第二回は月刊「カメラマン」の「月例フォトコンテスト」の選者であります「熊切大輔」先生に「こういったことに気を付ければもっといい写真になるのでは」といったことを教えてもらいます。アドバイスを参考にして様々なフォトコンテストに応募して写真撮影を楽しみましょう!
第一回目の記事はこちらです。
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17251980

フォトコンテストに参加してみよう

写真が好きで数々の作品を撮り溜めている人や自分の作品を多くの人に見てもらいたいと考えている写真愛好家の人が多いと思います。その想いを実現する絶好の機会がフォトコンテストです。コンテストに出展することで誰かとその写真を共有するきっかけが生まれますし、入選した人の写真を見て新しい世界に興味の幅が広がることもあるでしょう。コンテストに応募することで自分の写真に足りない部分がわかったり、その作品をたくさんの愛好家の人に見てもらう、そんなことも写真の楽しみ方の一つだと思います。コンテストに入賞したり、表彰されたりといったことになればもっと写真が好きになると思います。表彰式などで同じ考えの写真仲間が増えれば写真を撮る楽しみもきっと増えるでしょう。そして、応募するのであれば上位入賞を目指して頑張りましょう!

はじめに

写真はジャンルによってはある程度のセオリーが存在する場合もありますが、撮り方に正解はありません。唯一あるとすれば自分が伝えたいことをどれだけ写真の中に込められるかでしょう。自分が伝えたかった意図がどうすればより伝わるのかを主役である被写体の見せ方で解説していきます。

周囲の要素を大事にしよう!

タイトル:日入り列車

昨今編成写真ではなく、風景やイメージに寄せた表現が多く見受けられます。よりセンスとオリジナリティが問われ面白みの出しやすい表現なのではないでしょうか?本作も印象的な夕景と富士山でしょうか?ダイナミックな背景と暮れゆく光を上手く活かしています。しかしわずかに列車のタイミングが早くもう少し画角の中心によった位置に来ればパーフェクトだったかもしれません。主役以外の周囲の要素も大事です。

訴えたいことをきちんと強調する画角に!

タイトル:一刀彫

職人さんは本当にフォトジェニックな被写体です。緊張感や力強さを描くにはピッタリの被写体と言えます。本作で気になる点は職人さんのバランスです。おそらく主の被写体は職人そのものより「手」や「動き」なはずです。顔をしっかり入れると説明的になってしまい、力強さが失われてしまいます。頭を切って手元をもっと強調する画角だと迫力が増すでしょう。

タイトルは大事!写真を見る人にストーリーを!

タイトル:こども

印象的なシーンですがタイトルがストレート過ぎます。「こども」をどうして撮りたくなったのか、どんな心境なのか。タイトルを工夫できるともっとストーリーが生まれるでしょう。構図は奥行きを活かし動きのある斜めにずらしたバランスが見る人の心の動きに繋がっています。しかしやや子供の配置が下づまりしており、やや窮屈です。手元をももう少し入れるとバランスが取れるでしょう。

熊切大輔先生略歴

東京工芸大学短期大学部を卒業後、日刊ゲンダイ写真部に入社し主に事件やインタビュー、プロスポーツなどを担当する。その後、フリーランスの写真家として独立。広告や雑誌媒体などでドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人が生み出すモノ」を撮影対象に幅広い分野で活躍中。「演じるコト   -俳優石丸幹二の1年-」展「TOKYO ZOO」展など開催。カメラグランプリ選考委員。公益社団法人日本写真家協会会員。

さあ、どんどん応募してみよう!

雑誌のフォトコンテスト以外でも様々なフォトコンテストが開催されています。そうした中、月刊「カメラマン」が長年協賛している「総合写真展」が6月25日まで作品を募集しています。

同展は、作品が入選以上に選ばれると「東京都美術館」(台東区・上野公園)に展示されるというもので写真の展覧会としては大変規模の大きい公募展です。また、入選者の方を対象とした表彰式も開催されます。腕に覚えのある人はもちろん、写真を始めてまだ日が浅いという人も、写真をもっと楽しむために、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

●「第23回総合写真展」ホームページ
https://shashinten.info/?rcd=301