中国にあるVenus Optics社のカメラレンズブランド「LAOWA」から、フジ・GFマウントの超広角レンズ「LAOWA 19mm F2.8 ZERO D GFX」が2023年2月23日に発売された。日本では株式会社サイトロンジャパンでの取り扱いとなる。
LAOWA 19mm F2.8 ZERO D GFX 主な仕様
●焦点距離:35mm判換算15mm相当
●最短撮影距離:0.18m
●最大撮影倍率:0.185倍
●レンズ構成:10群12枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:5枚
●フィルターサイズ:77mm
●大きさ・重さ:φ82.6×80mm・約546g
※撮影共通データ:GFX50R ISO100 WB:オート
純正にはない超広角は魅力も、19万円ですから…。
フルサイズ換算で15mm相当かつ開放F2.8となる本レンズに対応する純正レンズは無く、撮影領域を大きく広げてくれる1本として存在感がある。さらに、約550gとGFXシリーズ用のレンズとしては軽量に仕上がっていることも魅力的で、電子補正に頼らないZEROディストーション設計が謳われているので実写が楽しみである。
実写してみて感じたのは、絞りリングとピントリングの回転方向は純正と同じに揃えられていて使用感は悪くない。だが、量販店で約19万円という価格から期待するクオリティには正直、若干達していないようにも感じた。
たしかに歪曲ナシ! 見事な光学性能です。
写りは絞り開放から十分にシャープで申し分なく、至近側までシャープに解像するなど、見事な性能だ。「ZEROディストーション」とアピールするだけのことがあり、歪曲もほぼゼロ。
逆光撮影時には特徴的な輪っかが光源の周囲に生じるけれど、基本的な逆光耐性は十分に高く感じられた。興味深かったのは光源ボケの形状だ。光条の為に5枚にしたとのことだが、しっかりと特徴的な五角形になった。しばらく見ない形だったので新鮮な驚きがある。
今回は私物のGFX50Rと組み合わせたのだが、EVF上ではピントが良くわからず、拡大しても表示が荒くやはりピントは分からない。結果として勘に頼ってピントを合わせるか、撮影画像から調整方向を探る、という撮影スタイルになった。GFX50S Ⅱなどでどうなるかは分からないが、そういった心構えは必要かも知れない。