やっぱり人物撮影で真価を発揮?
8月20日には、甥が札幌で結婚式を挙げた。偶然にも甥は札幌に転勤している。ナイスタイミング! アベッちの姉の次男なので、ファミリーが勢揃いだ。もちろんこの結婚式にも35-150mm F/2-2.8 Di Ⅲ VXD+ニコンZ 8という組み合わせで出撃した。
しかし、久々に結婚式に出て驚いた。結婚式そのものは撮影禁止だそうだ。スマホの普及で誰ものがパシャパシャするから、式の進行に迷惑なんだろうな。ブライダルカメラマンがムービーを回しているし、その邪魔にもなるやも…というわけで教会での写真はなし。演出が素晴らしくて感激したけど、網膜に焼き付けておいた。
教会を出るときのお約束、フラワーシャワー。そしてバルーンリリースと続く。ブライダルカメラマンの邪魔をしないように気を付けながら2人を撮る。まずは幸せそうな2人を中心に撮影。
バルーンが上がるのを待って35mmでタテ位置に切り替えた。青空でないのが残念だが、華やかな雰囲気の1枚が撮れた。35-150mmという焦点距離は、引きと寄りの変化が大きく、ブライダルの撮影には最適に思えた。
披露宴会場へ移動するまでのしばしご歓談くださいの時間。もう一人の甥、兄の子供たちを撮る。生まれたのは知っていたのだけど、コロナ禍で一度も会うことができなかった。お姉ちゃんも弟くんもすっかり大きくなっていた。
まずはお姉ちゃんから。35mmと150mmで全体とアップ。このレンズの使い方の王道といえる。ピンとは瞳AFがよく追っている。レフ板はないが、明るい曇天なので光は回っている。
札幌を市内を背景に撮影。線の細い柵がどうボケるか気になっていたが、二線ボケにもならず、線は自然な崩れ方をしているのがいい。
弟くんはまだ幼い。勝手に歩き回るのが面白い。元気いっぱいで写真に撮られることなど、まったく気にしていない。Z 8とのも組み合わせは機動力があり、一瞬の表情を逃さない。
瞳AFはよく追いかけてくれる。人物が画面の周辺でもまったく問題ない。ちなみにAFはピントをロックするAF-SではなくAF-Cにしている。この方がよりシャープなピントを得られる。
ブライダルスナップでの使い勝手は?
ウェディングパーティーの会場へ移動。最初の乾杯の泡用グラスにはそれぞれの名前が記されていた。最短撮影距離は、広角側35mmで:0.33m、望遠側150mmで0.85mmと短いのでかなり近接が効く。
ウェディングパーティが始まった。料理の前菜はスモークサーモン。札幌らしい一品だ。式場のホワイトバランスが難しく、強い赤黄色味を帯びる。じっくり補正して、なんとかここまで抑えた。
ものすごい枚数を撮影したが、撮っていて気にいったのはこの1枚。二人が歩いているので被写体ブレしているが、その分動感がある。お色直しでパーティも後半。二人の表情が好きだ。
最後にテストチャート代わりにビルの写真を撮ったので見てもらおう。ニコンZシリーズとの組み合わせでは、カメラ内レンズ補正 (周辺光量、倍率色収差、歪曲収差)が機能する。35mm時、150mm時とも絞り開放で周辺光量不足はなく、解像も十分だ。目立つ歪曲収差もない。
35mm時、150mm時とも画像は安定している。もともとがポートレート用のレンズではあるが、風景写真、建築写真にも十分に使える性能だ。
Zマウント2本目にしてタムロンらしさが詰まったレンズが登場した。ニコン純正のZレンズはハズレなしといわれるほど高性能揃いだ。なので普及タイプのレンズなど出されても少しも嬉しくない。今後も高性能でドラスティックな製品の開発に取り組んでほしい。Zでポートレートを主体に撮ろうというカメラマンには最適の1本だ。