シグマはミラーレス専用でフルサイズ対応のレンズ「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO」を発表。このレンズは同社の「Artライン」としてラインナップされる。発売は2020年10月23日(金)で、国内での希望小売価格は税別9万5000円。マウントはLマウント用、ソニーEマウント用の2種類。

シグマの山木和人社長は9月30日(水)21時(日本時間)から行われた「オンライン新製品プレゼンテーション」で本レンズについて概要以下のように語った。

「前年の同時期(4月から6月にかけて)と比べて、新型コロナウイルスの影響だと思うが、身近なものを撮影したいというユーザーが増えたことから105mm F2.8 EX DG OS HSM MACROはアメリカでは174.8%、ドイツでは206.4%と売上げが伸びている。マクロの魅力を再認識されたことだと思う。

そして、本レンズは4つのこだわりを持って作った。
1つめはマクロしての最高レベルの光学性能。
2つめは前ボケ、後ボケの美しさの追求。ボケ像の円形にもこだわった。
3つめは安定感の高い構造で、いかなる姿勢でも性能を維持。本レンズは非常に難しい内部構造ではあるが、弊社会津工場の製造スタッフが挑戦し、性能の実現のために尽力してくれた。
4つはフォーカス移動量を十分に確保し、ピントの微調整を可能にしたことだ。より確実に真円度を確保するために専用の金属加工ツールを用意して実現した。

マクロレンズに必要なものとは何かを社内で議論して、ハードルを上げた。いろんな要素を高い次元でバランスを取り、凡庸なレンズにしないために以下の2つの点は見送った。
1.OS(手ブレ補正機能)は非搭載。
2.AF速度。爆速ではない。実際に店頭で確認して頂きたい。

作例画像(※以下スペシャルサイトのURL参照)をご覧頂いてもおわかりのとおり、プロ、ハイアマのご期待に応える1本に仕上がっていると思う。今、コロナ禍の中、このレンズでご自分の身近なものを撮影する楽しみをぜひ味わって頂きたい」。

本レンズはミラーレス専用「Arライン」初のマクロレンズ。高い光学性能はもちろんのこと、レンズボディの上質で精度の高い仕上がりクオリティはシグマらしさを感じさせる。花や昆虫などのマクロ撮影はもちろんのこと、ポートレートなど幅広い使い方が期待できるレンズだ。

最新の光学設計により、マクロ撮影時の至近距離での性能はもちろん、無限遠に至るまですべての撮影距離で高いシャープネスを保つ。最新のLマウント専用コンバーターTC-1411(1.4倍)、TC-2011(2.0倍)を使用すればワーキングディスタンスはそのままに高倍率のマクロ撮影もできる。

シグマの「Artライン」は光学性能最優先が設計コンセプトで、高解像、コマ収差の補正、高い逆光性能を持つ。また本レンズは最近のミラーレスでは標準化している「顔/瞳優先AF」への最適化に加えて、フォーカス駆動にはHSM(超音波モーター)を採用し、高精度で静粛なAFを実現している。

▲中央部は絞りリングロックスイッチ。

レンズボディにはマクロ撮影時に重宝するフォーカスリミッター機能や、任意の機能が割り当てられるAFLボタンを搭載。また絞りリングにはマクロ撮影で操作音が気になるクリックのON/OFF切り替えスイッチも備える。

▲上からフォーカスモード切換えスイッチ、AFLボタン、フォーカスリミッタースイッチ、絞りリングクリックスイッチ。ユーザーの撮影スタイルに合わせて自由にカスタマイズが可能だ。

さらに防塵防滴機構や撥水防汚コートが施され、各種リングやスイッチの耐久性や操作感にもこだわりを持って高いビルドクオリティを誇る。過酷な環境でも期待を裏切らない描写性能と信頼性を有すプロ仕様のレンズに仕上がっている。

▲レンズ構成は12群17枚。ブルーはSLD(Special Low Dispersion:特殊低分散)レンズ。

▲世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」シグマfpに装着した状態。

▲ソニーEマウントボディに装着した状態。

主な仕様

●レンズ構成:12群17枚(SLD1枚)
●画角:23.3°
●絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
●最小絞り:F22
●最短撮影距離:29.5cm
●最大倍率:1:1
●フィルターサイズ:Φ62mm
●最大径×長さ:Φ74mm×133.6mm
●重さ:715g

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