月刊カメラマン誌で連載中の写真家・曽根原昇さん(ソネちゃん)の「現代の銘玉吟味!」のWeb版です。本誌では紹介しきれなかった現行&最新レンズの魅力を曽根原さんに作例とともに語って頂きます。レンズに関する記事(解説)は月刊カメラマン誌6月号を是非ご覧ください。

今回は2016年4月に発売された、パナソニックLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.Sです。レンズの詳細については以下URLをクリックしてご参照ください。

マイクロフォーサーズの利点を最大限に発揮した優秀なレンズ

望遠端120mm相当、絞りF4での撮影。周辺の4隅では若干だけ鮮鋭性を失っているが、それでもズームレンズの画質としたら上々以外の何物でもない。中心に配置したクレーンはもちろん、周辺の樹木の細かな葉の一枚一枚まで見事に分離している。取り回しがよくズーム倍率の高い標準レンズを望むのであれば、これ以上の選択肢は現状他にないのではなかろうか? マイクロフォーサーズの利点を最大限に発揮した優秀なレンズと言って差し支えないだろう。

■パナソニック LUMIX G9 PRO 絞り優先AE(絞りF4.0・1/1600秒) プラス1補正 ISO200 WB:オート

標準画角の画質も良好

ズーム中間域となる56mm相当での撮影。玄人好みの中間域…と言うよりは、本来標準ズームが本領を発揮すべき標準画角での画質も大変に良好だ。比較的近距離で猫を撮っているが、中心付近に据えた猫の毛並みは、シャープと柔らかさを両立した繊細な表現を実現しており、そこからなだらかにボケていくアウトフォーカスはこれまたあくまで自然の一言。被写界深度の深いマイクロフォーサーズだからこそ、こうしたナイーブな描写表現が重要なのである。汎用性を求める標準ズームかくあるべし!といった新機軸のレンズだ。

■パナソニック LUMIX G9 PRO 絞り優先AE(絞りF4.0 1/1250秒) ISO200 WB:オート

撮影・解説は写真家・曽根原昇さん

曽根原 昇(そねはら のぼる)
写真家・テクニカルライター
1971年生まれ・愛知県出身。信州大学大学院修士課程を修了。2006年よりフリーランスとなり、2010年に活動拠点を長野県より関東地方に移す。現在は雑誌・叢書・単行本などの撮影・執筆をメインに活動中。
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