吉田明広さんの写真展「Resilinece」が東京・渋谷ヒカリエ8F CUBE1.2.3で2月17日(月)~26日(水)開催予定だ。

Resilience(レジリエンス)とは?

今回の写真展のタイトルとなった「Resilience」について吉田さんは語る。

物質や物体に対して外力が加わると変形します。そのときにどれくらいその力を吸収することができるか、また、どれくらいその力を取り除いて元の形に戻ろうとすることができるか、つまり物理的な「弾力性」や「復元力」が、物質や物体の持つ「レジリエンス」と言われます。

近年では、レジリエンスは自然や動物の生態環境学や、人間の社会環境システム、そして心理学でも使われる言葉となりました。経済的なレジリエンス、都市国家のレジリエンス、そして心理学的レジリエンスなどです。

この心理学的レジリエンスは、90年代のバブル崩壊以降のビジネス社会の中で「成果主義」を前提とした評価方法への移行により多くのストレスを受け、心に歪みを生じる機会というのは増加してきたと言えます。

今回の作品の主題は、リファレンスのない偶発的に生じる弾力性・復元性という物理的なレジリエンスを、心理学的レジリエンスで捕える試みであったと思います。

振り返ると、私がフォトグラファーとして駆け出しの頃に今回の作品の原型となるものが生まれました。フォトグラファー1年生として仕事で悩み、葛藤をし、心理的な歪みを生じていた頃に作品が生まれたのです。つまり心理学的レジリエンスが今回の作品を生み出したと言えると思います。
2020年、ポスト真実時代の視覚的なアプローチを体験出来る9日間をお楽しみください。

吉田明広さんのプロフィール

1980年、東京都生まれ。
2005年、東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。
2005年、アマナグループに入社。
2014年、独立し写真事務所1002を立ち上げる。
2016年、株式会社 1002設立。
広告用の商品撮影を得意とし、化粧品やプロダクト、飲料の撮影を手掛ける。
受賞歴
2004年、Nikon Salon Juna21写真展「記憶の地図」三木淳賞奨励賞を受賞
2011年、交通広告グランプリ駅ポスター部門/優秀作品賞