vol.53-2 トヨタマGP 2020
前回のあらずじ。カメラGP(グランプリ)2020の外部投票委員のトヨタくん。 今年は持ち点・10点すべてをニコンZ 50にブチ込んだんだって。で、その理由および彼のカメラGPに対する信念を、けっこう無難な感じで語ったりしたのだった。
ここから先の文:豊田慶記

第1位 ソニー α7R Ⅳ

画像: 画像は必ずしもα7R Ⅳ ではないかも知れません。

画像は必ずしもα7R Ⅳ ではないかも知れません。

絵に書いたような「でしょうね」という結末。ま、当然でしょ。トヨタ程度が投票しなくてもトップ当選すると思ってました。
実際、トヨタも投票期日の10日前までα7R Ⅳにも配点すべきかどうか悩みました。だって良いカメラなんだもん。もし自分がα7R Ⅲを1年以内に買ったユーザーなら、悔しさのあまり歯ぎしりで大臼歯を割ってしまったでしょう。スタジオ仕事の相棒としてならバランス的にも最高なんじゃね? って思います。
でもあのカメラで何かが変わる人って、一般ユースだとそうそう居ないと思うし、ベラボーにスゴイはスゴイけど、撮影して気持ち良いカメラじゃないのね。スペックはいっちょ前だけどEVFは覗いていて心地良くないです。背面液晶も同様に期待以上じゃないです。ブラビア作ってるメーカーなのにナゼ? って思う。
でもね、仮にスリープからの復帰や起動から撮影可能までの時間、電源ONからEVFが安定表示されるまでの時間とかがコンマ2秒を切ってたら、間違いなく10点入れてたね。

第2位 キヤノン EOS-1D X MarkⅢ

画像: 第2位 キヤノン EOS-1D X MarkⅢ

これはねー、最後の最後まで悩みました。
クソ楽しいし、使って感動するし、「正常進化」って範疇を超えた提案があるカメラだと思ってる。(ニコン) D3や(ソニー) α9を初めて触った時みたいに「撮れる世界が変わった」と感じさせてくれるカメラだから。
内容を考えればバーゲンプライスなんだけど、それでも、それでもやっぱり正常進化なんだよねー。その一歩が凄く大きくても。でもね、こうして結果が出るまでも出た後も「こっちに投票すれば良かったかな…」が脳裏をよぎる瞬間は何度もありました。
とはいえ、お値段80万円超で性能がギンギンに尖ったカメラを薦められるか?って 言われると…微妙なんで後悔はしてません。どちらにしろ単体の機材で70万を超えるってのは枠が違うと思うんだよね。

第3位 ニコン Z 50

画像: 第3位 ニコン Z 50

「ニコンじゃなきゃ作れない」って思えるカメラだと思う。デザインやボディを触った時の質感は行方不明になっているけど、目をつぶってさえいれば、握りやすさとコンパクトさは突出して気持ち良い。
「あっ」て思ってからシャッター押すまでにストレスが少ない。筆者の敬愛する(持ってないけど)フジのX-T30とかだと、微妙に「待つ」時間がある。この「待つ」ってのはカメラのレスポンスって意味じゃなくて、自分も含めて撮影準備完了になるまでちょっとしたラグがある感じ。伝わるかなぁ…? Z 50のが間髪を入れず撮れるって言えば良いかなぁ。
あとね、画質。キットレンズも良いから画質に不満がない。個人的には「ミドル機以下の基準がZ 50によってガラリと変わったな」って思いました。「EVFがー」とか「背面液晶がー」とか「AFがー」っていう声はあると思いますが、クラスを考えよう。それでも、少なくともα7 Ⅲやα6600よりもEVFと背面液晶は良いよ。てことで、Z 50はダブルズームキット買っとけば、ひとまず何でも撮れるし、使っていて楽しいと感じたので腹くくって持ち点の10点全部ブッ込みました。
あと、誰がなんと言おうとニコンのデザインはいただけません。発売延期がアナウンスされたZ24-200mmとかさ、クジラのポコチンみたいじゃん。

第4位 富士フイルム GFX100

画像: 第4位 富士フイルム GFX100

ああ、もうメチャクチャ良い。このスペックでニコンD 5とほとんど変わらないサイズ&ハンドリング、しかも1億画素でボディ内手ブレ補正付きの自由度は反則。このカメラの場合は、導入によって何かが変わる人はかなり多いと思う。でも、撮影までにお布施が130万円以上かかるシステムを筆者はおいそれと薦められないし、富士フイルム自体も賞レースは全く狙ってないと思うな。
だって「今年のカー・オブ・ザ・イヤーは…ポルシェ911 GT3 RS!!」なんて言われても「は?」って思うでしょ?「いやいやいや、あなた達は写真文化・カメラ文化を世に広める気、本当にあるの??」って。こればかりは苦言を呈したい。もっと手頃で楽しいカメラたくさんあるよ? GFX50Rはまだ赦されたけど、やっぱ100万超えちゃうと明らかに別枠だから。

第5位 シグマ fp

画像: 画像はイメージです。イメージ。

画像はイメージです。イメージ。

はじめに言っておくと、豊田はアンチ・シグマじゃないです。大好きです。
シグマレンズはUC(ウルトラコンパクト) ZOOMシリーズのカマボコ形状ローレット時代からニコンマウントのAFレンズ一式を売り払うまでの約30年弱、シグマユーザーでしたから。ZEN仕上げですよ、ZEN。新品は素晴らしいけど少し経つと加水分解でベタベタになる、あのZEN仕上げです。ライカレンズの具にもなってたあのシグマですよ。(もう良いよね)
さて保険を掛けたところで、fp。いたってフツーじゃん。シグマのカメラとしては素晴らしく良く動作するけど、製品のレベル的にはフツーじゃん。趣味人が咽び泣くのもわかるけど、真面目に評価するとフツーじゃん。
デザインもアイデアも素晴らしいけど、やっぱ普通なんだよ。ハナシはFOVEON積んでからでしましょうよ。(つづく)

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