日本写真家協会(JPS)は40歳までの新進写真家の発掘と育成を目的とした第18回「名取洋之助写真賞」に中条望さん(39歳)を選び、その授賞式が2023年12月13日(水)、東京・千代田区の「アルカディア市ヶ谷」で行われた。「名取洋之助写真賞奨励賞」、第6回「笹本恒子写真賞」、第49回「日本写真家協会賞」の受賞者・詳細は以下のとおり。
撮影:井戸川博英

第18回「名取洋之助写真賞」の詳細については以下のリンクを参照

写真左から選考委員の清水哲朗氏(写真家・JPS会員)、山田健太氏(専修大学教授)、熊切大輔氏(JPS会長)、中条望氏、齊藤小弥太氏、小山幸佑氏、名取美穂氏(名取洋之助氏の孫)。

第18回「名取洋之助写真賞」は中条望さん

受賞者:中条望さん(39歳)
受賞作品:「GENEVA CAMP -取り残されたビハール人-」(カラー30点)

中条望さんの受賞スピーチ

第18回「名取洋之助写真賞」中条望さん受賞スピーチ。

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第18回「名取洋之助写真賞奨励賞」は齊藤小弥太さん(写真左)、小山幸佑さん

受賞者:齊藤小弥太さん(37歳)
受賞作品:「土地の記憶」(モノクロ30点)
2029年3月31日に新設予定の成田空港第3滑走路の工事を淡々と取材・撮影したモノクロ作品で構成。集落では高齢化が進み、昔のような大きな反対運動はなく淡々と移転が進んでいる。2019年から先祖代々の土地に生きる人々の暮らしと、昔から続く素朴な風景に心を惹かれ、取材を始めた作者。失われゆく景色と人々の営みを記録した。

受賞者:小山幸佑さん(35歳)
受賞作品:「私たちが正しい場所に、花は咲かない」(カラー30点)
2018年より制作しているイスラエル/パレスチナについてのプロジェクト。小山さんは一人の外国人の立場から対立する双方の地域に暮らす人々の写真を撮り、両地域を隔たる高さ約8m、長さ700kmのコンクリートの壁の「向こう側に暮らす人々への手紙」を現地の人に書いてもらった。2023年10月初旬に双方での紛争が始まるとは、小山さんも予想できなかったという。

第6回「笹本恒子賞」は高橋宣之さん

写真左より選考委員の佐伯剛氏(編集者)、熊切大輔氏(JPS会長)、高橋宣之氏、選考委員の野町和嘉氏(写真家・JPS前会長)。

受賞者:高橋宣之さん
受賞理由:高知県の仁淀川水系という限定的なテーマを数十年にわたり深く掘り下げることで、ネイチャーフォトの枠を超えて、地域文化や生きものの生態までをも表現している。このハイクオリティーな写真の世界が凝縮された作品群に対して。

第6回「笹本恒子賞」の詳細については以下のリンクを参照

第49回「日本写真協会賞」株式会社会社ワン・パブリッシング『CAPA』

受賞者:株式会社会社ワン・パブリッシング『CAPA』
贈呈理由:月刊誌『CAPA』は、1981年 9月の創刊より数えて通算500号を超える、わが国有数のカメラ&写真情報誌。常に写真関連情報の先端をいき、若者からベテラン写真 愛好家まで幅広い読者を豊富な内容の記事で長きにわたり楽しませてきた。今後のさらなる奮闘を願い、激励の意味も込めて、日本写真家協会賞を贈られた。

写真左より山口規子氏(JPS副会長)、熊切大輔氏(JPS会長)、広瀬有二氏(株式会社ワン・パブリッシング代表取締役社長)、菅原隆治氏(CAPA編集長)、髙村達氏(JPS副会長)。

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