レコードやフィルムカメラ、手書きの日記など「アナログ」が好きな開発者が今回のCP+に新たなカメラを提案した。その名は「Concept model (A・B)Retro Style design」だ。

キヤノン「コンセプトモデル(A・B) レトロスタイルデザイン」とは?

この「コンセプトモデル(A・B )レトロスタイルデザイン」は、あくまでも「開発中の試作モデル」。今回の「CP+2026」での来場者アンケートなどの反響次第では製品化もありえるとしている。

掌にすっぽりと収まるコンパクトなボディでウエストレベルでボディ上部のファインダーを覗き込んで撮影するスタイル。「フィルムカメラのようなレトロな雰囲気を漂わす写真・動画撮影が可能」という新しいコンセプトで開発中のモデルだ。

上の写真のように同じ機構ながら「A」と「B」ではボディ形状や操作系などが微妙に異なっているのがわかる。

レンズは50mm F1.8の単焦点。ピント合わせはレンズ鏡筒部のリングでマニュアルフォーカス操作する。そしてボディ脇(右側)のレバーを前方に倒して撮影する。下の写真のように展示ブースではタッチ&トライができるデモ機も用意されており、AC電源により実際に試写も可能だ。

背面の操作系ボタンはシンプルな構成。液晶モニターは可動式のようだ。

操作方法

下の写真は実際に撮影中の様子。ファインダーもフィルムカメラ時代を思い出させる「味」を演出していた。

ウエストレベルで構えるスタイル。まるでかつての二眼レフフィルムカメラ「ローライフレックス」などを彷彿とさせる。

気になるカメラのメカニズムだが、下の図表のように構造はいたってシンプル。レンズを通した光(撮影情報)がミラーに反射してボディ上部のファインダー部に投影する。「フィルムのような表現」になるのはボディ中央に位置する「フルサイズスクリーン」によって、もたらされるようだ。

そして撮影時にボディ上部のミラーが垂直に跳ね上がり、その先のカメラモジュールに撮影情報を伝える仕組みだ。

これがコンセプトモデルのメカニズム。ウエストレベルでファインダーを覗くと、フィルムカメラ経験者には懐かしい思い出がよぎり、フィルムカメラを知らない世代には新鮮な感覚だろう。

今回のコンセプトモデルについて説明中のキヤノンIMG製品13開発部の上田晴久氏。ご自身も「アナログレコード」での音楽鑑賞がお好きだとか。

質疑応答では「製品化された場合、想定価格はどれくらいになるのか?」との質問もあった。セミナーでの回答は「今回、ご来場者の方々へアンケートを実施している。『これくらいの価格なら購入も考える』というマーケティングをもとに開発を進めたい」とのことだ。

さらに「フィルムカメラ時代のキヤノンFDマウントレンズを、このカメラで再活用できる方向性は考えていないのか?」という質問もあった。開発陣からは「今のところ、マニュアルフォーカスFDマウントレンズをこのコンセプトモデルで使える可能性は考えていない」との回答だった。

フィルムカメラのようなレトロな雰囲気を持つ写真や動画が撮れるユニークなモデルとして、スマホに飽き足らない若者や人とは違うカメラが欲しいユーザーに人気を博す可能は十分にある。今後の開発と製品化に期待したい。

このカメラの開発陣

左からキヤノンIMG製品132設計室・水谷将馬氏、前出の上田晴久氏。