ニコンZにマクロが仲間入り。永遠のライバルことキヤノンよりも一歩早い市場投入ではあるけれど、敵将は等倍超え&収差コントロールという2つの必殺技で「ミラーレスだからできることをやったのね。最近のキヤノン様ってステキ…」ってのが正直な気持ち。だってさー、ニコン陣営は相変わらず光学性能のド直球のみなんだもん。

フードの安っぽさがちょっと残念。

ちょっと太めなサイズだけど持ちやすいし、サイズから想像するより軽くてGood。
マクロレンズでもっとも大切な、MF時のピント駆動の感じはベリーグッドね。こういうところはニコンだね。従来レンズ(Fマウントのヤツね)より操作性と感触が改善されています。

フードは相変わらずイマイチというかあと一歩の感。剛性は必要十分だと思うけど、どことなく華奢というか、安っぽい感じかな。光学にお金を掛け過ぎて他がオザナリというか。個人的にはフード先端にはゴム巻いて欲しいよね。

ロックボタンも惜しい感じ。あと少し操作し易いと良いのだけどね。コントロールリングも個人的にイマイチなところ。細いし夏場のベタつくオジサンの指先とは仲良くなれない様子です。

おい、光学性能がハンパねーっす!

普段こういう撮り方しないけど、やりたくなっちゃいました。50mmでも試してみたけど近付き過ぎるのとAFがアレなもんで、こういう撮り方なら105mmが良いね。
■絞り優先AE(F4.2 1/500秒) プラス1.3露出補正 ISO400 ■撮影共通データ ニコン Z 7Ⅱ

で、撮ってみたら「悔しいけど欲しい」という結論に。やたらシャープなのにギラついていないし、キレイなボケにウットリ。思わず「美しい」という言葉が漏れそう。いや漏れたね。この感動が1コマ目からやってくるから困りますよ、ニコンさん。フードの安っぽさとか吹き飛びました。

ちなみにLVを見てても十分キレイだなーって思ったけど、撮影画像を背面LCDでチェックしてみると「おぅふ!」となります。お家のPCでチェックしてると何時間でも鑑賞していられそう。

噴水から吹き上げられた水が着水する部分にクローズアップ。Zレンズのクリアな描写とマッチするだろうとは思っていたけど想像以上でしたぜ。
■絞り優先AE(F4.5 1/1600秒) プラス1.0露出補正 ISO800

良く分からないけど葉っぱの裏。絞るか悩んで開け気味にしてパチリ。シャープさと柔らかさが両立した写りに悶絶です。
■絞り優先AE(F5.6 1/200秒) プラス2.3露出補正 ISO320

軽いチェック撮影ですら危うくニコンに永遠の誓いを立てるところだったので、フィールドでは心に鬼を宿して「これならフリンジ出るだろ」という信頼と実績の超意地悪シーンで拷問してみましたが、結果は全敗。本当にこのレンズは狂ってる…。

これはね、Z50mmF1.2Sと同じくらいの感動があると思いました。冒頭で光学性能のド直球と評しましたが、超剛速球だったということです。
総じて、このレンズが15万しないんなら間違いなくリーズナブル。写真が上手くなったように感じちゃう系で、かくいう筆者も「お?写真上手くなったんじゃね?」ってナチュラルに思っちゃっいましたよ。

新旧比較ぅ!

左がZですら。

中心部を等倍で。絞り開放の方が差は大きいのだけれども、絞り込んでもなお、その差が分かるってのは相当凄いのでは? Fレンズでも十分以上に良いけど、Zは半端ないね。
■絞り優先AE(F8.0 1/500秒) マイナス0.3露出補正 ISO500

Fマウントのマイクロ105mmVR(以後Fレンズ)というライバルがすでに存在します。コイツも写りは一級品ですよ。でもZとの相性は劣悪、というかFTZ(マウントアダプター)が諸悪の根源。「マジで誰もこの形状に疑問を感じなかったのかな?」という逸品です。

そんなネガティブイメージを引きずりつつの画像比較ですから、勝負は決まったも同然。てか、そもそも次元が違います。比べるとFレンズは、どうしてもシャープさとか色の滲みとかそういう些細な事が気になってくるんですよ。念の為、繰り返し記述しますがFレンズも良いのよ。みんな使ってるし。

実はこのZマクロを体験する前は「多少使い難いとしても、よもや買い換えるほどじゃねーだろ。実絞りで2段も絞れば見分けなんて出来るハズも無いだろうし」と思っていました。が、実際には絞りが開いてようが絞り込んでいようが、描写の違いがわかっちゃいます。ここにきて、ニコンの光学性能の実力がジワジワとキてますね。相変わらずデザインはダメダメだけど。