なぜかOtus

Otus 1.4/85

編集部:今のところ結論的には開放F1.2のレンズなんて必要ないと。高いし。
豊田:どうしても必要だとは思いません。
今浦:F1.8、F2クラスをコロコロ並べるのが一番平和かと。
赤城:いやいや、メディア的には必要ないなんて言うのはどうかと。桃ちゃんだって僕だってその辺のやついろいろレビュー書いたりなんかしてる。安いけど原稿料もらったりしてるんだし(笑)
今浦:結局使う人次第ですよね。僕は風景っていう基本があるからF2やF2.8で十分。でもポートレートできれいなボケが欲しいっていう人はやっぱりF1.2とかF1.4クラスが必要なでしょね。
桃井:でもF1.2クラスだと口径食が結構出るからね。
今浦:口径食もそれはそれでオシャレ、って思う人もいるから。
桃井:ボケ撮るわけじゃないからね。
赤城:ボケのために写真は撮らないだろう。
桃井:それがバレないように撮るのが仕事だったりもしますしね。
曽根原:F2クラスにいいレンズがあると幸せだなぁ。
今浦:そうですね。目玉があると嬉しいですね。
赤城:絶対に違うものが撮れるはずだから。ズームのF4とかと比べたらまるで違う描写が期待できる。
編集部:そう考えるとシグマは頑張ってますよね。
桃井:シグマは35mmはF1.2があってF1.4があってF2があって…。
曽根原:なんでそんな出せるんだろう?
桃井:すごいっすよね。
曽根原:海外では単焦点ってどういう扱いなんですかね。
豊田:旅行先で(ツアイスの)Otusを持ってる人は前はよく見ました。
今浦:Otusかぁ。外国人は持ってる率が高いかも。
赤城:あれは覚悟がいるからね。
今浦:日本人で使っているのは●●さんくらいしか知らない。
桃井:Otusは使いこなしがホントに難しい。ピント、薄っいしね。
赤城:レトロフォーカスで標準レンズを作ると、どうやっても巨大になるって当時は考えられていた。だけど技術者が好き放題に作ってしまった(笑)
曽根原:レトロフォーカスなんですか? あれ。
赤城:そうですよ。
曽根原:じゃあ凹レンズが一番最初にあるんだ。
赤城:大口径や広角の場合は凸先行のレンズ構成もあるんですが、レトロフォーカスになると明らかに性能が上がるのはわかっていました。でもデカくなることも間違いなかったんで、多くの技術者は諦めていたんです。今は技術が上がったんで小さくできるようなったけど。
桃井:最初にOtusが出てきた時は衝撃でしたよね。
赤城:技術者は相当うらやましがったみたいですね。こんなこと本当にやっていいんだって(笑)。でも、作ったはいいけど、今度は我々が使いこなせない。どうやってもピントが合わないって(笑)
桃井:レフ機だとやっぱりハードルが高いですね。
赤城:とにかくライブビューにして「おまえ、絶対動くなよ!」とかモデルを脅してどうすんだよ、みたいな(笑)。瞳はもちろん顔認識もない時代だったからね。
桃井:モデルだって動きながら表情を作る方が良いに決まっているから。とにかく動くなって言われてもね(笑)
森田:全部同じ表情になっちゃう。
赤城:二人で息止めてる撮るんだから。だんだん苦しくなってくる(笑)
桃井:結局、ピントをちょっとずつ送って撮って、どれか当たり探すくらいしかなかった。
赤城:それを実用というかどうかね。タレントさんとか撮影時間が5分しかありませんとかって場合、F1.2なんか恐ろしくて、とても撮れない(笑)
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