フルサイズ換算でキッカリ50mm!ま、文句は出ませんな。
画角も何だかちょっと長いし、そのワリに距離感は35mmだし。そんな感じの老害の横暴みたいな理由で「標準が35mmだ?フザケてんじゃねーぞ」と情熱の炉に薪を焚べておりましたが、40歳を越えてその情熱の火力が弱まってきたタイミング(当社比)で登場したのが今回の33mm。コイツはフルサイズ換算でキッカリ50mmのようで、実際35mmよりもスンナリというか不思議とシックリ来ました。
経験を重ねておおらかになったのか、感覚が衰えたのかは分かりませんが、EVFを覗いたファーストインプレッションは上々です。
比較レビューも出てきてるので、今回直接の比較はナシ。新旧比較が気になる人はソチラ(ええ、家電批評ですよ!)を御覧下さいね。
XF35mmF1.4Rユーザーから新33mmはどんな感じ?ってスタンスで行きます。やっぱりねー、XF33mmはAFが抜群に良い。XF35mmがジーコジーコって感じなのに対して、XF33mmはスッスッスッてな具合で速度とレスポンスが素敵。
正直コレを体験しちゃうとコロッと逝っちゃいそうだし、今後自分のXF35mmF1.4を継続して愛でることが出来るのか不安になるくらいには快適さの違いがあります。このAF性能であれば、たとえばα7 Ⅱやニコン辺りのフルサイズミラーレスからXシリーズに浮気しても不満を感じないと思います。
でもX-Pro2とかに組み合わせるなら従来レンズのトボけた感じの方が合うような気もします。個人的には外観が「ちょっとねー」と。前玉が凹レンズなのよね。やっぱねー、前玉は凸レンズの方が見目麗しいと思うのよ。あとIFってのもね。いわゆる標準レンズは前群繰り出しのが好きなのよね。そういうワガママな人には従来型を、ってことなのだろうね。
光学性能を追求した新機軸?
写りはXF18mmF1.4Rみたいな系統で、最近のレンズにありがちなクリアで絞り開放から高性能系。お世辞抜きでケチのつけようもありませんでした。至近でもキレが良いし、絞りでそれほど写りが変わる系でも無い。いわゆる優れた描写性能ってヤツだね。
写りの雰囲気がZ50mmF1.8Sに似てるかな?という気がしなくもないです。とにかくスキがないので、隙だらけな写りに性癖が偏ってしまった人には向かないかも知れませんね。XF35mm比べるならコンセプトがまるで違う感じ。勝手な妄想だけど、XF35mmとは異なる方向性にすることで、どちらの領域も侵さない。新レンズは従来型の上位互換ではないので「買い替え」って感じでもないと思いました。
たぶん35mmユーザーが33mmを手に入れて、暫くは「33mmスゲー!!」ってなると思います。半年くらいすると35mmがふと恋しくなるんじゃないかな??ウッカリ35mmから買い替えてしまった場合、禁断症状によって朦朧とした意識のままコシナのNokton35mmF1.2や中華レンズを入手する事になる危険性が極めて高そうである、と具申しておきます。
ま、仕事で使うならXF33mmは最高だね。AFは静粛&マッハで抜群。描写は超優等生で自然な画角もマーベラス。って感じで頼もしい信頼感があります。ただね、ものすげー良いレンズなのだけど、数あるシステムからわざわざXシリーズを選ぶ猛者達が、果たしてこういった高性能なレンズを尊ぶのか?と言われるとちょっぴり疑問が生じてしまうワケであります。
少し歌舞いてるラインナップに彗星の如くド正論がやってきた、みたいなちょっと冷静になってしまう感じです。言い訳みたいになっちゃって嫌なんだけど、メチャクチャ良い。試用中も感心しっぱなし。PCで写真みてニンマリ。だけど、心のどこかが冷静なのよ。