Webカメラマンの連載「生徒諸君!~写真の基礎と応用の逆転劇~」では、知っているようで知らない写真の基礎、いまさら聞けない基本的な知識をおさらいしながら、実はタブーだと思っていたことも使い方次第では有効なテクニックになったり、写真上達の手助けになる逆転劇をお送りします。
作例と解説は写真家の水咲奈々です。

カメラ初心者さん、フィルム時代から撮り続けているけど基礎はちょっぴり不安な方、プチ・スランプにはまってしまった方、もっと自由に写真を撮れるようになるために、写真表現のボキャブラリーを増やしましょう!

Lesson 6. ホワイトバランスは楽しく使おう!

ホワイトバランスとは、簡単に言ってしまうと白いものを白く写すための機能です。被写体にあたる光は肉眼では同じ色に見えても、太陽光や電球、蛍光灯、雲がかかった自然光など光の種類によって色がついています。このままでは写真全体に色がついてしまう(これを「色かぶり」といいます)ので、ホワイトバランスを使って色かぶりを取り除いて綺麗な写真に仕上げます。

通常、カメラのホワイトバランスの基本設定はオートになっていると思います。これはカメラが色かぶりを判断して自動で調整してくれる設定です。最近のデジタルカメラのオートホワイトバランス(AWBと略されることが多いです)の機能は素晴らしくて、カメラ任せでほとんどの状況で白いものが白く写るように仕上げてくれます。

WB:オート

WB:オート

とはいっても、カメラが苦手な光の状況もありますので、オートでの写真の色味が違うと思ったら、自分で光源の種類を変えて写真の色味を調整しましょう。最初はどの光を選べばどのような色味になるかわからないでしょうが、再生画面やライブビュー画面で色味の変化を見ながら調整できるので、あまり堅苦しく考えずに変えてみましょう。

さらに、写真のムードを変えるカラーフィルターとしてホワイトバランスで遊ぶのもオススメです。晴天にして赤味を増して暖かいイメージにしてみたり、電球にして青味を増してクールなイメージにしたり。写真は見たままを写すことも大切ですが、自分のイメージを具現化して楽しむことができます。ぜひ、色々な‘色’にチャレンジしてみてください!

WB:晴天(WB:オートとの微妙な違いが分かりますか?)

WB:晴天

WB:電球(グッとクールな感じになりましたね)

WB:電球

WB:白色蛍光灯

WB:白色蛍光灯

水咲奈々 -Nana Misaki-

東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やイベント、ニコンカレッジやLUMIXフォトスクールなど、多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。
(社)日本写真家協会会員

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