日本の鉄道はJR線だけでおよそ2 万km に及ぶ。国内の列車が素晴らしい景色の中を日々駆け抜ける様は「珠玉の絶景」の宝庫といえる。ここでは「見たことがない撮影地」や「写真で見たことはあるが、行き方がわからない撮影地」を中心に厳選した。今回は西日本編。この記事の詳細については弊社刊ムック「鉄道写真の奥義」をご参照ください。
■文・写真/杉山 慧
■文・写真/杉山 慧
弊社刊ムック「鉄道写真の奥義」好評発売中!
呉線(三原~須波)
須波駅を出発した直後の三原方面行きを狙う。海の向こうに小佐木島や佐木島が浮かぶ。走る車両は従前の国鉄型車両に代わって、2019 年春から新型車両227系に統一されている。
作例は2 連のS 編成だが、3 連のA 編成が使用される列車もある。撮影地は筆影山へ上る道路上だ。国道185 号の須波港口交差点を曲がり、呉線をくぐる。あとは道なりに山道を上っていくだけだ。木が伸びつつあるので、脚立をもっていくと良い。車は路上の広いところへ止めよう。
木次線(出雲坂根〜三井野原)
木次線は陰陽を結ぶ路線のひとつだが、スイッチバックとオメガカーブで県境を越えるローカル線である。キハ120 形による普通列車のほか、臨時列車「奥出雲おろち号」が運転されている。
作例は1 日わずか3 往復のみの普通列車のうちの1 本をとらえた。列車は、出雲坂根駅と画面左に見えるシェッドの奥の計2 回、スイッチバックを行いジグザグに峠道を上っていく。出雲坂根駅の前で国道から分岐する道路に入る。この道路を600mほど進むと道幅の広い右カーブに差し掛かる。車はこのあたりに駐車する。カーブの内側にある獣道に入り、ロープを伝って斜面を登れば撮影地だ。
撮影・解説:杉山慧
1992年11月、静岡県出身。幼少期より鉄道に興味を持ち、日本大学芸術学部写真学科卒業後、ネコ・パブリッシングに入社し月刊誌[レイル・マガジン]の編集に携わる。2017年3月、鉄道写真事務所レイルマンフォトオフィスに入社。2018年12月レイルマンフォトオフィスを退社し、フリーの鉄道写真家として独立。独立後は月刊誌[鉄道ジャーナル]での写真撮影や原稿執筆のほか、レンズメーカー「タムロン」主催するに「タムロン鉄道風景Instagramコンテスト 2019」で審査員を務めた。