■作例共通データ:α7CR 絞り優先AE WB太陽光 AF-S フォーカスエリア中央固定
タムロン 28-300mm F/4-7.1 Di Ⅲ VC VXD (Model A047) Eマウント 主な仕様
●焦点距離:35mm判換算28-300mm相当
●最短撮影距離:0.19m (W) / 0.99m (T)
●最大撮影倍率:1:2.8 (W) / 1:3.1 (T)
●レンズ構成:13群20枚
●最小絞り:F22-40
●絞り羽枚数:9枚
●フィルターサイズ:67mm
●大きさ・重さ:φ77×126mm・610g
●付属品:フード
ゴーストは使いようで表現に使える
ゴーストもOK。一応チェックしてみたけど、デジタル化以降いまどき派手なゴーストが出て使い物にならないレンズなんてないハズ。なので、気にすべきは自分のカメラとの相性。イメージセンサー周りの内面反射はカメラとレンズの組み合わせによって全然違うことがあります。
また、絞りの大きさによっても状況がかなり変わってきます。特定の機種と絞り値でどう反応するかを意地悪テストで試してみると、ゴーストの出方の傾向が大体わかってくる。それがわかるとゴーストを表現に応用できるように使えます。
ゴースト比較作例
●F4
●F8
●F22
AF速度と追従性
AFスピードもまあまあOK。少年野球の撮影くらいだとバッター狙いから急に内野手にカメラ振っても結構ちゃんとピント拾って追っかけてくれるのでナイスプレー!(α7CRでAF-Cの場合ね)。
AFの食い付きも及第
鉄橋を渡りに行く電車を300mmのAF-C連写で狙ってみても、きちんとAFが食い付いてきているのがわかる。去る方向でも一応追っかけて食い付いているようです。サッカーなんかのランダムな前後の動きにどれだけ食い付いてこれるかは未知数だが、期待はできる!
周辺光量不足とグルグルBOKEH、そして色収差
周辺光量はカメラ側で「自動補正オン」にしておけばまあまあ問題無し。絞り開放だとテレ側でやや落ちることは事実。「自動補正」はぜひ使ったほうがよいと思います。ただ、スクロールの上に掲載のヒマワリ300mm至近の作例でもわかる通り、至近側では口径食は目立ちます。
そのため、ボケがグルグルに見えることもあるので、ある程度覚悟しておいた方がよいです。あと、色収差はカメラの「自動補正オン」でキャンセルされるから無論OK(ていうか「自動補正オフ」でもよくわからなった)。
VCの補正段数は「ナゾ」
レンズ単体、あるいはカメラとの協調でどれだけの段数がブレが補償されるか? どの軸でどれだけ? とかいうのは、正直いって実写ではうまく判断できませんでした。タムロンは公称を出していません。これは、「カメラを生産していないので」とか「実はカメラ毎に違うので」とか色々と事情があるからだと推察します。なので、ここでは筆者の結果だけリポートしておきますね。
その他の「ナゾ」
さて、もうひとつナゾなところは「カメラとの総体的な互換性」でしょうか。決してディスるわけではありませんが、これはサードパーティ製であるからには避けられない、買う側にとっては覚悟のいるポイントと言えます。
例えば、カメラのファームアップや同じマウントで新製品のカメラが出た際にこのレンズを使おうとすると、なにがしかのディスアドバンテージが出てくるかもしれない…ということです。
でも、このレンズにはUSB-Cのプラグがそのまま刺さる穴が付いています。この穴を使ってファームアップができる可能性があるということです。その際にタムロンがどこまで対応してくれるかは「ナゾ」としか言えませんが、その可能性に希望を持つのも買い物としては悪くないと筆者は思います(タムロンは「アフターもしっかりしたメーカーだ」ということをワタシは信じたいの)。
それでも言っておきたい「穴は塞ぐべきだ」
長々とインプレしてきましたが最後に「喝!」。その大事なUSBの穴ボコがそのまま(穴が開いてるだけ)なことについて言っておきたいと思います。キャップやバリアなんかは初めからない。別売もない。でもココは塞いておかないとやっぱり気になる。「問題ない」とか「実害なし」とか「スマホと同じ」とかいわれようが、このことはしつこく云っておきたいです。「穴は塞ぐべきだ」。
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野外で使うものだし、冷房の効いた部屋や車内から蒸し蒸しした酷暑の日照りの下へ出ると、どんなに気を付けていてもレンズが結露することだってある。風の強い日にグランドで子供たちの野球の試合を撮っていると、土埃濛々でカメラが白くなることもある。
海の近くの球場では塩っ気のある風がビュービュー吹いてたり、小雨ぐらいでは試合はやるのでそんな中でレンズは使われるわけです。今の時代、カメラやレンズはキホン防塵・防滴になってるから、ユーザーはそのように使い倒します。そんな環境で、精密情報機器的な繊細なUSBの端子を露出させておいていいハズがない。「穴にシャッターを」とまでは言わないからキャップぐらい用意してよ~。
あと、併せてご注進申し上げます。穴のそばのネジ頭の露出もデザイン的にどうなのかな。先々代のOno大社長はこういうところを大変気にしていましたよ。「ネジは隠せっ!」って開発者によく言ってましたね。このUSBの穴の周りだけ、全体のモダンなデザインポリシーから異形になってないでしょうか。