トキナー SZ 33mm F1.2 主な仕様
●焦点距離:33mm(35ミリ版換算=約50mm)
●最短撮影距離:0.5m
●最大撮影倍率:1:13
●レンズ構成:7群9枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:11枚
●フィルターサイズ:62mm
●大きさ・重さ:φ87.5×71mm・605g(フジX)
●付属品:フード(金属製ねじ込み式)
トキナーの新展開、SZシリーズ。
SZシリーズにはその第一弾としてSZ500mmF8という手のひらサイズの超望遠レフレックスレンズが2022年2月末に、5月にはSZ8mmF2.8 FISH-EYEが発売されている…のだけれど、その途中にはSZX 400mm F8っていうレフレックスレンズも登場していて、ブランディングがちょっと分かりにくいと思っています。
さらに言えば、トキナーには過去にもSZ-Xのラインナップがあって、記憶が正しければSYSTEM ZOOM Xシリーズでコスパの高いズームレンズを発売していたよね…。
話を戻すと、本レンズはEマウントとXマウントに対応しています。フルマニュアルで絞りリングはクリックレス。金属製のねじ込みフードは逆付けも可能だけど、ねじ込みフードは、フツー逆付けしないのでは?
高級感アリも、絞りとピントリングのローレットが同じなので…。
手に持ってみるとズシリと来る約600gの立派な感じ。鏡筒の工作精度も高そうで「良いレンズ感」があります。実際ピントリングの操作フィールはネットリとしていて良い感じ。
25℃と30℃と35℃(炎天下)でそれぞれ操作フィールを試してみたところ、外気温が25℃だと少し重めの操作トルクを要求する感じで、30℃だとちょうど良い感じ。平均気温で考えると、しばらく手で持っていると25~30℃程度にはなると思うので、程よく上質な感じがしました。ちなみに炎天下の35℃だとワリと軽いです。
絞りリングとの操作感の差が少ないので、撮影に熱中していると間違えてピントリングを操作してしまうというシーンが何度もありました。クリックレスのレンズでも通信可能なタイプだと絞り値表示が動くからすぐ気付けますが、本レンズのように通信出来ないタイプだと全然分かりません。
加えて33mmくらいだと絞り込みでピント深度が深く見えるから、ピント操作した気分になっちゃうのよね。しかもローレットの幅はどちらも13mmでローレットのパターンは近似しているので、ブラインドタッチだと正直分からない。プレスリリースには「動画対応」とか「シネマレンズのエッセンス」という言葉が踊っていますが、ちょっと無理矢理感があると思いました。
味わいはオールドレンズも、絞り開放からしっかり性能は出てる!
実写してみた感じは結構面白くて撮影が捗りました。まず開放からちゃんとシャープでピント合わせもラクラク。安価が売りの方の中華レンズとは一線を画する光学性能だけど、味わいもあるのでピント合わせとか絞りの操作が楽しいです。
対角線方向の画面外に光源があると簡単にフレアが出るんだけど、少し絞ればスッと消えるし、直射にはワリと強いので「そういう味付け」だと思われます。この辺りが多分シネマレンズのエッセンスというやつなんだろうね。
ミラーレス機ではファインダー光学系で発生するフレアとは違う、リアルなフレアを確認出来るので光線を読んで撮るのが楽しいね。オールドレンズのような味わいだけど、絞り開放からしっかり性能は出てるし、描写のバランス感覚に優れたレンズという印象でした。
なんだかんだ言いながらも気に入ってます!
撮影中は上述したピントリングと絞りリングの操作間違いが頻発して「何だコイツ」とまぁまぁの頻度で思ってましたが、帰宅してPCで画像チェックしてみると写真が上手くなったような気がして気分が良いので「操作に慣れれば常用しちゃうかも?」と手のひらを返すくらいには欲しくなっています。
が…、正直に言えばこの感じどこかで使ったことあるんだよね。一体どのレンズなんだろう?? と暫く悶々としながら本稿に取り掛かってましたが、最後の最後で思い出せましたよ。
これって某社の32mmF1.1じゃね? 細かな差異はあるけど、ピントリングと絞りリングの回転方向は同一だしレンズや絞り羽根の構成も同じ。画角表記はどちらも48°。絞りの範囲と最短撮影距離に差異はあるけど全体的に仕様が近い。
何と言っても写りの特徴がクリソツ。ダメ押しなのが、黒のアルマイト仕上げのマウント部なんだけど、断定はしませんぜ。でも、とっても気に入ってますよー。