105mmの方はニコンの伝統に従ってプラス5mmなのに、なんでコッチは普通に50mmなんだ?って思いました。「標準のマイクロニッコールと言えば55か60mmじゃねーのか?」と胸の内で卓袱台(ちゃぶ台だよ)をひっくり返す御仁が全国に40人くらいは居ると思われます。公式ページにでも何か理由を一言記して欲しいかったな、と。

先細り…笑っちゃうくらいにダサいです!

画像: 先細り…笑っちゃうくらいにダサいです!

手に持った感じは「軽!」で、第一印象は「買うなら断然コッチだな」と思った次第です。小ぶりなタコツボフードが同梱されていましたが、こちらの遮光の効果はあまり無さそう、というかフードというよりかはプロテクターだね。

一応、フードアリナシで検証してみたけど効果はトヨタ程度の観察力では分からんかったです。てかフードがなくても逆光耐性はメチャ高なんですよ。この辺はアッパレですね。スタイリングは最悪ですが。

AFはちょっと遅くて、普通に「ん??」と感じる速度。気になったのが個体差かワカンナイけど、実写ではAFが迷うことが多かったですね。「え?令和のご時世にコレ?」みたいな感はあります。あと、接写時にニョッキリと鏡筒が伸びた姿が輪をかけてダセェです。ただし、MF時のレスポンス悪くなくてそれなりに快適でした。

これまたメチャクチャ優秀じゃん!

画像: ド逆光で撮ってみたけど全然ヘッチャラだし、輪郭部分を見ても色付きがない。3DCGで作ったみたいにキレイに撮れてビックリ。 ■絞り優先AE(F5.6 1/200秒) プラス2.3露出補正 ISO320  ■撮影共通データ ニコン Z 7Ⅱ ※歪曲収差・周辺光量補正をOFF

ド逆光で撮ってみたけど全然ヘッチャラだし、輪郭部分を見ても色付きがない。3DCGで作ったみたいにキレイに撮れてビックリ。
■絞り優先AE(F5.6 1/200秒) プラス2.3露出補正 ISO320  ■撮影共通データ ニコン Z 7Ⅱ ※歪曲収差・周辺光量補正をOFF

でもね、写りはため息が出るほど素晴らしかった。強いて言えば105mmの方がより素敵な感じはします。どこが?ってのを具体的に挙げられないのだけれど、なんか105mmが良かったです。S-Lineだからかな?? 

で、この50mmでも信頼と実績の拷問シーン=ド逆光でのフリンジテスト=をぶつけてみましたが、こちらもあまりに優秀。それでもネチッこく検証したら、たまーにボケの中に年輪模様が出ることがありました。非球面レンズ特有のヤツね。

画像: 晴天日中で絞り開放で遠景、みたいな意地悪な撮り方をすると流石にフワッとする部分があるけれど、これはコレで良い感じ。 ■絞り優先AE(F2.8 1/2500秒) プラス1.0露出補正 ISO200

晴天日中で絞り開放で遠景、みたいな意地悪な撮り方をすると流石にフワッとする部分があるけれど、これはコレで良い感じ。
■絞り優先AE(F2.8 1/2500秒) プラス1.0露出補正 ISO200

画像: 手ブレ補正は…ボディ側だけだと少し物足りないシーンも。手持ちで至近端だとちょっとキビシイ感じはしました。 ■絞り優先AE(F5.0 1/125秒) マイナス1.0露出補正 ISO640

手ブレ補正は…ボディ側だけだと少し物足りないシーンも。手持ちで至近端だとちょっとキビシイ感じはしました。
■絞り優先AE(F5.0 1/125秒) マイナス1.0露出補正 ISO640

頻度が低いし程度的にも別に目くじら立てるほどのことでもないけど、105mmは焦点距離のせいか全然気にならなかったのよね。あるいはこれがSラインと素のZレンズとの差なのかも?と思いました。一応記述しときます。

ビックリしたのが、50mmで遠景シーンでかつ絞りをf/5.6とかf/8.0まで絞っていても、ズボラにAFさせて撮ると想像以上にピント位置が気になってしまった事。何が言いたいか?というと、それだけピント面にしっかりと精度が出ていて、僅かなピントのズレが見えてしまうということ。

これはかなり光学性能が高くないとここまでシビアに出ないと経験上思っているので、時々背筋を伸ばす必要はありそうです。50mmって実はこんなにピントが薄かったんだな、と改めて知ることができますよ。

ニコン・新マクロのまとめ

画像: トヨタのテストでは数多のレンズを葬ってきた曰く付きのシーンを難なくクリア。どこも色付いてねぇ。105mmの方はもっと優秀でした!

トヨタのテストでは数多のレンズを葬ってきた曰く付きのシーンを難なくクリア。どこも色付いてねぇ。105mmの方はもっと優秀でした!

マクロレンズとしての使い勝手を期待するならワーキングディスタンスの長い105mmがオススメ。ある程度接近してからの数cmって相当大きな空間だと思っているから、ギンギンに被写体に接近することが難しい場合には、ワーキングディスタンスに10cm以上の余裕がある105mmの扱いやすさが際立ちます。

体感では手ブレ補正の効きも光学手ブレ補正とボディ内手ブレ補正の協調制御となる105mmの方が高く感じました。50mmの強みは軽さ。いつもの機材にプラス1本できるサイズ感は魅力。たとえばスナップ。テーブルフォトや記録代わりにお昼ご飯やスイーツの写真みたいな使い方で50mmは輝きます。というか105mmだとちょっと無理があるから。

ってことで、どちらにしよう? と考えている人に向けて言えば方向性が違うので、使い方によっては両方必要です。まぁニコンに信仰心を捧げている人であれば、むしろご褒美なのでどちらも買えば良いと思います。

ってことで如何だったでしょうか?? 他社機のユーザーであっても、その忠誠心を試されるほどの魔性を持ったレンズが登場してしまったと言わざるを得ません。かくいう筆者も来年辺りに密かにニコンの門を叩く可能性を否定出来ません。ボディさえカッコよくなったらね!

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