XF35mmF1.4Rと撮り比べをしてみました。言わずと知れた人気レンズだけど、ここ数年の価格上昇を見ていると、そろそろプライスタグには相応しくないんじゃねーの? とも正直思っちゃいます。というかコシナとほぼ同価格帯だからね。

一部では「神レンズ」とも言われている純正ですが…。

XF35mmF1.4Rはデジタル世代としては古参のレンズ。2012年2月発売なので、あと半年で満10歳のロングセラーだけど、抜き足差し足忍び足の値上げ。こういう電子化の著しいレンズは電子部品の供給の都合等でコストが上がっているのだろうと推測しています。

というのも、電子部品ってすぐ世代交代するからね。世代遅れの部品なんてのは安定した需要でも無い限りは高コスト化が避けられないのだろうと、製造に関しては素人ですが思っています。なのでXF27mmみたいにマイナーチェンジして近代化して欲しいレンズの1つそう考えてみると一眼レフ用のレンズって価格安定してるから凄いよね。

実写比較でぇーす。

●元画像

中距離F1.4。拡大するとドコ見ても性格の違いがあります。中央右手のモニュメント(?)で解像感と背景の点光源のボケ感。中央左手のモニュメントの左下側で収差やフリンジの具合。

まず写りの比較してみるとXF35mmF1.4Rってかなりシャープというか収差が少なくて高性能ということが分かります。開放近辺で遊んでいると「ホワホワだな」という印象が強かったけれど、コシナと比べると実はカリカリ。

いろいろな条件で観察してみれば、XF35mmF1.4Rはかなり緻密に性格を考えられたレンズだと思うに至りました。クリアでシャープってところを見ても高性能寄りではあるけれど、絞りで遊べる性格も持たせているんだなってね。分かり易いし、同時に高性能でもあるっていうと褒めすぎかな。登場時くらいの価格を維持出来ていれば手放しでオススメなんだけど…。

●元画像

至近側F1.8での比較。着目点は中央部の花と右下の草の収差ですが、ここは微妙だなぁ。

で、豊田の好みで言えば、味わいの部分でコシナかな。確かにコシナはハイライト部分にフリンジが出やすかったり、絞り開放だと点光源ボケがそこまでキレイじゃない時があります。そういうクセはあるんだけど、実際に撮っていてそういうトコロがあまり気になりません。アクがエグみになってない感じよ。

対するXF35mmF1.4Rは、ミラーレス世代のレンズの中では柔らかい部分もあるけど、コシナと比べるとちょっと淡白。微差といえば微差だけど、そういう細かいところで語りたいのが趣味だと思うの。

MFの感触について、断然コシナだな。メカとバイワイヤの違いってのもあるけど、コシナはリニアにピントのコントロールができますが、フジは操作に対してステップで反応する感じ。この部分の違いがMFのしやすさにも繋がっています。

もちろん便利さではMF中であってもボタン一発でAFできるフジが圧倒的に素敵。
最後にコシナで気になったところ。ピントリング操作が少し窮屈。咄嗟に操作しようとすると絞りリングに指が当たって動いちゃうことが結構ありました。コンパクトサイズでピントリングが細いこともあるので、まぁ仕方がないのかな、とは思っていますが。