ニコン "D"を語る?
山田:僕の知り合いで、風景撮ってる女性アマチュアカメラマンがいるんです。その人がつい先日、新品のD850を買いました。でも、その人はZ 7Ⅱも持ってるんですよ。Z 7Ⅱより後にD850を買うっていう。
編集部:ほう。新品でD850を買うんだ。
山田:やっぱり違うって言ってた。
豊田:難しいことは抜きにして、シンプルに使い心地が違うんでしょうね。
編集部:その方はレンズもAF-Sを買ったんですか?
山田:元々ニコン使いだから、レンズは持っていたと思う。でもこれって、ミラーレスがすべて正しいわけじゃない、ってことだよね。像面位相差を有り難がってる人はいっぱいいるけれど、一部の人にとっては無駄な機能でもある。それこそ像面位相差のせいで画質が落ちてる部分もあるんだから。カメラの高速化と画質を天秤にかけたら、まだ一眼レフという選択肢もあるってこと。だって今なら、その最終完成系が新品で手に入るんだからね。
編集部:山田さんが一眼レフを買えって薦めたの?
山田:さすがにそれはない(笑)。でも、今のうちにちゃんと触って記憶にとどめておくことは悪いことではないと思うな。こうなったら、ニコンはD6の体験会とかやっちゃってもいいんだよ。
編集部:D6かー。
曽根原:まだ製造はしてるんですかね。
編集部:生産中止にはなってないから。
曽根原:そうか。じゃあ足りなくなったらまだ作るよっていう姿勢なのかな。
阿部:D6って仙台工場だよね。
編集部:でもセンサーがもうないのでは? たしか東芝だったような…。
山田:その可能性もありますね。
豊田:時々修理対応から外れたりしています。
曽根原:ちょっと虫の息的なところはある。
山田:もちろん修理はできるだろうけど、新品っていう意味では在庫限りでしょうね。
編集部:JRPA(日本レース写真家協会)のレースカメラマンでD6を最近買い足したという人がいらっしゃいます。Z 9にいかずに。
阿部:長年使っているんだったら、それはあるだろうね。プロのカメラマンは機材が重たいとか言わないから、レースを撮るならD6がいい。
曽根原:D6と長玉を持っているだけで、いかにもレースカメラマンですからね。
阿部:いまでもD5を使っている人がたくさんいるからね。
編集部:うちの井上くん(※モーターマガジン社の社カメ)もそうだし。
曽根原:中古のレンズが信じらないくらい安いですしね。ある意味、お得感はすごいですね。
豊田:サイズが気にならないんであれば。
山田:毎回言ってるけど、一眼レフがいいなって言ってる人は、絶対D6には触っておくべき。完成形ってここまでいくんだぜっていう。ミラーって、バウンドするのが当たり前だと思ってる人いっぱいいるんで(笑)
阿部:フラッグシップ系一眼レフのシャッターとミラーの作動のすごさっていうのは神業だよね。
豊田:人生一度はニコンのフラッグシップ、っていうのはアリだと思います。
編集部:光学ファインダーかー。
阿部:光学ファインダーがブラックアウトするっていうのは、たしかにその通り。でも、それがずっと見えてるんじゃないかと思うぐらいの速さで、しかもバウンドせずに動いているんだから。単純に感動するから。
山田:これぞメカ。日本の伝統工芸なんだからさ。
阿部:ミラーレスの秒何十コマと比べても仕方ないけど、ミラー動かしてシャッター開け閉めしての秒十数コマだからね。こんな神業は、ニコンとキヤノンにしかできない。
山田:もうキヤノンはやらないけどね、きっと。
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