鹿児島県種子島にある2つの高校では、通学時に使用するオートバイとしてカブが推奨されている。制服を着た女子高生達が、場合によっては1時間もかけてカブで学校に通、駐車場はカブで溢れるという。そんな種子島の女子高生の日常を、写真家の大野雅人氏が様々な場所で捉えた作品展が、銀座のソニーイメージングギャラリーで開催されいてる。
ギャラリーにはカブの実車も展示されている。カブは故障が少ない上に、条件によっては燃費が100km/ℓにも達することがあるという優れた経済性を誇る。世界中で愛され、2017年に生産累計が1億台を突破し、1958年の初代モデル=スーパーカブC100の登場から今年で60周年となる世界のスーパーロングセラー大ヒットモデルだ。
また大野氏によると、種子島の2つの高校が通学で推奨している車種であり、島では先輩から後輩へ、代々受け継がれていくオートバイだそうだ。ちなみに数年前にスクーターもOKにしたとたんに事故が増えたとのこと。また島民のほとんどがカブの修理ができて、もし何かトラブルに遭ったときでもみんなで助け合う状況になっているとのことで、それほど日常生活に深く溶け込み愛されているオートバイなのだ。
大野 雅人
1968年 愛知県生まれ。1999年に写真家の妻とともに写真事務所を設立しフリーランスとなる。人物、風景、舞台などの撮影や写真講師・講演、写真誌寄稿などを生業とする。近年は、自然と人間との普遍的な関係を表現することを目的とした作品などが、フランスのフォトアートフェスティバルなどの場で展示発表されている。