応用編ポイント
●MF レンズは動画撮影の録音時、静粛性にも優れている!
●「フォローフォーカス」で精度の高いピント合わせが可能
シネマレンズは高価だが、使ってみる価値がある!
応用編では MFレンズを本格的に使いこ なす方法をご紹介しよう。映画やドラマ、 CM などの撮影現場ではシネマレンズという映画用のレンズを使うことが多い。近年ではシグマやキヤノン、富士フイル ムからも本格的なシネマレンズが発売されており、プロユースのマーケットでは使用されている。
シネマレンズの魅力は距離 指標が細かく記されており正確なフォーカ スができる上、フォーカスを動かしたときの画の変化が非常に少ない。その代わりに 価格は非常に高価だ。筆者が愛用しているカールツァイスは実はシネマレンズを作っており、多くのハリウッド映画で使われている。ツァイスの静止画用レンズは、シネマレンズの技術を応用している製品もあり、スチールだけに限らず、実は動画撮影にも向いている。
筆者はニコンでも動画撮影が増えているので、ツァイス Milvus 1.4/50 を使用している。本レンズには細かくレンズ距離指標が記されてあり距離感も掴みやすい。スムーズ なフォーカスのお陰でイメージどおりのフォーカス送りが可能だ。フォーカスを操作させたときの遊びもなく、画にブレもなくカッチリと撮影できる。
これがツァイスのレンズギア
▼ツァイスのレンズギア。アルミ製で作りもしっかりしている。レンズに合わせて、様々なサイズを用意してある。大きめのレンズからミラーレス一眼用のレンズまで幅広く対応している。装着時にツールを必要としない点も魅力。
また、動画撮影時に録音をしているときも MFは静音性に優れている点にも注目しておきたい。だが、MFで撮影するのであれば、フォーカスリングを一定の速度で操作することが求められるので、操作は慎重に行いたい。焦らず一定のスピードで動かすようにしよう。
液晶モニターを見ながらゆっくりと回すことが重要だ。さらにアクセサリーを使うことで、本格的なシネマレンズのように使うこともできる。ツァイスのレンズギアを使うと本格的なシネマレンズとして使用可能だ。
以前、動画撮影用リグをご紹介したが、 フォローフォーカスを使うことでさらに精度の高いピント合わせが行える。フォローフォーカスをカールツァイスレンズで使うには、専用のツァイスレンズギアを活用しよう。ツールを必要とせず精度の高いギア を簡単に装着できる。アルミ製のギアはしっかりしており、絶妙なピント合わせも行える。ギアピッチは 0.8 なので、様々なフォローフォーカスと相性が良いはずだ。動画撮影をもう少し本格的に行いたい方はぜひ、 MFのレンズに挑戦してみよう。
簡易リグに搭載した状態
下の写真はフォーカスギアを装着したレンズとカメラを簡易リグに載せたもの。汎用性のあるフォローフォーカスを使うことで、スムーズかつ適度なトルク感のあるフォーカスが可能になった。スムーズな動きは本格的なシネマレンズのようだ。
精度が高くスムーズなピント合わせが可能に
▼ギアピッチは0.8と汎用性がある。筆者愛用の簡易フォローフォーカスでも十分使うことができる。
作例動画 03 映画のワンシーンのような動画!
▼香港の街中で MFを使いピント合わせを行った。MF のお陰でスムーズなピント送りができている。小型スライダーを組み合わせることで、映画のワンシーンのようだ。