高島空太さんによる写真展「20XX」が銀座ニコンサロンにて開催中です。2014年、2016年、2018年と過去3度に続き、2019年度も清里フォトアートミュージアムの「ヤング・ポートフォリオ」に選出され
作品収蔵が決定している高島さん。
本展のタイトル「20XX」は、高島さんが自分の作品を見た人が、それぞれ自由に「XX」にタイトルをつけてほしいとの思いでつけられたもの。「すべての見方が正解」と話す高島さんの作品からは、見る人が見る人の数だけ、あっと驚く感覚だったり、自分だけの心象風景と重なったり…きっとその人にとって、その人だけの何かが感じられる写真展です。

もともとある世界をまた元に戻す

日々、デジタルカメラを持って、自分が面白いと思う場所へ行き、何かあると感じたら、その時におもいきりシャッターを切るという高島さん。
高島さんには、今まで撮影した写真が膨大にあるそうです。
「最初から設計図のようなものがあって、こういう作品を作りたいと思って作るわけではないんです。
“あ、これは何かなるな”と、作品のベースとなる写真がまず1枚決まります。それを見ながら、今まで撮影した写真を見返して、ここには何があるだろう、これかな、ここだなと、写真を重ねていきます。
面白いと思う実在する場所や存在するものを写真に撮って、後から色々な写真を組み合わせ、もともとある世界をまた元に戻す。デジタルだからできるのだと思います」と高島さん。

画像: 展示作品より。ご両親も叔父さんもアーティストという高島さん。床に直置きされた絵画は実家から借りてきたもの。壁に展示されている作品には、この絵画を複写した写真が。

展示作品より。ご両親も叔父さんもアーティストという高島さん。床に直置きされた絵画は実家から借りてきたもの。壁に展示されている作品には、この絵画を複写した写真が。

高島さんに、作品が完成するタイミングを質問してみると
「おー、なんかできた、なんだこれっていう風になった時に完成します。自分が自分に驚かされるという感覚がすごく重要で、そこが完成かどうかの境界線になります。
自分を驚かせられるのは自分かなということと、でもそれだけだと展示する(=人に見せる)意味がなくなってしまう。自分が作ったけど、本当に自分が作ったのかなって思えて、この作品は私のではなくて、もしかしたらあなたの作品かもしれませんよ、と見てもらえるというか」

画像: 展示作品より。本展では、時間も空間も超え、高島さんの内なる世界も外の世界も超えて完成した作品が展示されています。

展示作品より。本展では、時間も空間も超え、高島さんの内なる世界も外の世界も超えて完成した作品が展示されています。

高島さんは、ご自身の作品にメッセージ性はないと言います。
「今までは作品にタイトルなど一切つけていなかったんです。タイトルをつけると、どうしてもこうみてほしい、となってしまう気がして。でも、何か情報がある方が見やすいこともわかって、今回の展示では抽象的ですがタイトルをつけました。
作品の見方は全部正解だと思っているんです。10人の人が自分の作品を見てくれたら、極端な話、10人それぞれの見方が違ったら嬉しいんです。逆に私が感想を教えてもらえると、エネルギーをもらえて作品を作る原動力になるんです」

画像: 展示作品より。本展ではカラーの作品も1点展示されています。 「廃墟とかが好きなんです。作品には結構、わけがわからないものが入り組んでいるなかに、個人的な要素が混ざっているのが私の作品の色かもしれません」と高島さん。

展示作品より。本展ではカラーの作品も1点展示されています。
「廃墟とかが好きなんです。作品には結構、わけがわからないものが入り組んでいるなかに、個人的な要素が混ざっているのが私の作品の色かもしれません」と高島さん。

画像: 写真家、現代美術家の高島空太さん。「写真展になると、有難いことにほぼ質問攻めです(笑)」と明るく笑う高島さん。作品を拝見して、色々お話を伺いたくなってしまう気持ちは私も同じです。(笑)

