0.19m(焦点距離17mm)、0.23m(焦点距離20mm)、0.26m(焦点距離24mm)、0.26m(焦点距離28mm)タムロンからXマウント対応レンズがまた追加された。150-500mmF5-6.7 Di Ⅲ VC VXD (Model A057)だ。このレンズのEマウント版(フルサイズ)のレビューは2021年発売のカメラマンリターンズ#2にも掲載されています。個人的にお気に入りの1本なので、今回Xマウント対応としてくれたことを心から歓迎している。

タムロン 150-500mmF/5-6.7 Di Ⅲ VC VXD Xマウント 主な仕様

●焦点距離:35mm判換算225-750mm相当
●最短撮影距離:0.6m(W)/1.8m(T)
●最大撮影倍率:1:3.1(W)/1:3.7(T)
●レンズ構成:16群25枚
●最小絞り:F22-32
●絞り羽枚数:7枚
●フィルターサイズ:82mm
●大きさ・重さ:φ93×209.9mm・1710g・三脚座155g
●付属品:フード 三脚座

フルサイズ対応をそのままAPS-Cに…これって贅沢なの??

テレ端の500mmで金網越しのワラビーをパチリ。毛の再現性がスゴイ。X-H1であっても500mmで1/100秒がかなりの歩留まりで撮れますが、体調万全(疲れていない)ってのと気合と連写は必要かも。
■X-H1 プログラムAE(F6.7 1/100秒) WB:オート ISO1600 フィルムシミュレーション::PROVIA/スタンダード

35ミリ判換算225~750mm相当の画角をカバーするこのレンズは、超望遠ズームとしては比較的コンパクト。DSLR時代の70-200mmF2.8やミラーレス時代の100-400mmとほぼ同等のサイズ感の長さ約210mmに収まっている。ギリギリカメラバッグに収まるサイズ感でテレ端500mmを実現しているところはお見事だ。重量については三脚座込みでの重量が約1.9kgと中々の体躯ではありますが。

フルサイズのイメージサークルに対応するレンズなので、APS-CのXシリーズで使うには若干もったいないというか、無駄をしている気持ちにもなるが、視点を変えれば「余裕がある」ということでもある。

鏡筒は高級感があり剛性も十分。ズームが伸びている状態でレンズ先端に荷重を加えてもガタツキはないし、三脚座も含めて華奢な印象は皆無。フード先端がラバーで覆われているので、フードを下にして置いた際の安定感も抜群だ。超望遠クラスのレンズでなくともフード先端はラバーで覆って欲しい。任意のズーム位置でロックできるフレックスズームロックはやはり便利だ。

XF100-400mmより写りは良いと思います。まぁ、こちらはちょっと暗くて重いけれども。
X-H1との組み合わせだと「AFは実用的」っていう表現に。遅くはないけど速くもないです。X-H2系だと、トラブルさえなければ「快適」に片足を突っ込んでいるくらいの実力がありました。
■X-H1 プログラムAE(F6.7 1/200秒) マイナス0.7露出補正 WB:オート ISO400 フィルムシミュレーション::PROVIA/スタンダード

フットワークの良い超望遠ズームは貴重な存在

ワイド端でビルの外壁をパチリ。メチャクチャ解像感が高くて気持ち良い描写に思わずニンマリ。フルサイズ用のレンズなので、正直に言えばXシリーズにはデカイよね。
■X-H1 プログラムAE(F6.3 1/200秒) マイナス0.3露出補正 WB:オート ISO400 フィルムシミュレーション:クラシッククローム

ちょうど手元にX-H2(製品ファームではない)があったタイミングだったので、ついでにX-H2との相性をチェック…と思っていたのだが、テレ側でAFできたりできなかったり…。動作が不安定だったので、最終的にはX-H1で撮りました。このレンズに限らず、発売前だとこういう事が時々あるものです。

X-H1との組み合わせだとAF速度は可もなく不可もなくという感じで、比較対象としては不適当だけど、AFレスポンスに関してはXF70-300mmの方が上。まあ、純正だからね。と同時に、ソニーマウント版だとボディのAF性能が高いこともあって不満はなかったけど、X-H1世代だと満足とはいかないかも? とも思いました。サーキットで撮るモータースポーツなら問題なさそうだけど、バスケットみたいな距離が近くて動きの激しいスポーツだと難しいかも知れない。少なくともX-H2SとXF150-600mmの組み合わせよりもAFは遅いです。

とはいえ、「ギリギリ持ち歩けるサイズの超望遠ズーム」という点ではこのレンズの魅力が光ります。ボディとセットで2.5kg未満、三脚座をお家に留守番させれば、さらにフットワーク良く撮影できそうです。
本レンズの特徴のひとつでもある接写性の高さはXマウント版でも健在。ワイド側で0.6m(レンズ先端からは40cmくらい)まで寄れ、この時の倍率は約0.48倍(実倍率は0.32倍、APS-Cなのでx1.5です)とほぼハーフマクロの領域まで撮れるのが痛快そのもの。テレ側では撮影距離は伸びるけれど、倍率は0.4倍程度(実倍率0.27倍)で推移するので、構図を決めるのはやりやすいと思いました。

近接性が高いのでスナップでもフットワークが軽いのが非常に良い。撮影距離を問わず安定した結像性能だし、周辺までビシッと写るのでキモチイイです。
■X-H1 プログラムAE(F8 1/200秒) プラス0.3露出補正 WB:オート ISO1600 フィルムシミュレーション:クラシッククローム

描写は全域で良好。ええ、欲しいですとも!

X-H1には動物AFみたいな気の利いた被写体認識AFは搭載されてませんので、人力でAF枠を重ねてAFさせてますが、ピント精度はどのコマも良かった。明暗比の大きなシーンでも輪郭が滲むことなくお見事な写り。
■X-H1 プログラムAE(F6.7 1/240秒) プラス3.0露出補正 WB:オート ISO1600 フィルムシミュレーション:クラシッククローム

X-H1との組み合わせでも手ブレ補正の具合は良好で、テレ端で1/160秒程度であれば、なんの問題もなく撮影できました。テレ端は750mm相当であることに恐れをなして、それよりも遅いシャッター速度は選択しなかったが、効率的な撮影かどうか? は別問題として、補正効果的にはまだ余裕があるように思えた。

Xマウント版だけの機能として、ピントの送り出し量を変えられる「MF SPEEDスイッチ」が備わった。通常は1で、2にセットすると微動になる。マクロ撮影時のようなシビアなピント合わせでは2は有効だと思ったが、ちょっと微動過ぎるように感じたので、正直、もう少しピントの移動量を大きくしても良いのでは? と思った。

描写そのものはご覧の通り申し分なし。どのズーム位置、撮影距離であってもクリアでキレの良い描写が楽しめた。至近端でもその印象は変わらないので「この条件なら少し絞っておくか」といった保険は打たなくても良い。
逆光にもすこぶる付きで強く、近接性の高さなど含めて撮影領域や行動半径を広げてくれるので、「欲しい」と相変わらず思わせてくれるレンズでしたね。

超望遠レンズは、光景を「切り取る」という感覚が強く、撮影していてとても楽しい。カタチの面白さを抽出するのに向いているレンズだな、という感覚があります。
■X-H1 プログラムAE(F8.0 1/300秒) WB:オート ISO1250 フィルムシミュレーション:クラシッククローム