平成の世との別れのとき。
そのさよならの向こう側に、燻るように、しかしギラギラと輝き続ける昭和が、
確かに私たちを照らしているのを感じる。
失われゆく昭和よ、来たるべき次代を照らす文化とならんことを。
音楽、ファッション、映画などのサブカルを中心にヴィンテージまみれの青春を20年以上ひた走る「おじさん女子」2人組L’amritaが、昭和歌謡の世界を、令和を迎えた日本を舞台に繰り広げます。

連載始まって以来の老舗登場!? ホームベーカリー浜田屋

駅からは徒歩10分…ねえ、これ本当に10分?!
寒さと高低差におののきながら住宅街を進んでいくと、ありました見えました、念願の「ホームベーカリー浜田屋」の看板が!

数日前、今週の金曜日ってお店やってますか?と電話をしてみたら
「いやーなにせ歳だからねえ…」と返しに困るブラックなボケをかまされ乾いた笑しか出せなかった、というロケハン・写真担当まりちゃんの笑えないエピソードトークを聞きつつ、少々不安を感じながらここまで歩いてきた甲斐があったというものです。

店構えを一目見て、夏休みっぽく撮りたい!と全員の意見が一致。本当に凍えるほど寒かったけれど、お日さまみたいなチャメリちゃんの笑顔と笑い声でぱっと場が華やぎます。よし、撮影は順調快調!

お写真を撮らせていただいていたら、お店を切り盛りする穏やかで朗らかなお母さんが横須賀のパン屋さんのことをいろいろ教えてくださいました。
こちらの浜田屋さんも載っている横須賀のパン屋さん本を見せてくださり、ほかのがんばっている老舗のことや若き後継者のお話など、食いしん坊の私は横須賀のパン屋事情に興味津々。お話からはたくさんのパン好きなお客さんが遠方からもやって来るのだな、ということが伺えました。

お店の奥にちーっちゃな紙が貼ってあり、そこにまたちっちゃく「創業84年」と書いてあります。
同じ紙に同じ手で書かれた値札の値段は驚くほど安く、また種類も豊富です。
もう歳だから、お昼頃からぼちぼち作ってやっと今ちょうど並んだところよ、早い時間はあんまり種類がないの…と笑っていらっしゃいました。

顔くらいの大きさの焼きたてメロンパン。焼きたてのサクサク感が見た目から伝わってきます。
そして名物シベリヤ。カステラに挟まれた真ん中はあんこじゃないよ、羊羹だよ。というお母さんの言葉に「へー!」と目を丸くするチャメリちゃん、まりちゃん。ふたりはこの「シベリヤ」初見だそうです。意外です。え、私?うちの母の好物のひとつなんですよネ…