本誌・月刊カメラマン連載「ジャンル別講座 ネイチャー・フラワー」で講師を務め、作品制作はもちろんのこと、各雑誌への寄稿や写真教室の講師など精力的に活躍中の写真家・並木隆さんの連載「写真家になるまで」が「KITTgogo」とのクロス連載により「Webカメラマン」でも開始!

「KITTgogo」って何ですか?

「KITTgogo」とは4人の写真家(諏訪光二さん、並木隆さん、広田泉さん、水谷たかひとさん)が集い「なにか面白いことをやりたいね」から始まった企画です。

「写真家になるまで-1」(前回)はこちらから

そして「写真家になるまで-2」です!

Part1に引き続き、今回は中古車撮影のお話しをしましょう。中古車の物件撮りは、中古車情報誌に載せる中古車をお店に出向いて撮る仕事です。今でも情報誌ってあるのかな? もうWeb掲載が前提になっているんでしょうけど、オレがやっていたカーセンサーは3~4cmもあるような分厚い本が隔週で発刊されていました。仕事の単価は安かったのですが、月に2冊分の仕事量があったのでそこそこいい稼ぎでしたね。

当時は今のようにデジタルカメラで撮影してデータで入稿するのではなく、フィルムでの撮影してのアナログ入稿。カラーページはリバーサルフィルム、モノクロページはモノクロフィルムで撮影し、ベタ焼きから切り抜いてペタペタ貼る…あっ、これはカメラマンの仕事ではありませんけどね。

レンズは28mmが基本。広角すぎると思うかもしれませんが、郊外のお店でない限りかなりぎちぎちに展示されていることが多く、展示したままの車を効率良く撮るにはベストな焦点距離なのです。

とはいえ、撮る前に車の周囲のノボリや飾りを外すのは基本でしたし、お店によってはハンドルを右に切ってから撮影しなきゃいけなかったり。バッテリーが上がっていたりするとハンドル重くて大変。なんだかんだ撮影するまでにやることがいっぱいありました。

そうそう、フロントガラスにある価格ボードも外さなきゃでしたねぇ。これ夏はヤケドするほど熱くて、車内も蒸し風呂状態なので、この時点で汗だくになってました。撮影は新しく掲載する車だけを撮ることがほとんどでしたが、誌面を見ながら前回と同じアングルになるよう揃えたりとそれなりに気を遣うことが多かったです。