◆SONY 1インチセンサーをスマホに搭載!!

編集部:実際に1インチセンサーが入ってることは入っているけど、微妙に使われ方が違うんだよ、と。となると写りもRX100(M7)とは違うってこと?
豊田(慶記):同じセンサーでも使ってる面積が違うから写りは違ってくると思います。
編集部:なるほど。
山田(久美夫):でも技術開発的に言えば1粒で二度おいしいわけだから。カメラ作ったらスマートフォンにもそれが展開できる。
豊田:パソコンとかだとCPUであるじゃないですか。1コア殺してるエントリーモデルと16コア全部使えるハイエンドモデルみたいな…。
編集部:B級品を集めたってこと?
豊田:その露骨な言い方はよくないと思います(笑)。まあ、B級品でもA級品として使える部分もあるということになりますが…。いずれにせよ有効活用ですよ。SDGs。
編集部:なんか身も蓋もない。
豊田:いやいや、捨てるよりいいと思いますよ。
山田:そういう意味で1インチセンサーは面積が小さい分、有効活用できるものがいっぱいあるはずなんだよ。大きいセンサーに比べれば影響は少ないはずだから。
編集部:跳ねられた1インチセンサーを使ってるのねー、みたいな。
阿部(秀之):いや、それはダメ。その言い方は良くないなぁ(笑)
編集部:だって(カメラ用で)跳ねられたところでスマホではフツーに使える、ってことでしょ?
阿部:それ、営業妨害になりそうだからやめておこう。
豊田:表現が難しいです。ということでSDGs。
編集部:大声では言わないけど有効利用(笑)
阿部:そもそもが切り出しているんだから、どこを使うかなんて自由なんです。何も捨てず、すべていいところだけ使っているなら、それはそれでいいことだから。それこそセンサー作ってるメーカーのメリットですよね。なんか1回切っちゃったやつの真ん中だけを使ってますよ、みたいな言い方になっているけど、そんなの想像でしかないから。昔から革だってガラスだって無駄を出さないように工夫してんのよ。それと同じ。決して悪いことじゃない。センサーメーカーとしてセンサーを有効に使ってる。それだけ。
編集部:モッタイナイ、みたいな。
豊田:エコですよ。
阿部:そう、エコだし。
豊田:おそらくそれで製品全体の価格も下げることができるんじゃないですか。
阿部:当然価格に反映しているはずです。
豊田:ユーザーメリットもあると。企業も利益が増えるし、環境にも優しい。みんなにっこりですよ。
編集部:惜しむらくは1インチ(センサー)を使ってますよとか大々的に言わないほうが良かったかなっていう。
豊田:売り方が気に食わねーっていう(笑)
阿部:ウィンウィンの関係ならそれでいいじゃない(笑)

◆Nikon 新型センサー搭載モデルは秋までズレ込む?

編集部:じゃあ、この先出るZはもうメカシャッターはなくなるの?
山田(久美夫):そんな急にはいかないだろうね。センサーが遅ければダメなんだから。
阿部(秀之):下位機種ではメカシャッターを入れざるを得ないよね。
編集部:それだけ特別なセンサーを積んでるっていうことなんだ。
山田:もしかしたらZ 6とかZ 7クラスは次の世代のセンサーを積んでくる可能性はある。そうなるとメカシャッターはなくなるかもしれない。
阿部:だね。
山田:そうなるとエンジンが共用できる。これはもう、とっても楽しい世界になるかもね。
阿部:でもニコンばっかりじゃなくて、他のメーカーもみんなそれ見てるので。こう考えるとミラーレスの伸びしろってすげーなっていう感じです。
山田:今回の座談会で何度も出てきたように、フジとパナソニックは来年春にすげーのを出すぜ、ってもう暗に言ってるじゃない。あれってセンサーが変わるとしか思えないから。来年はセンサーが変わる年になるのかなあ。春かどうかは分からないけど…。
豊田(慶記):CP+には間に合わないような気がしますけどね。
山田:うん。来年春には間に合わないかな。
阿部:今は半導体の供給とかもあって、トータルで遅れちゃってると思うんで。来年春って言ってるやつは秋くらいじゃない?
山田:これ以上は言えないけど、CP+の出展に関してもけっこう二転三転しているらしい。予定通り春にお披露目したいところもあれば、春は見送って秋に注力したい会社とか…いろいろ。