現在、様々なフォトコンテストがあり、写真愛好家の方で応募されている方も多いと思います。素晴らしい作品なのにちょっとしたことで入選できなかったりといったこともあります。そこで、月刊「カメラマン」の「月例フォトコンテスト」の選者であります「金森玲奈」先生に「こういったことに気を付ければもっとよくなるのでは」といったことを教えてもらう企画の第二弾です。

フォトコンテストに参加してみよう

写真が好きで数々の作品を撮り溜めている人や自分の作品を多くの人に見てもらいたいと考えている写真愛好家の人が多いと思います。その想いを実現する絶好の機会がフォトコンテストです。コンテストに出展することで誰かとその写真を共有するきっかけが生まれますし、入選した人の写真を見て新しい世界に興味の幅が広がることもあるでしょう。コンテストに応募することで自分の写真に足りない部分がわかったり、その作品をたくさんの愛好家の人に見てもらう、そんなことも写真の楽しみ方の一つだと思います。コンテストに入賞したり、表彰されたりといったことになればもっと写真が好きになると思います。表彰式などで同じ考えの写真仲間が増えれば写真を撮る楽しみもきっと増えるでしょう。そして、応募するのであれば上位入賞を目指して頑張りましょう!

はじめに

「こういう写真が必ずコンテストに通る」という正解はありませんが、写真に込めたメッセージがうまく表現できなければ、それを第三者に伝えることはできません。コンテストに限らず自分が写真を通して何を伝えたいのか、写真に込めたメッセージをより明確にするために、ここでは幾つかのポイントをご紹介します。

撮影位置を工夫しよう タイトル「光の散歩道と」

画像: 撮影位置を工夫しよう タイトル「光の散歩道と」

惜しくも入選になりませんでしたが、スマートフォンのカメラ機能を使い、ひとつの景色をピントを合わせたものと玉ボケになったふたつの世界で捉えようとしています。アイデアは素晴らしいですが、スマホの画面に映っているメインのイルミネーションとの距離が遠いせいか、周囲の暗さの方に目がいってしまい、タイトルにある「光の散歩道」というには少し寂しい印象を受けてしまいました。タイトルを生かすならもう少しイルミネーションに近付いて撮るなど、撮影位置を工夫するといいかもしれません。

目線を変えてみてみると違いが出ます タイトル「つなひき」

画像: 目線を変えてみてみると違いが出ます タイトル「つなひき」

二頭の牛が向かい合った鼻先にある柵を綱引きの綱に見立てた発想が面白い作品です。ただ、少し見下ろすような位置から撮られているため、牛と柵に距離があるのが分かってしまいます。また、牛が綱引きをするなら口に咥えるだろうなと思うと、もう少し目線を下げて真正面から捉えると、柵との距離も感じなくなると共に柵が牛の口元にくることでより引っ張り合っている雰囲気を出せるかもしれません。

主題を中心に切り取りましょう タイトル「見つめる」

画像: 主題を中心に切り取りましょう タイトル「見つめる」

くっきりと浮かび上がった影の存在感が強く、メインの被写体である少女の存在感が少し弱い印象を受けました。口元を影で隠すことで目に注目させたかったのかもしれませんが、少女と距離があることで目元よりも顔にかかる影の方に視線が向いてしまいました。少女を取り巻くシチュエーションとしては面白いですが、タイトルにある通り見つめる彼女が主役であるならもう少し違った切り取り方に挑戦してみても良かったかもしれません。

金森玲奈先生略歴

画像: 金森玲奈先生略歴

1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学中より都会の片隅に生きる猫の姿を撮影してきた。東京芸術大学付属写真センター勤務等を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始。近年は身の回りの何気ない瞬間や国内外の旅先の風景、けがと障害がきっかけで引き取った二匹の飼い猫との日々を撮り続けている。http://kanamorireina.com/

さあ、どんどん応募してみよう!

雑誌のフォトコンテスト以外でも様々なフォトコンテストが開催されています。そうした中、月刊「カメラマン」が長年協賛している「総合写真展」が作品募集を開始しました。
同展は、作品が入選以上に選ばれると「東京都美術館」(台東区・上野公園)に展示されるというもので写真の展覧会としては大変規模の大きい公募展です。また、入選者の方を対象とした表彰式も開催されます。腕に覚えのある人はもちろん、写真を始めてまだ日が浅いという人も、写真をもっと楽しむために、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
●「第22回総合写真展」ホームページ
http://shashinten.info/

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