写真家、現代美術家の高島空太さん。「写真展になると、有難いことにほぼ質問攻めです(笑)」と明るく笑う高島さん。作品を拝見して、色々お話を伺いたくなってしまう気持ちは私も同じです。(笑)

高島さんの作品を鑑賞していると、これが本当に写真なのか、絵画なのか、そして現実なのか異世界なのか不思議に思うほどの世界が目の前に広がります。未知の世界のようで、それでもその場所に見覚えがあるような、少し怖い感じもするけれど、心が安らぐような、静かに無防備にその場所にいていいと言ってもらえるようなそんな気持ちにもなるのです。

展覧会情報

高島空太写真展「20XX」

【東京】
会期:2020年2月12日(水)~2020年2月25日(火)
会場:銀座ニコンサロン
住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA 1階  
電話:03-5537-1469
開館時間:10:30~18:30(最終日15:00まで)
休館日:日曜日

【大阪】
会期:2020年3月5日(木)~2020年3月18日(水)
会場:大阪ニコンサロン
住所:大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエストオフィスタワー13階
電話:06-6348-9698
開館時間:10:30~18:30(最終日15:00まで)
休館日:日曜日

※3月5日(木)から大阪ニコンサロンにて開催を予定しておりました本展につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により、中止または延期か現在協議中とのことです。申し訳ございませんが、今後の予定につきましては下記ニコンサロンのホームぺージをご確認ください。

高島空太(タカシマ クウタ)さんプロフィール

1988年生まれ
写真家、現代美術家

【主な個展】
2017年「今の永遠 」KEN NAKAHASHI 東京
2016年「高島空太写真展 ざわつき 2016」 Gallery Trax 山梨
2016年「高島空太写真展 ざわつき 2015」 大阪ニコンサロン 大阪
2016年「2016」 matchbaco gallery tokyo 東京
2015年「ざわつき 2015」新宿ニコンサロン 東京
2014年「高島空太の写真」 Tsuyoshi HIRANO.アトリエ東京
2014年「高島空太写真展 ざわつき」 matchbaco gallery tokyo 東京
2013年「ざわつき」新宿ニコンサロン 東京
2013年「ざわつき」大阪ニコンサロン 大阪
2012年「ざわつき」Berlin Gesundbrunnen Gleimstraßeドイツ

【主なグループ展】
2019年「2018年度ヤング・ポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム 山梨
2017年「Star Tale」KEN NAKAHASHI 東京
2017年「2016年度ヤング・ポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム 山梨
2016年「写真新世紀 東京展 2016」東京都写真美術館 東京
2015年「2014年度ヤング・ポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム 山梨
2015年「NOWHERE2015」 山梨県立美術館県民ギャラリー 山梨
2015年「Necessarius" -matchbaco collection」 matchbaco gallery tokyo 東京
2013年「写真新世紀 仙台展 2013」 せんだいメディアテーク 宮城
2012年「写真新世紀 東京展 2012」 東京都写真美術館 東京
2012年「teracoya」 AISOTOPE LOUNGE 東京
2011年「山梨大学卒業・修了制作展」 山梨県立美術館県民ギャラリー 山梨

【主な受賞】
2019年 清里フォトアートミュージアム「ヤング・ポートフォリオ」作品収蔵
2016年 キヤノン写真新世紀 優秀賞受賞
2016年 清里フォトアートミュージアム「ヤング・ポートフォリオ」作品収蔵
2014年 清里フォトアートミュージアム「ヤング・ポートフォリオ」作品収蔵
2012年 キヤノン写真新世紀 佳作受賞

【収蔵】
清里フォトアートミュージアム

【著作、雑誌等の掲載】
2017年 晶文社 川奈まり子著「迷家奇譚」の装幀に作品使用
2016年「Interview with Kuta TAKASHIMA」 ODALISQUE magazine 2016
2014年「Zawatsuki」matchbaco 発行 2014

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