期待をはるかに上回る「ほぼほぼ全部入りスペック」で登場したEOS R5 MarkⅡ。はたして、その実力は? ネイチャー写真界のトッププロが風景&野生動物にて検証!

キヤノン EOS R5 MarkⅡ 主な仕様

●有効画素数:約4500万画素
●常用ISO感度:100~102400
●AF機能:アクション優先AF/視線入力
●被写体検出AF:人物(瞳/頭部/全身)動物(犬/猫/鳥/馬)乗り物(車/バイク/鉄道/馬)
●連写機能:プリ連続撮影 30コマ/秒(電子)12コマ/秒(メカ)
●EVF:約576万ドット/0.76倍
●大きさ・重さ:約138.5×101.2×93.5mm・約746g(電池・カード含)

画質もAFもハイブリッドで進化。 “5”の称号をさらに高めたハイエンドEOS                

オジロワシ(羅臼町)。コマ速は現行機の20コマから30コマになり、AFの食いつきもR3と同等かそれ以上だと体感できた。オジロワシが木から飛び立ち、飛翔するシーンを軽量化した超望遠RF800ミリ(約3キロ)と新型機(746g)の組み合わせで撮影。手持ち撮影がとても楽だ。
■RF800㎜F5.6L IS USM 絞りF5.6 1/2000秒 ISO1250 WB:太陽光

霧に包まれた道東の野付半島で若いオスジカ達に遭遇した。日没後20分撮影条件の悪い中、新型RF100-300ミリF2.8Lレンズと組み合わせると、AFも俊敏で迷うなくサービングする。諦めたくなる条件でも撮影が可能だ。
■RF100-300mmF2.8L IS USM 絞りF2.8 1/200秒 ISO1600 WB:太陽光

EOS R5の登場から約4年。待望の後継機・EOS R5 MarkⅡがベールを脱いだ。今回、デモ機を短期間ながら試す機会を得たが、その仕上がりは2台のR5とR3を発売直後から使ってきた筆者の想像の遥か上を行っていた。

まず一番驚いたのは、R3で初搭載された視線入力が本機に導入されたこと。筆者も野生動物や野鳥で頻繁に活用しており、その利便性はよく理解しているのだが、新型はR3よりも明らかに精度が上がっている。
視線入力は朝昼晩、撮影条件によりキャリブレーションをこまめに登録することが必要で、R3では、ポインターの敏感度を+2にしていたが、遠近両用メガネを使用している筆者の実感では、標準設定のゼロでも誤差が明らかに少なく、検出精度が上がっている。

朧な朝日。羅臼の天狗岩の上を登る。オオセグロカモメが飛び立つ瞬間を、新機能のプリ撮影を使い秒間30コマで撮影。飛び出す瞬間を見事に捉えた。
■RF100-300mmF2.8L IS USM 絞りF8 1/1250秒 ISO400 WB:太陽光

最新のRF10-20mmで阿寒の原始林に分け入った。日差しが樹間から差し込んでいるのをモチーフに手持ちで撮影。葉の緑色の再現性がとても綺麗でが階調が豊かだ。新型センサーと最新の画像エンジンが上手く働いていると感じた。
■RF10-20㎜F4L IS USM 絞り優先AE(F11 1/40秒) プラス0.3露出補正 ISO500 QB:太陽光

さらにR6 MarkⅡに初搭載された、プリ連続撮影も導入。電子シャッターで0.5秒前を15コマ記録、30コマの高速連写は今まで諦めていた瞬間の美を逃さない。また、高感度特性を試すべく夜間星景撮影を行ったところ、筆者的にはR5ではISO6400が限界だったが、新型はISO16000でも十分にキレイ。場合によってはISO25600でも使えそうだ。ISOオート上限がISO16000に引き上げられたのも素晴らしい。

R3を凌駕するAF性能。画質機能&高速性能も飛躍的に向上

快晴の湖で木漏れ日が差し込む輝度差の高いシーン。しかしダイナミックレンジが広いせいで色の再現性がとても良い。手持ち撮影。
■EF14-35㎜F4L IS USM 絞り優先AE(F16 1/8秒) ISO200 WB:太陽光

雲間から朝日が差し込む摩周湖。注目したのは暗部の再現性。黒潰れもなくやはりダイナミックレンジのが明らかに改良されている。
■RF24-105㎜F2.8L IS USM Z 絞り優先AE(F8 1/80秒) マイナス1.3露出補正 ISO200 WB:太陽光

ただ、少し疑問に思ったのは、歴代EOSの「5」の位置づけは動きモノより風景がメイン。動体は弟分のEOS R6 MarkⅡや兄貴分のR3や1D X MarkⅢにお任せだったはず。しかし、テスト撮影で驚いたのは………。

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