本誌・月刊カメラマン連載「ジャンル別講座 ネイチャー・フラワー」で講師を務め、作品制作はもちろんのこと、各雑誌への寄稿や写真教室の講師など精力的に活躍中の写真家・並木隆さんの連載「写真家になるまで」が「KITTgogo」とのクロス連載により「Webカメラマン」でも開始!
しかし、すべてがそうであるわけもなく、こだわりのあるお店は毎回全部撮り直しっていうスゲー面倒なところもありました。カメラマンからは敬遠されがちで、もっぱら新しく入った人に割り振られることが多かったようです。
オレもわからないうちは引き受けていましたが、そういう面倒なお店がわかるようになってくると、そのお店に行く曜日は他の仕事を入れたり、仲良くなったお店に指名してもらったりして逃げてました(笑)。
また、カメラマンに横柄な態度をとるお店や、車のリストだけ渡されて「あとよろしくー!」って非協力的なお店もたくさんあって、ムカついたときはわざとフロントのノーズが長い(ボンネット部が長い)Z32とかを16mmや20mmといった超広角レンズを使用し、形を歪ませてかっこ悪く撮って仕返ししたりしてました(笑)。
撮影だけなら楽なんですが、その後は車の詳細を記録しなきゃいけないんです。価格や年式、車検の有無や装備などなど。今じゃ全部付いていて当たり前の装備も、当時はグレードによってオプションだったり、設定がそもそもなかったりと、細かな観察力を必要とされました。それを一台一台書き留めてお店の担当者にチェックしてもらって1つの店舗の撮影が終了。
それを三件くらいこなすとすでに夜。そこから飯田橋の事務所までフィルムの現像出しと車の詳細を渡しに行ってやっと終了なんで、自宅に帰るのはいつも夜中でした。今から考えるとよくやってたなーって思いますわ。
でも、そんな仕事もデジタルカメラの登場で雲行きが怪しくなってきたんです。
さらに続く…。