「腸からあたたまる たなかれいこ的料理のきほん」(朝日新聞出版)の発売を記念し、著者のたなかれいこさん(食のギャラリー612主宰)と写真を担当された長野陽一さんのトークイベントが東京・銀座にある森岡書店で6月28日に開催されました。

料理家 たなかれいこさんの料理への思いや撮影中のこと

今回のトークイベントは、森岡書店店主の森岡督行さんが司会進行を務め、登壇者である料理家のたなかれいこさん、写真家の長野陽一さんとともに、アートディレクターの有山達也さんも飛び入りの参加となり、会場からも驚きと喜びの声が上がりました。


左から、長野陽一さん、たなかれいこさん、有山達也さん、森岡督行さん

トークイベントは、たなかさんが食の仕事の道に進まれたお話からはじまり、長野さん、有山さんと一緒に料理の本を作ることになった経緯や撮影中のこと、そして、たなかさんの食への思いや実際の調理法、日々の生活のことなど、お話は多岐に渡りました。

本の撮影中に、長野さんと有山さんが、たなかさんの調理したごはんを食べると「数日、調子が抜群にいい」と口を揃えられ、有山さんが「特に腸が快調になります」との言葉に会場からも笑い声が。

今年で67歳を迎え、食の仕事に進まれて37年めとなるたなかさんが、常に大切にしていることは「本当においしいものを食べたい」という思いと、体が素直に気持ち良いと感じるかどうか。その思いと感覚で、ご自身の食べるものから着るもの、生活まわりに関わる一つ一つを選ばれているそうです。

画像: 料理家のたなかれいこさん。20代、30代、40代、50代の頃より今が一番、元気に活動的に動けるそうです。とても美しい!

料理家のたなかれいこさん。20代、30代、40代、50代の頃より今が一番、元気に活動的に動けるそうです。とても美しい!

お話の中で、たなかさんが「1人1人が自分の感覚で、自分の欲するものを、自分で選択することの大切さ」を度々口にされていたことがとても印象的でした。

たなかさんの著書『腸からあたたまるたなかれいこ的料理のきほん』の冒頭でも「もっと、みんな食べ物を選び、食べ物の力を信じ、食べ物に頼って、食べ物を楽しんでください。食べ物をおいしく食べて、健康に美しくなって、それぞれの人生を全うして欲しい。常にその思いだけです」と書かれています。

1枚の料理写真で伝えること

たなかさんの著書である「腸からあたたまる たなかれいこ的料理のきほん」(朝日新聞出版/2018)、「生きるための料理」(リトルモア/2014)、「腸がよろこぶ料理」(リトルモア/2016)の3冊は、同じ判型、デザインで作られています。

たなかさんは「自分が提案するシンプルな料理は、料理本として出版することは難しい」と口にしていました。

たなかさんの前述した3冊の著書が、一般的な料理本と異なる点として、レシピを紹介する際に、料理を作る際の工程写真の掲載がないことです。長野さんが完成した料理を撮影し、ただ1枚の写真で、たなかさんの料理の世界観を表現し伝えています。

長年、数多くの料理写真を撮影されている長野さんも、料理のレシピ本の撮影は、たなかさんとケンタロウさんのお2人であり、たなかさんの著作の撮影現場で学ぶことがとても多かったそうです。

6月25日(火)~30日(日)まで、東京・銀座にある「一冊の本を売る本屋」森岡書店で、たなかさんの著書の発売を記念したイベントが開催されました。

イベント期間中は、たなかさんの著書の撮影を担当した長野さんの写真も展示され、たなかさんが作る野菜がおいしく食べられる、特製魔法のソースやオリジナルデザート、調味料も販売されていました。

たなかさんのシンプルな料理と、長野さんの写真から生まれるおいしさ

たなかさんが大切にする「本当においしいものを食べたい」という思いから調理されるシンプルな料理。そして、料理を「美味しいポートレート」と名付け、単なる料理写真としてではなく、料理に込められた思いや暮らしの物語が伝わる写真を撮り続ける長野さん。

長野さんが撮る、たなかさんの料理写真を見ていると、たなかさんが伝えたい、本当においしい料理は何かということを自分なりに改めて意識し、自分を見つめるきっかけをもらいます。

そして、たなかさんのシンプルな調理法からは多くの情報によって、何を選択していいか迷うことではなく、自分の本当の感覚と、自分の体の声を聞くことで、本当に食べたいものを、まずは自分にできるところから調理し、おいしく食べることの大切さを気づかせてくれます。

きっとその積み重ねの先に、まずは現在の体調を整えていくことで、今よりもっと健康に、美しく、自分が送りたいと思う日々の未来が待っているのだと思います。

料理家 たなかれいこさんのプロフィール

南青山で「食のギャラリー612」を主宰する、料理家のたなかれいこさんは、ご自身の今までの経験と日々の生活から、食べ物の素材そのものがもつ本来の力を活かしたシンプルな調理法と、おいしく食べて、健康に、美しくなることを、そして、その継続することの大切さを提案されています。

著書に「生きるための料理」(リトルモア/2014)、「腸がよろこぶ料理」(リトルモア/2016)、「食べると暮らしの健康の基本」(mille books/)など。

写真家 長野陽一さんのプロフィール

写真家の長野陽一さんは、沖縄、奄美諸島の島々に住む10代のポートレート写真「シマノホホエミ」を発表後、全国の離島を訪れポートレートや島の風景を撮り続け、写真集として「島々」(リトルモア/2004)、改訂版「シマノホホエミ」(フォイル/2008)、「BREATHLESS」(フォイル/2012)などを出版。その後、雑誌「ku:nel」で撮り続けた料理写真をはじめ、料理写真を多数掲載した『長野陽一の美味しいポートレイト』(HeHe/2014) を上梓。料理を「美味しいポートレート」と名付け、被写体となる料理から取材対象者が大切にする食や暮らしの物語が伝わる写真を撮り続けています。

東京・銀座にある「一冊の本を売る本屋」森岡書店

森岡書店 銀座店は、店主の森岡督行さんが、「一冊の本を売る本屋」をコンセプトとして2016年にオープンし、ファッションビルや複合施設が多く立ち並び、喧噪賑わう銀座の中心部から少し離れた静かで落ち着く場所にあります。
今回の料理家 たなかれいこさんと写真家 長野陽一さんのトークイベントは、森岡書店銀座店が入る鈴木ビルの2階で開催されました。この鈴木ビルは昭和4年(1929年)に建てられ、かつて日本を代表する写真家であり、編集者でもあった名取洋之助氏が率いた日本工房という編集プロダクションが事務所を構えていたビルでもあるそうです。

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