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「あれを撮りたい!!」と思わせる“きっかけ”を探すべし
前回では、まず自分にとっての標準レンズを決める重要性について書きました。カメラ選びや設定よりも生理的な好みに関わることで、自分の側で調整するのが難しいからです。では、次に変えづらいことってなんでしょうか?
スナップの難しさは、楽しさの裏返しとなっていて、先に被写体がありません。ポートレートならモデル、風景なら景色があるけれど、スナップはそれを探すところから。そこで「なにを撮ればいいの?」という問題に突き当たります。
この質問は圧倒的に多いのですが、レストランでシェフに「私はなにが食べたいでしょう?」と聞くようなもの。とにかくいい写真が撮りたいなんて、美味しいものだったら何でもいい!と言うのと同じ。
好きなものはなにか? 下町、建築物、ネコ…といった具体的な被写体ではなく、ドラマティックな光、鮮やかな色、ユーモラスな瞬間、とにかく人…といったこと。「あれを撮りたい!!」と思わせるきっかけになるものです。ひとつに決める必要はありませんが、意識するだけで違いがあります。
雑誌のページで手が止まるとき、車内吊り広告に目が惹かれるとき、なにが心をとらえているのか考えましょう。自分の写真を見返すことも大切なので、うまく撮れた、失敗した…というだけでなく、多く現れる傾向を探すとわかりやすいものです。
今回のポイントは3点!
❶努力では変えづらいことから決めていく
❷目を惹かれるものを、ふだんから意識する。
❸撮った写真を見返して、なにか傾向がないかチェック!!
撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん
公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。本誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。