パナソニックが、青山2丁目(東京都港区)に新しい拠点をオープン。先週末のカメラ&写真家関連のSNSはその情報で大賑わいだったようですが、大切なのはスピードではなく持続なんです。続報なんです。つまり絶やさぬこと…。

青山の思ひ出 ①

場所はですねー、ホンダ・ウエルカムプラザから青山通りを外苑方面へ3分くらい歩いたとこ。ほぼほぼ外苑の入り口ですね。「ウエルカムプラザ」ってのは、本田技研の本社があるビルで、今はどうか知りませんが、私が「ホリデーオート」というクルマ雑誌の編集部にいた当時は、このビルの地下からいわゆる「広報車両」をお借りしていました。

でね、その当時、1990年ですね。まだ発売前のホンダNSX(初代)=世界に1台しかない=他誌のどこもまだ取材していない=絶対に傷付けてはならない=を、プロレーシングドライバーが待つ東京駅まで運ぶという仕事を仰せつかりました。んもう、ドキドキでしたね。クルマの運転、まったく自信なかったから。で、そのNSXを運び出す際に先方から言われたの…。

「車高が低いので、このまま地下から坂を上がると下をコスります。ですからバックで一気に駆け上がってください」…クルマ雑誌の編集者なんだから、それくらいできるっしょ、みたいな物言い。マニュアル車で、しかもデビルマンみたいな形で、アクセル踏むとブイブイうるせー世界に1台きりの超貴重マシン。それをバックで急坂を上る…。記憶がアイマイですが、たぶんホンダの広報に泣きついて誰かに運転を代わってもらったような気がします。でもって東京駅に向かうまで、それはそれはものすごい視線を浴びまして…エンストだけは避けようと必死でした。

青山の思ひ出 ②

あー、また思い出しました。1988年、昭和天皇崩御のまさにその日です。二輪雑誌「オートバイ」の編集部にいた私は、当時流行っていたレーサーレプリカ=NSR250Rとかそんなのを「押す」という仕事を命じられました。「押す」というのは、エンジンがかからないハリボテのバイクにレーシングスーツ&フルフェイスヘルのライダーが跨り、人力で押し出して離した瞬間を流し撮り…いかにも実走行したかのような「画」で誌面上でハッタリをかます、というインチキです。

その場には私、当時の上司である副編集長、ライダー、カメラマンそしてホンダ2輪広報の5人がいたのですが、ウエルカムプラザの正面玄関にはそれっぽい黒塗りのセダンがバンバン乗り付け、喪服姿の人が出たり入ったり。で、その奥で「押し」ていたんですね。ホンダ2輪広報氏がタタタッとか見まわってきて「今、大丈夫っす」とか「あ、専務です、専務。やばいのでしばらく中断してください」とか…。歴史的な日だけによく覚えていますね。

まずは一度、立ち寄ってみてねー。

というワケで、LUMIX BASE TOKYOの紹介がナゼにこんなことになってしまったのか? それは、まあ、取材用に持参したレンズがマイクロフォーサーズの30mmマクロ1本だったからなんですね。もう引きがないったら! あはは。
「クリエーターのためのオープンスペース」ではありますが、「ヒマはお年寄りもウエルカム」だそうな。この先の紅葉シーズンにはきっと盛り上がりそうです。