自宅や近所の花を撮影して楽しもう!
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も解除へ向かうことを望むが、まだ全国で全面解禁とならない場合は家でも撮れる被写体で写真を楽しみたい。なかでも一番手軽に楽しめるのは、自宅の庭や近所の道端などで楽しめる「花の写真」だ。これなら、庭先での撮影でも、想像以上にきれいで魅力的撮影が楽しめる。感覚的には、お花をポートレート感覚で撮ると思えば、イメージしやすいだろう。
被写体は、自生の草花でもいいし、花屋さんで売っている小さな鉢植えでもいい。鉢植えなら、好きな花を2-3種類買っておけば、しばらく楽しめる。家で撮ることの最大のメリットは、天候やライティングが自由になること。雨の日の水滴を狙うのもいいし、ソフトな光で柔らかなトーンで撮るのもいい。
また、鉢植えなら、いい光やいい背景のところに移動させて撮ることもできるので、より自由度の高い撮影が楽しめる。むしろ、光や背景のいい場所を探し、そこに花を置くくらいの気持ちで撮るといいかもしれない。
撮影機材だが、基本的にマクロ中心の撮影になる。大きめの花なら、普通のレンズでも楽しめるが、小さめの花を狙うなら、マクロレンズを用意したいところ。等倍撮影までカバーできれば、大抵のシーンは撮影できる。
より手軽に楽しむなら、クローズアップレンズや接写リング、リバースリングといった、手頃なマクロ用アクセサリーを手持ちのレンズと併用するのがオススメだ。もちろん、普通に撮ると、図鑑的な感じになりがちなので、そこはひと工夫したいところ。
とくに、標準系の明るめの単焦点レンズと、これらのアクセサリーを組み合わせると、切れ味の鋭いマクロレンズとはひと味違う作品を楽しめる。そして絞り開放で撮ると、極端に浅い被写界深度と、レンズの収差によりソフトで雰囲気のある作品を楽しめるので、ぜひチャレンジしたい。
撮影・解説:山田久美夫
写真家。1961年横浜生まれ。高校時代の1978年に初の個展を開催。1979年よりフリーのフォトグラファーとなる。1983年よりカメラ専門誌に執筆開始。数々の雑誌やウェブ等で、カメラやレンズについて執筆。1999年より「DigitalCamera.jp」を運営。写真集「Natural」(1994年)、「ツァイスのふるさとを訪ねて」(1996年)、「ドイツ・ 色と光」(2000年)、「東寺の四季」(2016年)を出版。作品展「Natural」(1994年)、「神戸・色と光」(1995年)、「Flower Portrait」(2014年)、「東寺の四季」(2016年)、「ヨコハマの星空」(2017年) など、これまで国内外で40回以上の個展を開催。デジタルカメラグランプリ審査委員長。カメラグランプリ2017特別選考委員。