まずは気軽にチャレンジしてみましょう!
料理写真はいざ撮ろうとすると、カフェのメニュー写真のように綺麗に撮らなくちゃと身構えてしまいがちですが、簡単なポイントを押さえれば画になりやすい写真でもあります。ここでは、料理写真を撮ったことがない方でも、気軽にチャレンジできる撮り方をお教えします。
まず撮影のセッティングですが、カメラは三脚に設置して、ライブビューを使用すると構図を決めやすいです。お皿や小道具のカップなどの位置を微調節しても、肝心のカメラの撮影位置が変わってしまうと、構図の調節をやり直さなければなりません。ピント合わせやシャッターを切るときは、ファインダーを覗いても、ライブビューでそのまま行っても、どちらでも構いません。
カメラの設定は、露出モードは絞り優先AEかマニュアルで、ホワイトバランスはオートでも構いませんが、5000〜6000Kの間で美味しそうに見える色温度に設定すると、自分好みの色味に仕上げられます。ピクチャーコントロールなどの画づくり設定は、被写体の料理に赤、緑、青などの色味が入っているときは、鮮やかさの増すビビッドな設定にすると、より華やかな写真になります。
レンズは被写体に近付ける、最短撮影距離の短いレンズがお勧めです。お持ちでしたら、マクロレンズがベストです。所持していない場合は、大口径の単焦点レンズが、その次にお勧めです。ズームレンズの場合は、50mm前後の標準画角でなるべくF値の小さいレンズを使用して、背景をボカしたいときに大きくボカせるようにしましょう。
料理のセッティングですが、テーブルは自然光の入る窓際に置きましょう。光の状態は、被写体の斜め後ろから当たるような半逆光か、被写体の後ろから当たる逆光の位置にします。室内の照明はすべて消して、お皿に照明が写り込んだり、ミックス光にならないようにしましょう。
その状態のままですと手前側が暗くなりますので、小さなレフ板か、白い画用紙などを使用して、手前から光を起こしてあげましょう。料理の写真は、基本的に明るいほうが清潔感が出て美味しそうに見えるので、露出は見た目よりも明るめに仕上げるのがポイントです。
ピントの位置は、山なりに盛ってある料理は、一番高くてカメラに近い目立つところにします。平面的な料理は、お皿の上でメインとなる料理や具材の、カメラに近いところにピントを合わせると画になりやすいです。
絞りは、開けすぎるとボケて何の料理かわからなくなってしまいますし、絞り過ぎるとムードが無くなってしまいます。絞り開放からF8くらいまでの間で、料理によって使い分けましょう。ピント位置もですが、構図や明るさ、お皿の配置などで迷ったら、自分が美味しそうに見える写真を目指して撮りましょう!
撮影・解説:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するが、モデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので、撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。 (社)日本写真家協会(JPS)会員。