月刊カメラマン2018年2月号から7月号にかけて、異なったジャンルのトップ写真家6人が、お気に入りの富士フイルムXFレンズを使用して作品を発表、気に入っている理由や使用感をレポートした。今回は2018年6月号に掲載した第5回「動物×湯沢祐介」の記事を再掲する。

ペトグラファーが求める描写力と見事なボケ味を表現しきる、
「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」と「XF35mmF1.4 R」!

▲ほどよいボケ味になるように絞りを調整し、片手で猫をじゃらしながら毛糸玉を抱えた瞬間に撮影。実にボディ内手ブレ補正の恩恵にあずかった一枚である。
■XF35mmF1.4 R 絞り2.81/500秒ISO1000
*共通撮影データ:X-H1 フィルムシミュレーション:プロビア

▲実際にはスカスカした花畑も望遠レンズの圧縮効果により、ギュッと詰まった花畑に早変わり。X-H1の高速連写のおかげで瞬きした瞬間を捉えることができ、XF50-140mmの高解像感とあいまって、思い描いたとおりのイメージで撮れた。
■XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR 絞りF2.8 1/1000秒 ISO100 

望遠の圧縮効果で画面いっぱいにチューリップを入れ込んだ

一年を通してペットを撮影している私であるが、たくさんの花が咲く春から梅雨前ぐらいは、とりわけ屋外撮影が多くなる。とはいえ花の開花状況や天気、ペットのコンディションなど、すべてが揃わなければ撮影できない。外で撮影できる日は貴重であり、万全の状態で臨みたい。そんな私がペット写真を撮る上で、とくにカメラに求めるものはグリップ感と連写速度である。

時に片手でカメラを持つこともあるペット撮影において、しっかりとホールドできることは重要だ。富士フイルムX-H1は、このグリップ感がとても良い。これに縦位置バッテリーグリップを装着することで、さらにホールドしやすくなり、安定した片手撮影が行えた。また、この片手撮影時にボディ内手ブレ補正機能が存分に力を発揮してくれたことは言うまでもないだろう。

そして自由気ままなペット撮影では連続撮影が必須になる。14コマ/秒の高速連写が可能なX-H1で、刻々と変わるペットの愛らしい表情を逃さず撮ることができた。

今回使用したレンズはXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRとXF35mmF1.4 Rの2本。屋外での撮影では望遠ズームレンズで撮影。一面の花畑を表現するために望遠側で撮影し、圧縮効果により画面いっぱいにチューリップを入れ込んだ。

屋内の撮影では手ブレを起こさないよう、より明るい単焦点レンズを使用した。被写体と背景の距離が近くても、見事なボケ味を出してくれた。

先に挙げた2点の条件をクリアし、美しい色表現ができるX-H1。そして、私が求めているボケ味と描写力を持ったXレンズは、ペット撮影に適していると断言できる。

今回の撮影で使用したフジノンXFレンズとXシリーズ
XF35mmF1.4 R

fujifilm.jp

●レンズ構成:6群8枚●絞り羽根枚数:7枚●最短撮影距離:80cm(標準)28~200cm(マクロ)●最大径×長さ:Φ65.0×50.4㎜●重さ:187g●フィルター径:Φ52㎜●実勢税込価格:6万1420円※

XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR

fujifilm.jp

●レンズ構成:16 群23 枚● 絞り羽根枚数:7枚●最短撮影距離:100cm●最大径× 長さ:Φ82.9×175.9 ㎜ ● 重さ:995g●フィルター径:Φ72㎜●実勢税込価格:16万7370円※

富士フイルム X-H1

fujifilm.jp

●有効画素数:2430万画素●撮像素子:X-Trans CMOSⅢ●標準ISO感度:ISO200~12800●ボディサイズ:W139.8×H97.3×D85.5㎜●重量:約673g●実勢税込価格:25万8660円VPB-XH1(バッテリーグリップ)防塵・防滴・耐低温マイナス10℃対応。バッテリーを2個装填でき、撮影枚数は最大約900枚(ノーマルモード)。●実勢税込価格:4万2260円

※実勢税込価格は2018年5月上旬の都内量販店のものです。レンズも同様です。

湯沢祐介
Yusuke Yuzawa

月に500匹以上のペット撮影を手がけるペトグラファー。猫じゃらしで巧みに猫を操る姿から「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。著書に「ねこの撮り方まとめました!」(日本カメラ社)「手乗りねこ」(宝島社)他がある。

*掲載した記事は月刊カメラマン2018年6月号当時のものです。