ソニー モバイルプロジェクター MP-CD1
▲こちらもコンパクトサイズを実現しており、内蔵電池による駆動時間は2時間です。大きな特徴として、モバイルバッテリーとして使用できること、垂直方向の自動台形補正ができることが挙げられます。●画像解像度:854×480(WVGA)●投写サイズ:40型(1.15m)最大120型(3.45m)●光源:LED光源(寿命目安 約5万時間)●明るさ:105 ANSIルーメン●色再現性:フルカラー(1677万色)●台形補正:自動プラスマイナス40度(垂直)●外寸: W8.3×D1.6×H15cm●重量:280g■価格:オープン
上下のキーストーン(台形の自動補正)を備える!
前述のキヤノンの原稿を書いていたときに発表されたのが、ソニーのモバイルプロジェクター MP-CD1です。黒革のケースに入っていて本体もツヤ消しの黒色。幅83×奥行き16×高さ150mmは、ちょうど大型のスマートフォンのようです。重さは280gとちょっと重めですが、それには秘密があります。なんとモバイルバッテリーを兼ねているのです。モバイルプロジェクターであり、モバイルバッテリーというわけです。
モバイルバッテリーとしての接続はUSB、データの入力はHDMIのみとシンプルです。しかしHDMIで接続できるものは多いので、パソコンやカメラはもちろん、スマートフォンだって変換アダプターを手にいればOKです。またマイクロソフトのワイヤレスディスプレイアダプターを使うと面倒な操作なしでMiracast technology搭載のパソコンやタブレット、スマートフォンからワイヤレスで映し出せます。
さらに、もうひとつ嬉しいのはモバイルプロジェクターでは搭載されていないことが普通だったキーストーン(台形補正)を備えていること。上下だけで左右は対応しないものの、高さを調整するのにあおったときに自動で補正されるのは素晴らしいです。
液晶プロジェクターとして使用したときの時間は120分。明るさ105mlでキヤノンよりも明るい。明るいということはより大きく投影できるということです。モバイルバッテリーとして使用したときの時間は120分です。
▲大型のスマートフォンのような外観のソニーのモバイルプロジェクター MP-CD1。これに黒革のケースも付属している。
プロジェクターを上下に向けると台形になってしまうが、これを自動的に直せてしまうのがイイ!
▼通常
▼キーストーン補正あり
▲M-i1でまきチャンのお腹をスクリーンにしたので、MP-CD1では担当編集者の中野っちの背中も利用してみた。デカイのは有難い。
▲でもやはり背中より動かない壁の方がいいかな、小型三脚で固定。三脚ネジの位置がセンターではないので不安定かなと思ったが問題はなかった。
ネットに接続するか、モバイルバッテリーとして使うか、どっちが魅力的ですか!?
キヤノンのミニプロジェクター M-i1と、ソニーのモバイルプロジェクター MP-CD1。どちらも持ち運びできるハンディタイプのプロジェクターなのに、その仕様は大きくことなります。
キヤノンはアンドロイド搭載でネットから得た情報を入手できます。リアルタイムに情報収集を収集して公開することが可能なわけです。
ソニーはモバイルバッテリーで、モバイルプロジェクターの最大の欠点、投影時間が短いことを解決しています。モバイルバッテリーとして使えるなら多少の重さも負担になりません。
この違い。実に面白いです。さて、あなたはどちらを選びますか? 現場からは以上です。
撮影:阿部秀之
ヨーロッパの風景やスナップ、ポートレート、コマーシャルなど幅広いジャンルを撮影する。87年よりカメラグランプリ選考委員。
モデル:水穂まき
この記事は月刊カメラマン2018年5月号に掲載時のものです。