応用編ポイント
●N-Logは広いダイナミックレンジの素材撮影が可能!
●動画でクリエイティブピクチャーコントロールを活用!
SNSで動画を気軽にアップしたいユーザーにも使って欲しい!
Z 7 において注目度が高い機能が N-Log を搭載してきた点だろう。L o g に関しては以前にも少しご紹介したが、ニコン独 自のN-Logはダイナミックレンジ12段、1300%という広いダイナミックレンジの素材を撮影できる。
スタン ダードと N - L o g との 比 較
スタンダートと N-Log での比 較を撮影。設定は同じにして撮影している。SD では空が白トビしてしまっているのが分かるが、 N-Logで撮影した方はハイライ トからシャドーまで階調豊かに収録できている。N-Log 撮影時は ISO感度のベースがISO800 になる。
▼スタンダード
▼N-Log
上の比較画像を確認してほしい。しかしながら、ボディ単体でのN-Log収録はできないため、ATOMOS を始め外部レコーダー が必要になる。外部レコーダーを使用すれば、10bit の非常に高画質の映像を得ることができる。
多くのカメラはボディ内で8bitのLog 収録ができるが、10bit収録できるのは GH5やGH5sのみ。その他は8bit収録になる。8bitでは色深度が約16万色、10bitでは10億7千万色の色再現ができる。そのため、Z 7 ではグレーディング耐性の高い、10bit 収録のみを選択したようだ。
実際に収録したムービーを見ると非常に良質なデータだと感じる。グレーディングしていても粘りがあり、色の絶妙なトーンもしっかりと表現できている。映画で得られるようなイメージを簡単に表現することができた。1 つの素材を使って色々なグレーディングを作成したので参考にしてもらいたい。
N-Log は少しハードルが高いなと思っているユーザーには、今までどおりピクチャーコントロールのフラットを使用してもらいたい。フラットは非常に優秀なプロファイ ルで8bitにも関わらずグレーディングもできる優れものだ。N-Log に比べて露出の決定も楽なので、初めてグレーディングする ユーザーなどにはお勧めだ。趣味レベルですぐに SNS などにアップしたいというユーザーは、新たに搭載されたクリエイティブピクチャーコントロールを活用してみると良いだろう。
N-Log の設定
▼N-Log の設定は少し複雑で、ピクチャーコントロール内に設定はない。N-Log を使用する場合はセットアップメニューのHDMI 設定から行う。出力ビット数を10bit にしてから初めてN-Log を選択できるようになる。また、外部記録制御を ON にすることでATOMOS などのレコーダーとREC ボタンを同期できるので便利だ。
作例動画 03 グレーディング後
▼LUT を使用してグレーディングした。最初のカットはN-Logのままだが色々なフィルムシミュレーションを使い、 表現してみた。グレーディングの耐性は高く、深みがあり非常に優秀であることが伺える。
クリエイティブピクチャーコントロールは、簡単に言えばアーティスティックなフィルターのことだ。20 種類搭載されており、非常に洗練されている。適用度も変更でき るため、ほのかに動画に色をつけることも可能だ。特にデニムやトイというクリエイティブピクチャーコントロールはセンスがあり、オシャレな動画を撮影できるので、グレーディングは難しいので手軽に挑戦したいと言うユーザーにはオススメだ。
作例動画 04 クリエイティブピクチャーコントロール
▼クリエイティブピクチャーコントロールのトイを使用して撮影。香港のイメージに合っており、非常に好印象だ。適用度も 0-100 の間で変更できるので、自由自在に色を表現できる。作例では適用度 70に設定している。