワリとウザい。というのも落とさないように保持すると指が湾曲部に当たってタッチパネルが反応しがち。突然スクショが撮れたり、シャッターボタンが応答しなかったり…。これって、もしかしたらカバーがあれば違ったのかな??
あと、裸だと本体部分が薄いので、手からこぼれ落ちそう感を否定出来ません。が、ホールド感というかグリップ感はしっかり確保されているように思います。少なくとも裸のiPhoneよりは安心できるんじゃないかな。
M型のブライトフレーム風のUI…ライカを持っている方ならグッとくるんでしょうな。
「お!!」と思ったのはカメラアプリのUI。赤城さんも紹介していましたが、M型のブライトフレーム風が実にカッチョイイ。ちゃんとライカしてるし、なんか特別感があって気分が上がりました。ちなみにこの高揚感は返却日までしっかり続いたので、とても良いデザインなのだと思います。コレを体験した後のiPhoneのUIの味気ないことよ…。
肝心の写りはスマホ以上。実焦点距離が6.9mmだけど、結構ボケるので新鮮。ただ、絞りを持たない構造なので違和感もあります。なので"電話出来るカメラ"じゃなくて"写真が撮れるスマホ"っていう枠だな、と正直なところ思いました。
写りに言及すると、周辺部、特に至近側で撮影していると無理してる感のある写りだけど、嫌な感じはしないし何だかオールドカメラっぽさもある。そういった部分がこのカメラだけの特徴だと思うと不思議と愛おしさが芽生えます。使用者の度量というか経験値に左右される評価だとは思うけど、デジタル機器なのにアナログ的な要素が感じられるので筆者は好意的に思いました。
モノクロモードのグレーにククッウ~!
バグ、なんか多かったような…まさか狙っているとは思えませんが。
最後にネガティブなところについて。カメラとしての使い勝手は正直並以下。AE/AWBは賢いと思うんだけど、アプリ自体にバグが多いことが気になりました。例えばシャッターが降りなくなる、なんてことは日常茶飯事。上述のタッチの誤反応ではなくて、内部の処理がビジーっぽい挙動。
その他ではAFが苦手なシーンが多くて、例えばガラス越しだと基本的にAFは至近端で固定されてしまって役に立たないので、マニュアルモードでピント調整して撮影することになります。また、遠景でも何かに反応してピントが至近端で固まってしまう症状が何度も出ました。
カメラの露出やピント操作といった「お作法」とは違う「ひと手間」と感じる頻度が結構ある感じ。こういう未完成な挙動を見ていると「iPhoneとかXperiaって、製品として完成度が凄く高くて、本当によく出来てるんだな」と否応なく実感出来てしまいます。だからそこんトコロを楽しめたり許容出来る人じゃないと愛せないんじゃないかな。
Exif 表示、何とかしてください…って思っちゃわないのかな。
そういう合理性とは少し離れたところにある製品だと思うんだよね。個人的にはUIの良さとか賢いAE/AWBとか、Leitzルックの表現力や製品自体の質感の高さなど、使っていて心地良く感じられる部分を高く評価したいところだけど、20万って価格はチラつくよね。
最後に、本機で撮影した写真のExifを見てみると「SHARP LP-01」っていう機種表示。大人の事情かな? 玄人ならこうした部分も可愛がれるんだろうけれど、生憎豊田はライカ童貞で繊細だから萎えちゃうの。