みなさん、こんにちは。アルカスイス互換…誰が言い出したのかは知りませんが、いつの間にかこのフレーズは当たり前に使われるようになりました。今月は、この「アルカスイス互換」に深く迫ってみたいと思います。

アルカスイスとは雲台のクイックシュー規格

えっ、アルカスイス互換!なにそれ?”という人のために説明しておきます。三脚の雲台のクイックシューに用いられている規格のことですよ。

アベっちが最初に手にしたアルカスイス互換は、SIRUI(シルイ)というメーカーのカーボン三脚に付いてきた雲台でした。その後BENRO(ベンロ)という三脚にもアルカスイス互換の雲台が付いてきました。気がつくとレンズもです。タムロンのSP70-200mm F/2.8 Di VC USD G2や100-400mm F/ 4.5-6.3 Di VC USDの三脚座もアルカスイス互換になっていました。

しかし、ここで沸々と疑問が湧いてきます。アルカスイス互換ということは、アルカスイスと共通という意味ですよね。でも、果たして本物のアルカスイス製の雲台を使ったことがある人はいるのでしょうか?

アベっちは、ありません。いえ、もっと厳密にいえばアルカスイスのカメラは使ったことがありますが、雲台は使ったことがありません。実はアルカスイスは、元々は4×5判カメラメーカーで、このカメラのレールがアルカスイス規格なのです。

カメラメーカーで三脚を作るようになったメーカーは何社かあります。ほかにはCambo(カンボ)が有名です。

アルカスイスモノボールヘッドZ1クイック

www.kenko-pi.co.jp

▲わっ!デカい。初めて現物を見たアルカスイスの自由雲台だが想像以上に大きく立派だった。重さは690gあるのだけど、あまり重いとは感じなかった。仕上げはとても美しく、工芸品のようだ。
●大きさ:91×69×108mm●重量:690g●耐荷重:60kg■希望小売価格:7万4000円(税別)
問い合わせ:ケンコープロフェショナルイメージング 

sirui-japan.com

▲SIRUIカーボン三脚(写真左)、アルカスイス モノボールヘッドZ1 クイック+SLIK三脚(写真中)、
BENRO三脚(写真右)

プレートの固定具合や操作感が重要!

さて、アルカスイスのもっともベーシックなモデルといえる自由雲台(モノボールヘッドZ1)を代理店のケンコープロフェショナルイメージングから貸してもらいました。クイックシューには、最初にいくつか確認したいことがあります。まずは、カメラ側に取り付けるプレートがしっかり固定されるかです。ネジをギュッと回しても後からズルズルとずれてしまうものがあるのです。ピタッと固定できることが重要です。

まだクイックシューやボールヘッドの固定ネジは、少し緩めたらサッと緩くなり、少し閉めたらグッと固まるものが優れています。さすがは本家本元のアルカスイス、使ってみて納得しました。

しかもアルカスイスのボールヘッドはグリスが使われていません。使われていないのに滑らかに動きます。ここが素晴らしい。グリスを使っているタイプは、いつかはグリスが染み出してきたり、グリスに砂やホコリが交って動きが悪くなってしまったりする可能性が高いのです。

▲付属のプレートをカメラに取り付けて使用する。プレートはしっかりネジを締めるとまったくズレない。これが重要だ。雲台側のネジを緩めて、いざ合体だ!

▲雲台のネジをちょっと回すだけでしっかり固定される。もちろんちょっと緩めるだけで取り外せる。この“ちょっと”が大事だ。

▲タムロン100-400mm F/4.5-6.3の別売の三脚座もアルカスイス互換になっている。長年、三脚座のネジ穴を探して留めていたわけだが、ワンタッチで着脱可能なのはとても便利だ。もう元には戻れない。