月刊「カメラマン」の「月例フォトコンテスト」の選者であります「金森玲奈」先生と「熊切大輔」先生に「こういったことに気を付ければもっといい写真になるのでは」といったことを教えてもらう企画です。アドバイスを参考にして様々なフォトコンテストに応募して写真撮影を楽しみましょう!過去の記事はこちらです。
第1回
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17251980
第2回
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17259161

フォトコンテストに参加してみよう

写真が好きで数々の作品を撮り溜めている人や自分の作品を多くの人に見てもらいたいと考えている写真愛好家の人が多いと思います。その想いを実現する絶好の機会がフォトコンテストです。コンテストに出展することで誰かとその写真を共有するきっかけが生まれますし、入選した人の写真を見て新しい世界に興味の幅が広がることもあるでしょう。コンテストに応募することで自分の写真に足りない部分がわかったり、その作品をたくさんの愛好家の人に見てもらう、そんなことも写真の楽しみ方の一つだと思います。コンテストに入賞したり、表彰されたりといったことになればもっと写真が好きになると思います。表彰式などで同じ考えの写真仲間が増えれば写真を撮る楽しみもきっと増えるでしょう。そして、応募するのであれば上位入賞を目指して頑張りましょう!

はじめに

今回は撮り方についてのほかにタイトルについても考えてもらいたいと思います。普段、写真一枚いちまいにタイトルをつける習慣はあまりないかもしれませんが、コンテストという場においては写真に込めた自分の想いを言葉で伝える大切な要素であり、タイトルも作品の一部であるということを忘れないでほしいと思います。

タイトルの意味を分かり易くすることが必要です。

タイトル:40年

画像: タイトルの意味を分かり易くすることが必要です。

写真に写る男性がこの職業について40年なのか、40年続く店を継いだ人なのか、タイトルの「40年」という年月が何を指し、作者がその数字で何を伝えたかったのかがこの写真には少し欠けている印象を受けました。40年という時間の長さを表現したかったのか、この男性自身を主役にしたかったのか、視点を絞ってみてはどうでしょう。それによってタイトルも変わってくると思います。

タイトルのつけ方で写真の印象が変わります。

タイトル:このこみ上げる気持ちが愛じゃないなら

画像: タイトルのつけ方で写真の印象が変わります。

非常に叙情的なタイトルです。着物姿の少女と桜の花といったシチュエーションも情緒があります。ですが、写真に写る彼女はとてもおだやかな表情をしていて、「こみ上げる」という衝動は写真からは伝わってきません。言葉の選び方で写真の印象はガラリと変わります。静かな、けれど凜とした彼女の持つ空気感を表す別の言い回しも考えてみてください。

主役を取り巻く周囲の状況を加えるともっと素敵に

タイトル:渡し船

画像: 主役を取り巻く周囲の状況を加えるともっと素敵に

ちいさな渡し船に三角形の笠をかぶった人たちが次々に乗り込んでいきます。光る水面を背景に映し出されるシルエットがモノクロの世界で表現されていることで、どこかの異国の地なのか、過去なのか現代なのかと見る側にさまざまな想像をさせてくれる作品ですが、背後の近代的な船の存在があるかないかで印象がだいぶ変わるように思いました。

金森玲奈先生略歴

画像: 金森玲奈先生略歴

1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学中より都会の片隅に生きる猫の姿を撮影してきた。東京芸術大学付属写真センター勤務等を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始。近年は身の回りの何気ない瞬間や国内外の旅先の風景、けがと障害がきっかけで引き取った二匹の飼い猫との日々を撮り続けている。
http://kanamorireina.com/

さあ、どんどん応募してみよう!

雑誌のフォトコンテスト以外でも様々なフォトコンテストが開催されています。そうした中、月刊「カメラマン」が長年協賛している「総合写真展」が6月25日まで作品を募集しています。

同展は、作品が入選以上に選ばれると「東京都美術館」(台東区・上野公園)に展示されるというもので写真の展覧会としては大変規模の大きい公募展です。また、入選者の方を対象とした表彰式も開催されます。腕に覚えのある人はもちろん、写真を始めてまだ日が浅いという人も、写真をもっと楽しむために、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

●「第23回総合写真展」ホームページ
http://shashinten.info/

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